表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
誰もいない宇宙船で目覚めたら最強だった件について  作者: Sora
七章 未踏宇宙域編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
86/90

085_殲滅

隕石の密度がさらに増した。

プロメテウスは四方から押し寄せる巨大な岩塊に囲まれ、艦橋の空気は張り詰めていた。

「明らかに逃げ場がないですね」

クレアが冷静に言う

「ここまで追い込まれるのは久しぶりだ、いや初めてか」

クラフトは不敵に笑った。

「カイ、反応弾のセーフティー解除だ」

「了解」手際よくシステムを操作する。

クラフトは前方に集中する隕石群に向けて、反応弾を連続して発射する。

その破壊力は凄まじく、岩塊を次々と薙ぎ払い、炎と破片のトンネルを形成する。プロメテウスはシールドを最大出力にして、その炎のトンネルを突っ切った。

だが密集した隕石群を抜けると、さらに散在する隕石群が待ち構えている。

一時的に隕石の包囲を突破したに過ぎない。

「シールド低下。残強度、四〇パーセント」カイが緊張を帯びた声で報告する。

「博士、あとどれくらいかかる!」クラフトが尋ねる

「あと三分ほどですね」

博士はモニタに目を凝らす。額に汗が光り、表情には狂気さえ宿っていた。

暗号解読用の演算が進む。

画面上の数字が高速で変化し、進捗バーがゆっくりと埋まっていく。

「ほう……これは……」博士が低く唸る。

演算処理が進み、やがてモニタに「解読完了」の文字が浮かび上がる。解読開始から9分43秒。

「キャプテン、解読は完了しました。続けて分析に入ります。AIは復旧しますのでもう少し耐えてください」

「了解、シールドの強度が残り少ない、急いでくれ」

博士は画面上の膨大なデータを確認しながら、目的の信号を探した。

「これじゃないな……これも違う」

ナビが声をかける。

「博士、何を探しているのですか?」

「隕石から隕石への爆破指示の命令文だよ。あるいは爆破停止の命令。」

ナビは冷静に聞く

「隕石が個々に独立して判断しているなら、そのような機能はないかもしれませんが……」

「まあ、その可能性もある。しかし、ネットワークで連携しているなら、攻撃パターンが個別の判断だけに依存するというのは合理的ではない。真面目な知的生命体が作った仕組みなら、爆発も相互に連携しているはずさ。そっちにいったぞ爆発しろ、とか、距離が近いから爆発するな、とかね」

博士の目が鋭く光る。「おっ」博士は邪悪な笑みを浮かべた。

「見つけた。さて、あとはどちらの信号を作るかだが」

「キャプテン、爆破信号と停止信号。どちらにが好みです?」

「決まっている。爆破だ!依頼には脅威の排除がはいっている。こいつらを一掃しろ!」

「了解、あと四十秒持ちこたえてください」

隕石の直撃は避けられても、その破片はシールドをじりじりと削っていく。

「残強度、二五パーセント」

カイが冷や汗を浮かべながら報告する。

博士も状況を把握している。モニタを見つめ、データの流れを追いながら指先を高速で動かす。その横顔には恐怖の色はなかった。

「残強度、十八パーセント」

「よし、できた」

「キャプテン、偽信号の準備が整いました。実行してもよろしいでしょうか」

「やれ」クラフトは短く即答する。

「了解」博士が信号を発信した数秒後、モニターに無数の光が瞬いた。隕石群が次々に爆発し、炎と破片の海が宙域を覆う。プロメテウスはその中を航行しながら、艦橋のモニタで残敵を確認する。

「宙域をスキャン、残敵の確認を」

クラフトが指示する。

「反応消滅を確認」カイが答える。

「終わったか」

クラフトは深く息を吐き、艦橋の椅子にもたれた。

宙域には静寂が戻った。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ