表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
婚約破棄された悪役令嬢は、農業チートで大地の女神に成り上がる〜隣国のイケメン王子と二人三脚で世界を豊かにします〜  作者: 黒崎 隼人


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
16/16

エピローグ「豊かな大地と共に」

 あれから、五年。

 フォレスティア王国の離宮の庭は、今日も色とりどりの花と、瑞々しい野菜で溢れている。


「ママ、見て! こんなに大きいの、採れたよ!」


 栗色の髪を揺らしながら、四歳になる息子のリオが、泥だらけの手で巨大なカブを掲げて走ってくる。

 その隣では、二歳の娘のセナが、おぼつかない足取りで兄を追いかけていた。


「まあ、すごいわね、リオ。今日のシチューは、特別美味しくなりそう」


 私は二人の子供たちを、まとめて抱きしめた。

 土の匂いと、子供たちの笑い声。

 これ以上の幸せはない。


「おっと、俺の分も残しておいてくれよ」


 背後から、優しい声と共に、たくましい腕が私たち親子をまとめて包み込んだ。

 私の愛する夫、カイルだ。

 彼は王としての公務を終えると、いつもこうして、真っ先に私たちの元へ帰ってきてくれる。


「パパ!」


 子供たちが、歓声を上げて彼に飛びつく。

 その光景を、私は微笑ましく見つめた。

 五年の歳月で、世界は大きく変わった。

 私とカイルが始めた農業改革は、アルセリアとフォレスティア両国に留まらず、他の国々にも広がりつつある。

 食料自給率が上がり、飢饉に苦しむ地域は劇的に減少した。

 人々は、私たちのことを「農業の聖人夫婦」などと呼ぶらしい。

 ヴェルモント農業技術学校は、今や大陸一の教育機関となり、世界中から若者が集まってくる。

 父と母は、穏やかな隠居生活を送りながら、時々ここへやって来ては、孫たちの顔を見て喜んでいる。

 かつての悪役令嬢、リリアナ・ヴェルモントは、もうどこにもいない。

 私は今、愛する夫と、可愛い子供たちに囲まれ、二つの国の国民に愛される農業の女王として、充実した毎日を送っている。


「リリアナ」


 カイルが、私の名前を呼ぶ。


「ん?」


「……いや。幸せだな、と思ってな」


 彼は、少し照れくさそうにそう言って、私の唇に、優しいキスを落とした。

 眼下に広がるのは、どこまでも続く豊かな大地。

 私たちが愛し、育て、そして愛されてきた、かけがえのない大地。

 この大地の上で、私の家族と共に、笑顔で生きていく。

 悪役令嬢として始まった私の二度目の人生は、想像もしなかった、最高の結末を迎えた。

 物語はここで幕を閉じる。

 けれど、私たちの人生は、この豊かな大地と共に、これからもずっと続いていく。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ