3.ソフィアとの交渉
次回の更新は4月22日、金曜日の予定です。
有馬悠は、考える。
考えたが、最重要事項は、明日の国会答弁を作らなければいけない。国会に提出する法律案作成の準備作業もしなければいけない。よし、大精霊ソフィアと話をしよう。大精霊?
いや、邪神?魔王?
「ここは、無責任・女神フリージア様の神殿なのでしょうか?それとも、大精霊ソフィア様の神殿なのでしょうか?祈れば、あなた達と同じように大精霊様と話が出来るのですか?」
有馬は口が悪い。口が悪いが宗教相手に喧嘩をうるほど、馬鹿ではない。だから、丁寧な口調で確認をする。
「私達は、一方的に大精霊様から神託があるだけです。ですから、自由にお話はできません。調停者である悠様なら、可能かもしれませんが・・・。」
有馬悠は手を合わせる。お題目の「南無妙法蓮華経」や念仏の「南無阿弥陀仏」を唱えようかと思ったが、冗談ですまない気がしたので断念した。
彼は、有馬を凝視しているロリ神官達にも聞こえるように大きな声で、真面目に祈る。
「大精霊ソフィア様、大精霊ソフィア様。この異世界にハーレムを作るので、世界全土をください。あと、不老不死の、この世界の王にしてください。そして、このロリ神官達も含めて全ての女性を調停者の私にください。エロ・ハーレム18禁、青少年健全育成条例に全力で対抗するエロ、エロ。ムラムラ展開を・・・」
ロリ神官達が、青ざめる。そして、露骨に有馬から距離をとる。
「有馬悠。あなたは、魔王ですか?困った人ですね」
有馬悠に、神殿の上から、まばゆい光りが降り注ぐと、先ほど話した大精霊ソフィアの声が聞こえてきた。
「やはり、釣られたか?」
まともに祈っても、ひねくれものソフィアを呼び出せるとは思えなかった。だから、転生した問題児の地球人以上に、めちゃくちゃな要求をソフィアに突きつけることにした。
日本の官僚、舐めるなよ、異世界の女神ごときが・・・。
ソフィアは、彼の脳内に直接、話しかけているのだろう。3人の神官にはソフィアの声は聞こえていない。
「お美しく、かくも尊き女神、大精霊ソフィア様。転生していただいたこの素晴らしい異世界で、私は酒池肉林、ウハウハの18禁、世界全土をハーレムにします。だから、世界の王にしてください」
「確か、地球では、世界の半分をやるからと魔王が勇者を誘惑すると聞いたのですが・・・」
ソフィアが呆れたように、有馬悠に言った。
「それは、聖書とか有名なゲームに出てくる話ですね。しかし、私はソフィア様が治めるこの世界が丸ごと欲しいのです」
「あなたが何をやっても、地球には戻しませんよ」
「それなら、異世界をもっと混乱させますよ。ソフィアさん、あなたは、自分の神官にハニトラを強要したでしょう?『異世界人は、チョロイので、世界の王になってハーレムを作れれば、ソフィア大先生の言うことを聞くでしょうね』」
これで、ソフィアも諦めるはずだ。
勝った。政治家や財務省の予算交渉より、チョロイなと悠は勝ち誇る。
「わかりました。それが、調停者であるあなたの望みというのなら、有馬悠。あなたを世界の王にしましょう。この世界の全ての女性もハーレム要員として、あなたに差し上げましょう。それで、この世界の混乱を調停してくれるのですね」
ソフィアは、強い口調で告げる。
そして、今度は、有馬悠ではなく異世界全ての自分の信者の脳内に話しかける。
「私の可愛い子供達よ。女神フリージア様は、いまだ行方不明。異世界転生者がもたらす禍、未曾有の国難にあえぎ苦しむもの達よ。私、大精霊ソフィアの代理者として調停者有馬悠を異世界から連れてきました。今より、有馬悠はこの世界の王としてあなた達の問題をすべて解決します。また、私には大変な不本意ことですが、私の子供達を、有馬悠にお礼として与える約束をしました。敬虔なる我が子らよ、我が子らは、老いも若きも子をなせるものは、すべて有馬悠の妻となりなさい。これは強制ではなく私のお願いです。皆さんが、天地を司る大精霊ソフィアのお願いを拒んだとしても、大噴火が起こったり、国々が突然、海に沈んだり、地震によってあなた方が死ぬことはありません・・・。多分・・・。」
お前、それ、私に逆らったら、世界を滅ぼすと言っているのと同じだよ。あんたは、悪魔だよ。
ソフィアは、有馬悠の脳内に、勝ち誇ったように話しかける。
「世界の王にして、ウハウハのハーレムを望みしものよ。願いは叶えました。世界のことを丸ごとお任せします。そうそう、転生者のチート能力は、地球での能力を強化しています。武力に秀でたものは、剣の才能があります。知力に秀でたものは、魔法の才能があります。たいした才能がなかったものは、無能力者になります」
やっちまった。
有馬が考える以上に、ソフィアは狡猾だった。
神殿内の光が消えると、ロリ神官達が悠の顔をうっとりと狂信者の目で見つめている。
「大精霊様のお告げどおり、私達は今日から悠様の妻に」
「その話はあとでしましょう。あと自分の人生は自分で決めなくちゃダメです」
この世界の住民を奴隷にしたいとか、もっと、めちゃくちゃな要求をソフィアに再度、伝えても、ソフィアがまた願いを叶えれば、事態はさらに悪化する。情報を整理しよう。
この手の大神殿は、多くの場合、王都にある。この神殿は広い。物凄く広い。ルーブル美術館に入ったことはないが、上野の東京科学博物館や国立東京博物館並みには広い。東京ドーム何個分だ?国会議事堂並みの大きさはある。神官がロリ娘3人ということはあるまい。
有馬悠達がいる部屋は、学校の体育館ぐらいの広さである。正面の大きな扉が開くと、数十人の青い神官服を着た女性神官達が中に入ってきた。
扉の外が見える。赤い絨毯が敷かれた廊下には、100名前後の女性神官がいる。そして、女神官達は有馬達のいる部屋に入ってくると、数十名の神官が彼にひれ伏した。
「わーい。異世界転生で、ハーレム爆誕だ」
そう、喜んでいる場合ではない。
神官服を脱ごうとしている女性神官達をミール達に制止させる。
「神官が、裸を見せたらダメですよ。自分を大事にしないと・・・」
ロリ神官達は、やはりというか、大神官なのだという。大神官の上には、法皇がいるが、現在は空位だという。
「悠様が調停者なので、今は悠様が法皇様になるのではないでしょうか?」
ミールが、頭の痛いことを言う。
宗教を舐めていた。どうしよう。
神官達は、有馬が提案し、ソフィアがお告げとして、全世界にインフォメーションしてしまった、無理難題を叶えようとしている・・・。
もちろん、ソフィアも、有馬がハーレムを作れないことを分かった上で、世界の王として、また、女性達をハーレム要員として差し出したのだ。
迂闊だった・・・。神は政治家よりも手ごわかった・・・。有馬は自分を責める。
4月22日、水曜日更新
○異世界文化汚染を食い止めろ!大精霊は、官僚を転生させて地球人を取り締まる
4.国王がやって来た・・・。
主人公と大精霊ソフィアの交渉は続く。
大神殿で、半裸状態のうら若き乙女達に不本意であるが、きわめて不本意ではあるが、宗教には宗教で対抗するしかない。
「大精霊ソフィアが召喚せし、調停者の有馬悠として命じます。あなた達は、私のハーレム要員ではありません。服も着てください。頼むから、服を脱がないでください」
有馬が悪いのだが、ソフィアも有馬が手を出せないのを承知の上だ。
好みの子に手を出してやろうか?
「あらあら、無欲だこと」
ソフィアの声が、脳内に響き渡る。
「消えなさい。悪魔よ。私は惑わされない」
「神殿の神官達の事、頼みましたよ。あの子達は、真面目な子ですからね」




