第22話「再び王都へ③」
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午後2時30分過ぎ……
ダンとスオメタルは無事?依頼を受諾、冒険者ギルドを後にしていた。
例によって、ふたりは歩きながら念話で言葉を交わしている。
『ネリーさんって、変わり身も早いけど押しも凄く強いなぁ』
『御意でございます。完遂可能なのは、貴方達しか居ない! お断り不可! とか無理やり押し切られてしまいましたゆえ』
『だな! まあ、……そこそこの報奨金に惹かれたのも事実だけど」』
『その通りでございます。頂戴出来る報酬、金貨800枚は、大金ではございませぬが、まずまずでございますゆえ』
『彼女から頼まれた依頼は王都近郊、100年前に廃棄された古城での亡霊退治、及び探索か』
『その通りでございます』
『今迄に10組のクランを含め、のべ80人が失敗してるって言ってたな』
『はいでございます。誰もが、 ぎゃ~! がいこつが~、何度倒しても復活するぅ~! と真っ青になって逃げて来るそうでございますよ』
『それって多分……魔王軍にも居た不死者で、スケルトン系の奴だろう』
『御意でございます』
『それに、城内に残っているモノは自由にお持ち帰りOKとか、一見太っ腹だけどなあ……』
『いえいえ、太っ腹は全く違います。何故ならば、廃棄されてから100年経ってるでございますよ。散々持ち出しされて、どうせ何も残っていないという意味と同意でございます。とりあえず言うだけはタダという典型でございますね』
『だな! 万が一お宝があれば、超が付くラッキーだけど……まあ、からっぽだろうな』
『マスター!』
『おう』
『念の為、ガラクタは不要。ゴミになるだけでございます。一切認めませぬ! 拾っての持ち帰りは絶対に不可でございます』
『おっとぉ! やっぱビシッと言って来たか。厳しい……』
『何か仰いましたか?』
『い、いや、何も……りょ、了解! まあ、依頼の方は、ネリーさんから説明は充分受けて、メモも取ったし』
『私の魔導回路にもバッチリ記憶致しましたでございます』
『よっし! 万全だな! 指示書と地図も貰った。この後、情報屋に会ったら、今日の王都の用事はお終い。帰宅して、依頼を受けた古城には明日向かおう』
『了解でございます。……で、マスター』
『おう!』
『冒険者ギルドから、ず~っと男がふたりつけて来るでございます。捕まえて痛い目あわせてゲロさせるでございますか?』
スオメタルの言う通り……
冒険者風の男ふたりが、100mくらい後をつかず離れずついて来ていた。
はっきりとした尾行である。
『いや、もう約束の時間まであまりない。俺が奴らの心を読み、素性だけは確認しておく』
『御意でございます……スオメタルも奴らの人相風体、魔導回路に記憶したでございます。後で絶対捕まえてゲロさせるでございます』
『だな! 俺達がつけられて、情報屋のヤサがあいつらにバレないよう、適当な場所でまくぞ。しれっと転移しよう』
『ではその角を曲がった場所で一気にダッシュ、即座に転移。入った先の路地には人の気配がありませぬゆえ』
『おう! じゃあ、カウントダウン、3、2、1、ゼロ! ダッシュ!』
ダンとスオメタルはいきなり駆けだした。
慌てて、尾行している男ふたりも追いかける。
ダン達は鋭角に曲がり、小さな路地へ入った。
男達も速度を上げ、路地へと入った。
「あ!」
「くそ! 逃げられた!」
男達は悔しそうにうめいた。
そう、路地には誰も居なかった。
ダン達の姿は煙のように消えていたのである。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
午後3時……
ダンとスオメタルが訪ねた『情報屋』の家は、一見何の変哲もない民家であった。
周囲に人影はない。
おもむろに、ダンは近付いて扉をノックする。
扉の向こうに気配が生じ、何か言葉をかけて来た。
どうやら合言葉らしい。
ダンが慣れた様子で、短く返すと扉がゆっくり開いた。
こざっぱりした身なりをした若い男がひとり立っていた。
まだ10代で、少年と言って良いかもしれない。
少年は立っているダンとスオメタルを認め、さっと一瞥すると、
「中へ入れ」と指示した。
先頭に立った少年はダンとスオメタルを一番奥の部屋へ案内した。
この部屋に家の主、情報屋が居るようだ。
扉をノックする。
「ジャン様、連れて参りました」
「よし! 入れ」
ダンとスオメタルが促され、部屋へ入ると、書斎のような趣きの部屋である。
両側の壁が書架となっており、新旧様々な書物が置かれていた。
地図関係が多いようだ。
「おい、お前は下がって良いぞ」
「は!」
案内した少年は良く指導されているらしく、礼儀正しい物腰で頭を下げ、退出していった。
ジャンと呼ばれた男も若い。
20代半ばという感じだろうか。
重厚な机には、数枚の書類が置かれていた。
何か調べ物をしていたようだ。
椅子に沈めた痩躯の身体を漆黒のブリオーに包み、
妖しく光る茶色の瞳をダン達へ向けていた。
いきなり、ジャンは念話で話しかけて来る。
『ふっ、来たか、ダン。時間通りだ』
ジャンは擬態しているルウの本名を口にした。
対して、ダンも全く驚かない。
『ああ、ぴったしに来たぜ、ジャン』
ふたりの若い男は、見つめ合うと、互いにふっと苦笑したのである。
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一見超ドライですが、本当は優しいルウ、可憐なヒロイン達の新たな魅力をどうぞお楽しみください。
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