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EP1 : 調査と希望



ヤクモは、慣れた手付きで大穴の最深部へと下降していった。


一方ミコは、手動式のシューズに慣れないようでフラフラと


下降というよりは、落下していた。


「ちょっ!ヤクモ、肩貸してぇ!」


ヤクモは、ミコの真下にいた。


足首を捻り、急上昇する。


「手動式、ちょっと臭いますね」


「年代ものだからね。」


排気ガスの匂いが、周囲を覆っていた。


「ふぅ、危なかった」


ミコはヤクモの肩に手を置き、下を見る。


底が見えてくると、ミコは手を離しやはりフラフラと降りていく。


不格好に着地するミコを横目に、すーっとヤクモが地面に立つ。


「っし。さて、やるかー!」


調査員の主な仕事は、土壌の調査である。


現代での、東京消滅の主な要因として考えられるのが転移。


すなわち、ワープである。


そこで、学者たちが訴えたのは痕跡の重要性である。


もし、転移が起きたならば、


転移時に『向こう側のもの』が飛来した可能性が高い。


という仮説であった。


「今日は、他の人たち少ないな。」


ミコは、コソコソとヤクモに話しかける。


「まだ中央区周辺を調査してるのは、うちだけですよ。」


「他の企業は、他の区に行ってました。」


「はぁ?」


東京跡地の本格的調査が技術的に可能になってから8年。


各調査員たちはまず初めに、東京都心に一斉に向かった。


しかし、現在に至るまで何一つとして成果を得られていない。


「なんで、うちはここばっかりなわけ?」


「文句は社長に。」


ヤクモは黙々と土を手に取っては、ふるいにかける。


土壌の調査は至ってシンプルだ。


手で土をすくい、袋の上でふるいにかける。


この動作の繰り返しである。


ひと段落を終え、ヤクモとミコは休憩に入る。


「ヤクモさあ、それ自分で作ってんの毎日?」


ヤクモの弁当箱には、彩りが豊かな食材が詰められていた。


「そうですけど」


「ふーん。意外だねぇ」


小馬鹿にしたような「ふーん」である。


「ミコさんは、自分で作らないんですか?」


ヤクモはわざと、質問する。


「ま、忙しいからねぇ。」


いかにもな嘘をつき、ミコは回避する。


ヤクモは去年入社したばかりの新人である。


ミコは3年目で、通常業務とヤクモの教育係を兼任している。


休憩が終わり、二人はまた例の作業へと戻る。


「ねえヤクモー。転移先ってどんなとこだと思う?」


ミコは退屈そうにふるいをかけている。


「わかりませんね。」


ヤクモはやはり黙々と作業をこなす。


「つまんなー。そんなんだからモテないんだあ」


この人は何度同じことを言うんだろうかとヤクモは呆れる。


「私は転移先、もしかしたらいいとこかもって思うわ。」


ヤクモはハッとして、少し手を止める。


「というと?」


「んー?別にその先のことは考えてないけど。」


ミコらしい回答である。


しかし、親を奪った転移という現象に『悪』の印象しかなかったヤクモにとって


衝撃が走ると共に、一筋の光が見えた気がした。


後書きを読むのは子供の頃から好きでした。

ジャンプの作者の後書きとか、コミックの作者のコメントとか...漫画ばかりですね。

そんなこんなで、僕も後書きは大事にしていきたいなと思います。

ここまで読んでいただき、感謝します。

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