086_戦いの後
クラフトは警戒態勢を取りつつも交代で休憩に入るように各員に連絡する
カイとクレアに船体のダメージ確認とこの宙域の脅威の排除の再チェックを指示しラボへ向かう
●ラボ
博士は椅子に座ったまま考え事をしている
ドアが開きクラフトが入ってくる
「来ると思いましたよ。」
「ああ、脅威は排除できたと思うが再スキャンして確認中だ。ぬか喜びじゃないことを祈りたいね」
「今回の件が意図的なものなのか、それとも偶発的なことなのかを会話したくてね。」
「そうですね」
「回収した鉱物を見る限り、これはかなり古い時代に作られたものです
そう、数百万年前という時間軸ですね。」
「なるほど。古代の罠ってことか」
「ええ、そう言えるでしょう」
博士は一掃される前の小惑星の分布をホログラフで投影する
「広域にわたって配置されています。キャプテンの見解もお尋ねしたいですね」
「そうだな、もし、こういった兵器があることを知っていれば、この小惑星の分布を見ただけで、その存在を疑うだろうな。まあ今の兵器でいうところの地雷や機雷といったものに近いか。」
「なるほど。巧妙に隠されているわけではないといえるかもしれないということですね。数は暴力的でしたが、機能はそこまで高性能でもありませんでしたね。」
「そうだな、苦労させられたけどな」
苦笑いするクラフト
「おそらく防犯装置みたいなものだろう。大量にばらまいておき、その存在を知っている者ならば近づかないようにする。知らない者ならば、撃退される。理にかなっているよ。」
「守る対象については気になるが、資源かあるいはすでに滅びた文明か。」
「まあそこを調べるのは今回の仕事の範囲外だな」
「カイとクレアが長距離スキャンで宙域のデータを集めている。まだ脅威が残っている可能性を考慮して再確認してくれ。それが終わったら鉱山採掘者の安全確認して帰還する」
「承知です」
●シャトル格納庫
護衛として参加した5名のパイロットは待機室で各々作業をしていた
報告書をまとめるもの、次の仕事のために宙域のマップを詳細化するもの
クラフトはリーダーに声をかける
「お疲れさん、今最終確認しているが、おそらく脅威の残存はないだろう。交代で休憩に入ってくれ」
「わかった」
「護衛でついてきたが、出る幕はなかったよ」
自嘲気味に笑う
「俺もこの船の初仕事でこんな任務になるとは思わなかったさ」
「まあ貨物船のクルーは救えなかったが、俺たちは生き残れた。それが全てだろう。」
「そうだな。加えるならば、未知の兵器の存在と対処方法がわかった点は大きいだろう」
「そう願いたいね」
クラフトは軽く手を振り格納庫を後にする
●医療エリア
3人のスタッフが25名の検死作業を終えて報告用のデータをまとめ終わっていた
クラフトが声をかける
「お疲れさん、今回の仕事はさんざんだったろう」
本来戦闘に参加するような仕事ではないスタッフへの気遣いをするクラフト
「そうですね、正直死ぬのではないかと思いましたよ。辺境宇宙域での仕事は慣れてますが、こんなのははじめてです」
「作業がすんだら各自休んでくれ。」
あとはこちらでやる
「ええ、そうさせてもらいます」
短い会話をしてその場を離れる
ブリッジから連絡がはいる
宙域のスキャンを完了。博士の見解でも脅威の発見はなし。
通常の宇宙空間であることを保障するという。
ひと段落かと息をつくクラフト
「カイ、クレア、破壊した小惑星のサンプル採集を頼む
貨物船の積み荷の破棄と船の曳航は依頼元に確認してからだ。鉱山惑星の作業者の安否は確認できているか?」
「はい、鉱山惑星で同事象は発生していないことは確認済みです」
「了解」
「もうひと踏ん張りだ。」
●プロメテウスのカフェエリア
クラフトがコーヒーを飲んでいると博士が声をかけてくる
「キャプテンは休まないので?」
「仕事の後ってのはいろいろ考えることもあってね」
軽くはぐらかすクラフト」
「博士こそ、休まないのか?」
「今回はなれない戦闘に巻き込まて疲れただろう」
「ええ、まあ、そうですね。普段はフィールドワークはするものの、こんな経験ははじめてでしたね。」
「そうか、その割には手慣れたものだったな。というより、楽しんでいなかったか?」
クラフトが茶化す
自嘲気味に笑う博士
「仲間にもよく不謹慎だといわれるのですよ。気を付けてはいるのですが、興奮するとどうしてもですね。」
「ところでキャプテン一つ提案があるのですがいいですかね?」
「ああ、俺も一つ聞きたいことがあった。おそらく博士の提案の答えだ。」
「そうですか。」
博士は静かに席に着いた。




