『ランクA (1)』
投稿が遅れまして誠に申し訳ございません。
皆様のおかげで25.000PV突破しました。
お読みでいただき本当にありがとうございます。
これからも面白い作品が書けるよう努力していきますのでよろしくお願いします。
真っ白な雪を思わせる髪を持ち,同じく真っ白なドレスを纏った少女が護衛に守られ馬車に揺られていた。
彼女の名前は,アルフィー・ヴェラ・フォレスター。
侯爵家フォレスター家の長女にしてブリューナルの戦姫の親友でもあり,外交職を取り仕切っている。
「はぁー・・・・・・」
思わずため息が漏れてしまう。
私以外にこの馬車には乗っておらず広い馬車がより寂しく感じてしまう。
今回の私の仕事は,隣国を訪問し大移動についの話し合いだった。しかし,あまりいい話し合いにはならなかった。
正直時間の無駄になってしまったとすら思える。
そんな話し合いでも笑顔を作りながら話し合いを行う。本当に疲れる。
彼らは,大移動を完全に侮っている。
そう彼女は今回の外交で痛感させられてしまった。
『大移動』・・・多数の魔物が押し寄せる自然現象。
学者たちが調べてはいるが,原因はまだ明らかにされていないのが現状。
古い記録によれば数百年前に起こった大移動では数十の都市がこの世から消え去ったと記されている。
近年,森の奥地に住む魔物が頻繁に目撃されており大移動が近々起こるのでは,ないかという懸念から今回の隣国の訪問を行ったが無駄足になってしまった。
このままではいずれ来るであろう『大移動』で多大な被害が出てしまう。
そういえば,商業都市に妙な格好をした傭兵集団が現れたという報告が上がっていたわね。
冒険者ギルド長に商人ギルド長が信用するほどの傭兵・・・・・・。
会って視るべきかもしれないわね。
そう決めたときに,馬車が大きく揺れ護衛の声が響いた。
「上空より敵襲!!」
◆
「こちら,モグラ。街道を護衛に囲まれながら移動する馬車を捉えた」
『こちら洞穴,了解。戦力は?』
「訓練を受けている騎兵が中心の約50名。兵士が白の馬車を中心に『ケリサ』に向かって南下中,武装はバスター・ソード,ショートスピア,ショートボウ。このまま偵察を続行する」
『了解。こちらはすぐに出撃する。そちらへの到着は1300時に到着予定』
「了解した。アウト」
森の茂みから『ケリサ』にいる通信兵との無線通信を終え,再び双眼鏡で馬車と護衛を捉える。
グレータは,元盗賊だったが隊長に投降し盗賊時代の腕を買われ,今では隊長が率いている傭兵団にいる。
「隊長からの命令だ上空にも目を光らせとけ」
「了解」
他の偵察についている隊員に対空監視をさせ,上空からのお客さんにも目をひからせておく。
生きるために盗賊に身を費やしたが隊長に拾われてからは盗賊の時よりも居心地のいい生活を送ることができるようになった。
給料はしっかり支払われる。
休暇はある。
食事はしっかり出てくる。
これほど恵まれた仕事はないと思う。
給料は未払い,食事は上の物がいいものをすべて持っていく。しかも休暇なんてもってのほかだ。
確かに訓練は地獄の様に辛いがそのおかげで何度も死にそうな目にあっても生き残ることができた。
最近では,新たに入隊した新人の指導を行っていたが至急偵察に出るように命令を受け現在にいたる。
このあたりの魔物は,殆どが殲滅は終わっており街道付近には赤外線センサー,監視カメラが設置されている。何かに反応すればケリサから速やかに対応できる。
グレータ達がいる場所は偵察用の陣地となっており土嚢が積まれ草や木などを使い相手側からはわかりにくいようにしている。後方に停車してる迷彩色のハンヴィーも偽装網を四方に張りそう簡単には見つかることはない。
今回の偵察では他に3人の兵士が同行している。全員が循の地獄のような訓練を耐え抜いた猛者たちだ。背中を安心して任せられる。
これまで冒険者ギルドで受注する難易度の高い依頼にも参加しており経験も豊富だ。
空を見張っていた隊員がそれに気付き急ぎ無線を開く。
『上空より敵襲!!』
馬車の上空に前脚が翼と同化している鏃のような尾を持った1騎の竜が現れた。
俺は,急ぎ『ケリサ』に無線機をつなげた。
「こちらモグラ,ランクAが出現。至急応援を魔物は『ワイバーン』だ!」
上空にいる凶悪な魔物を知っている。
ジュンの指揮する部隊は全員があらゆる戦闘技術を叩き込まれているが魔物の情報も叩き込まれている。
任務中に魔物に出くわした際に適切に対応できるようにも訓練を行っている。
『こちら洞穴,了解。被害は?』
「街道の護衛付きの馬車が襲われている。現在のところ死傷者は出ていないようだが時間の問題だ」
『洞穴,了解。こちらが到着するまで馬車から敵をひきつけろ,銃器の使用を許可する』
「モグラ,了解。これより戦闘を開始する」
『バレットM82』をケースから取出し,素早く組立て土嚢の上に載せ馬車の護衛に襲い掛かっているワイバーンを狙う。
バレットM82はブローニングM2重機関銃にも使用される50口径弾を使用する。
重い大口径弾を使用することで通常の狙撃銃で使用される30-06弾や7.62mm弾ではなし得なかった長距離の狙撃を可能にした。
作動メカニズムに通常のライフルに用いられるガス圧作動式を用いず,発射後に銃身そのものが後退して銃身後部の閉鎖を解除する『ショートリコイル』という作動方式が採用されている。この作動方式により銃全体の軽量化と反動の軽減に成功した。しかし,バレットM82の重量は12㎏超と一般の狙撃銃に比べれば相当な重さに思えるかもしれないが同程度の弾丸を発射する銃に比べるとそれほど重いわけでもなく,むしろ軽い部類に入る。反動も競技用の散弾銃と大体同じぐらいで撃ちやすい。
ケースから取出し組立に掛かる時間は15秒ほどと短く,分解・組立の後にスコープの再調整をしなくても着弾点の変化がほとんど発生しないのも利点の一つとして挙げられる。
ワイバーンが長い尾で護衛の騎士を数名,馬と一緒に薙ぎ払う。
護衛が薙ぎ払われ守りが手薄になった箇所から馬車に襲い掛かる。そこにワイバーンの左側面の腹部に50口径弾を撃ちこむ。
バレットM82はサイレンサーを装着していないため大砲のような銃声が響き渡る。
ワイバーンは50口径弾を脇腹にくらい馬車を襲う勢いをそがれ再び空へ飛び上がる。
銃声の音と共にワイバーンとの戦闘が開始された。
今回は新キャラが出てきましたがそれほど戦闘シーンが出せませんでした。
戦闘シーンを楽しみにしていた方がいれば申し訳ありません。
ご意見やご感想があればよろしくお願いします。




