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第十話 道中

「リーナお疲れ様。」

俺はリーナのところへ着くとそう労をねぎらった後、リーナに幌の掛かった馬車の中に隠れておくように言った。

「あれはどうやら王都を目指す隊商のようですね。」

ボーデが近付きつつある一団を見ながらそう判断した。

「じゃあ、ちょっと止まってもらうか。」

早速手を振りつつ街道に出た。


「一体どうしたんだ。脱輪でもしたのかい?」

止まってくれた隊商の隊長らしき人が聞いてきた。ああ、街道端に馬を外した馬車が止めてあるものな。

「いえ、違うんです。」

俺はボーデが王都に戻りたがっている事を伝えた。

「え、ボーデ商会のボーデ会頭殿ですか。」

どうやら隊長さんはボーデの事を知っているらしく、事情を聞くと快くボーデの同行を引き受けてくれた。

「それとなんですが、手持ちで余ってる携行食や薬、他にも雑貨があれば見せてほしいです。」

ボーデと別れてからの行動の準備をする為に、売り物がないかと尋ねることにした。

「それでしたら同行してる者たちに用意させましょう。」

どうやら丁度その手の商人がいたようだ。結局、小さめの陶器に入った傷薬10本、弓1張、矢50本、黒パン20個、干し肉1樽、ワイン1樽、岩塩1塊、獣脂1塊、木製食器類少々、鉄鍋2個、外套2着、リーナの着替え上下1着、を購入した。支払いはもちろん、

「これでお願いします。」

先ほどの身分証を提示してボーデに押し付けた。


「それではそろそろ失礼いたします。」

俺が購入した物資をボックスに収納し終わった頃ボーデが挨拶にきた。

「ああ、それじゃまた王都でお会いしましょう。」

そう挨拶を返してボーデを見送った。

「それじゃ俺たちも行く準備をしようか。」

リーナに馬車から出てくるように声をかけると、

「はい、ご主人様。」

そんな返事が返ってきた。ん、ご主人様?

「リーナ、ご主人様って?」

さっきまでアルカ様と呼んでいたはずだが。

「はい、先ほど契約術を締結して正式にご主人様になられましたので。別のお呼びの仕方の方がよろしいでしょうか?」

なるほどそういう事か。リーナは真面目だな。

「いや、それで構わない。」

俺が認めるとリーナは安心したようだった。

「それでこれからのことだが、まずはそこの森の村寄りのところで狩りをしようと思う。」

「狩りですか?」

リーナが不思議そうに確認してきた。

「ああ、ちょっと勘が鈍っているので取り戻したいんだ。」

そうまずは村人のレベルを上げて他のクラスを取得したい。クラススキルのLv2以上も使用したいし、せっかくある「サポートクラス」スキルも活用したいからな。とりあえずは基本クラスの取得を目指すべきだろう。

「はい、かしこまりました。」

リーナが少し沈んだ調子で返事をしてきた。きっとこの体では狩りの役には立たないとか考えているのだろう。そんな事はないのだがな。そこでフォローしようと

「そう言えばリーナは冒険者だったそうだが、冒険者って何をするんだ?」

俺がそう聞くとリーナは心底びっくりした気配でこっちを見てきた。これはあれか、子供でも知ってないと恥ずかしい位の常識とかそんな感じか。

「あ~、俺は最近こっちの方に来たばかりなんだ。それまでは遠い遠い地にいたんでこの辺りの知識や常識には疎いんだ。今後も色々と教えてもらえると助かる。」

まあだからこそ契約にも知識の伝授を盛り込んだんだしな。

「かしこまりました、ご主人様。」


「それでは冒険者についてですが、冒険者とは冒険者ギルドに加入して依頼を請け負う者の総称です。クラスとして冒険者というクラスが存在する訳ではありません。」

なるほど。一種の職業名、「傭兵」とかみたいなものか。「傭兵」と一口に言っても戦士もいれば魔法使いもいるし他にも色々なクラスの奴がいるが、全体としては「傭兵」でくくられる。それと一緒だな。

「請け負う基本の依頼としては、魔物や獣を討伐する討伐依頼、隊商等の護衛をする護衛依頼、迷宮等の特定地域を探索する探索依頼、特定の物資や素材を採取する採取依頼、街や村の中での細々とした内容をこなす街依頼、等があります。」

結構な種類の依頼があるな。

「そういった依頼を各地のギルドで受け達成して報酬を得たり、動植物の素材や迷宮等で発見されたアイテム等を売却して糧を得る。そういう生き方を冒険者はしているのです。」

なるほどな。しかしこの組織ってひょっとして……

「そして冒険者ギルドはその行動範囲の広さや依頼内容から、世界中に支部を持ちまた各国からは中立の立場の組織として存在しています。」

どうやら意外と規模の大きな組織のようだ。そうなるとこの地域だけの常識って訳じゃなかったのかもな。

「冒険者についてはこれでよろしいでしょうか?冒険者ギルドについてはギルドに行った時にでも、詳しく聞かれるのがよろしいかと。」

「ありがとう、為になったよ。」

冒険者も気にはなるが、とりあえずは

「それじゃそろそろ出発しようか。」

俺たちは馬車に乗り込むと目的地に向けて出発した。


どうにか投稿出来ました。

それでは、御意見・ご感想お待ちしております。

なおポイント評価やブクマ等していただけると大変励みになりますのでよろしくお願いいたします。

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