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*************


翌日。

私は、なんと王様と一緒に朝食の席に着いていた。


大きなテーブルに、所狭しと料理が並んでいる。

もちろんこれで全てではないらしくて、今ある分を食べ終わった頃に次を持ってくるらしい。

……さすが王様である。朝から胃もたれしそう。


テーブルに王様と向い合せに座っていて、昨日よりは距離があるものの、豪華な部屋と見たことのない料理で私はやはり緊張していた。


目の前に出された謎のソテーを一口食べてみる。

緊張しすぎて味がしなかった。


王様に「こちらの物は食べられそうか」と聞かれたのでとりあえず、はい、と頷いた。


砂を噛むようなお食事会が始まってしまった。


「魚は嫌いか?」


なかなか箸が進まない私を見かねたのか、王様が声を掛けて来る。

言われて、目の前のものが魚料理だということを知った。


「い、いえ。好きです」


慌ててもう一切れ口に運ぶ。多分おいしいんだと思う。

私の味覚が仕事していないだけで。


「こちらに残っている記録では、聖女は元居た世界に帰りたいと泣き喚くものだと書いてあった」

「……」

「お前は帰りたくないのか?」

「ええと……」


普通は帰りたいと思うものなのかもしれない。

私は、ここが自分の世界ではないということは分かるけれど、元の世界に戻りたいかと聞かれればそうでもなかった。

なんだか、自分の記憶に靄が掛かっているように、過去のことを思い出せないのだ。

だけど、特段思い出したいとも思わなかった。

でも、自分でもよく分からないこの感覚をどう説明すればいいのか迷って、結局無言になってしまう。


「……」

「……」

「お前、話すのが苦手か?」


王様は、人の気にしていることを遠慮なく言ってくるタイプの人間らしい。

聞かなくたって見てれば分かるだろ!と思いながら私は小さく頷いた。


「だろうな」


呆れ顔の王様は、私から目を離すと、黙々と食事を始めた。


なんだこれ、地獄か。


その後、私と王様で会話が盛り上がるということがあるはずもなく、お食事会は静かに終了した。




――――――――――――――――――……


午後、王様から中庭に来い、と呼ばれて来てみると。


「さあ、試してみろ」


私の目の前に置かれたのは、植物の芽だった。


「聖女様は特殊なお力を持っていらっしゃいますが、能力は人によって様々だといいます。我らが聖女様は、どんな力をお持ちなのでしょうか」


牧師さんみたいな服のおじいさんが、楽しみです、と私に微笑む。

ち、力って言われても……。


「あ、あの、そもそも聖女ってなんですか?」


ビビりな私はここにきてやっと、ずっと疑問に思っていたことを切り出した。

このおじいさんは温厚そうな見た目をしているから、こちらの世界で会った人の中では一番、話しかけやすかったのだ。


「おや、誰もご説明できてませんでしたか。それは失礼いたしました」


おじいさんは王様にチラリと視線を向けたけど、気付いた王様はフン、と顔を背けた。

態度が悪い。


「この国では、100年おきに厄災が訪れると言われております。そしてその災いから逃れるには、聖女の力が必要だとも。実際に、100年おきに人災天災のどちらかが起こっており、それを鎮めるために聖女様が召喚されております」


「わ、災い……ですか?」


「ご安心ください。この国は、陛下の代になってからはとても平和で、戦争もありませんし、天候もある程度魔術で制御しておりますゆえ、災害も起こり得ません」


「そ、そうなんですか」


なんだかスケールの大きい話になっている。

しかし、魔術って天気まで操れるのか。便利。


「しかし、何かが起こらないとも限らない。今の時代は、平和過ぎるというほどに平和ですから。万が一、なにかあったときの聖女様のお力です」


「ええ……」


そんな最終兵器聖女みたいに言われても……。

なにかあったときにどうにかできる自信なんて毛ほどもないんですけど……。


「そのためには、聖女様のお力がどんなものか、知っておく必要があります。聖女様は、ご自身ではどのようなお力を持たれているかお分かりになりますか?」


「いえ、そもそも力なんて……」


「承知いたしました。そんなこともあります。物は試し。ささ、聖女様、どうぞ」


おじいさんは、スス、と鉢植えを私に近付けてくる。


これは、あれだろうか。この植物の芽がぐんぐん育ってあっという間に実が生っちゃいますよ、という展開を期待されているんだろうか。

え、無理でしょ。と思うんだけど、なんでかすっごくワクワクしているおじいさんと、背後にいらっしゃる王様の圧で、無理ですなんて言い出す勇気が全く出てこない。


固まっている私に、「早くしろ」と王様が急かしてくる。


「手を添えるだけでいいはずだ」


言われて、植物に手をかざしてみる。

なんの変化もない。


「……」

「何も起こらないな」


王様が退屈そうにつぶやいた。

おじいさんは、残念そうに眉をハの字にしている。

なんか申し訳ない。


「聖女様がいらっしゃったとき、荒れ地に花が咲き誇ったと聞きましたので、きっと植物に関するお力だと思ったのですが……違ったようですね」


そもそも、アナタには不思議な力があります!と言われても、今までなにもなかったのに急になにかできるはずがないと思うし、勝手に期待されるのはその、荷が重いというか……。


「また次を考えましょう!」



―――――――――……


翌日、牧師服のおじいさんが用意したのは、大量の薪だった。


「100年前の聖女様は、炎を自在に操ったといいます」

「……」


無理だろうけどなあ、と思いながらも、恐る恐る薪に手をかざす。


「……」


当たり前だけど、なにも起こらない。


「また外れだな」

「そうですね、違ったようです。せっかくだから、このままたき火でもしましょうか」


牧師服のおじいさんは、そう言って薪に火を点けると、お芋を焼いてくれた。

この世界にも、焼き芋があるらしい。

王様も一緒になってむしゃむしゃ食べていた。

なんだか猫みたいだった。


―――――――――……


「200年前の聖女様は、歩くと海が真っ二つに割れ、道ができたそうです」


……どこかで聞いたことがあるような話である。

ということで海に連れてこられた。


ざぶんざぶんと泡立つ波の真ん中に立たされたけれど、もちろん海が割れるはずもなく。


――――そのあとも、怪我人を連れて来られたり、モンスターみたいなのを連れて来られたり、あれやこれやと色々試されたけれど、結局私の「聖女の力」は見つからなかった。

どの場面でも、なにも起こらなかった。


そしてとうとう、王様が痺れを切らした。


「神官、もういいだろう」


王様のその言葉で、牧師服のおじいさんが神官だということを知る。


「しかし、陛下」

「こいつは間違いなく異世界からやってきた。ということは聖女だ。それでいい」

「しかし」

「力なんて、そのうち出て来る。まあ、コイツに力があろうとなかろうと、一番強いのは俺だがな」


その言葉で、私の「聖女の力」探しはお開きとなり、私はほっと安堵の息を吐いた。

早めに見切りをつけてもらえて助かる。

そもそも、私に不思議な力なんてあるはずがないのだ。

今どき子供でもそんな嘘に騙されない。

ファンタジーな世界の人々は、頭の中までファンタジーのようだ。



――しかし。

「聖女の力」とやらは、思ったよりもいろんな人に注目されていたらしい。


「もしや……今回の聖女様はなんのお力も持っていらっしゃらないのでは……」

「それでは、聖女様ではなくただの人間ではありませんか」

「これ、めったなことを言うものではありません」


ヒソヒソと話す声が時折私の耳にも入ってきた。

私がなにも言わないのをいいことに、見知らぬメイドたちが部屋の隅で話し込んでいる。

いや、そっちが勝手に聖女って言ってるだけで、私は自分から「聖女です★」なんて名乗ったこと一度もないよ!と思うけれどもちろん口にはできない。


「聖女様、力がなにもないんだってね?」


中には堂々と目の前でそう聞いてくる人もいる。

まあ、事実だからどうしようもないんだけど。


「……魔術師さん」

「あれ、僕名乗ってなかったかな。ノアだよ、聖女様」


黒い瞳で黒い髪の魔術師さんは、前に会ったときと同じように、ずるずると引き摺る長いローブを纏って現れた。


「でも残念だなあ。歴代の聖女様は持っていたっていう不思議な力、僕は間近で見られると思ったのに」

「……」

「まあ、この国は今平和だもんね。聖女様の力なんてなくても」

「……」

「でももし、なにか力が現れたら、僕に絶対見せてね」


そう言うと、バチン、と音を立てて魔術師さんはいなくなった。


「……平和、か」


たしかに王様が治めるこの国は、とても平和そうだ。

戦争なんて話も聞かないし、以前海に連れていかれたときも、人々はとても幸せそうだった。


――じゃあ、なんで私はこの世界に来たんだろう。





*************


今日のお昼ご飯は、お肉だった。


昨日も一昨日もその前も、午後には神官のおじいさんに連れられて、現れもしない聖女の力を探していたけれど、それが終わって、今日の午後はなにもすることがない。


――と思っていたら、いざ昼食に手を付けようとしたところで、王様が現れた。

どうやら今日は、一緒にご飯を食べるらしい。

王様と一緒に食事をするのは、あの地獄のお食事会以来だ。


「明日から、お前に教師が付く」

「教師ですか?」

「そろそろ、お前もこちらのことを学べ」


気付けば、こちらの世界に来て一週間が経過していた。

一週間で、こちらの世界に慣れたかと言えば――まったく全然ちっとも慣れるはずがない。

むしろ毎日緊張している。

気付いたら知らないメイドさんが近くに居るし、神官のおじさんは優しいけど何考えてるのか分からないし。

そして私を緊張させる際たるは、目の前のこの人である。


王様は涼しい顔で食事をしているけれど、冷や汗だらだらの私にとってはたまったものじゃない。

ただでさえ、私は人と話すのが嫌いなのに、その上こういう自信に満ち溢れたタイプの人間は苦手なのだ。


「ええと、どんなこと勉強するんですか?」


あの地獄のお食事会のような雰囲気は怖すぎて耐えられないので、なんとか話題を探した。

二言三言会話すれば、まだ空気がマシになるかもしれない。


「この世界の歴史とか、語学とか――王妃になるための勉強だな」

「………王妃って、私がですか」

「前にも言っただろう」

「ほ、本気なんですか?」

「俺は嘘は言わない」


この王様は、私が力のないただの小娘だと発覚したこの後に及んで、私を妻に迎える気らしい。

そんなに厳格な規則なんだろうか。


……ちょっと待て。ということは。


――『私が聖女じゃなかったらどうするんですか?』

――『――そのときは俺の気分次第だな』


これも本気ってこと?

ヤバい、もしかして、私、油断したら殺されたりする?



「午後から遠乗りに行く」


王様がポツリとつぶやいた。


「ええと……お気をつけて」

「お前も来い」

「……遠乗りって馬ですよね?」

「当たり前だ」

「の、乗れません」

「だろうな」


王様は、バカにしたように片頬を吊り上げて笑った。

……不穏である。


メイドの皆さんに乗馬用の洋服に着替えさせられ、厩舎の前まで行くと、黒くて大きな馬がいた。


たくさんいる馬の中でもひときわ大きいので、これが王様の馬だろう。

恐る恐る、背中に触れてみる。

よく世話をされているのか、毛はしなやかだった。


「珍しいな。ソイツは気性が荒い。知らないやつが触ると、大体暴れるんだが」

「……王様」

「乗れ」


やはり不穏だった。

いや、王様とのお出かけが平穏であるはずがなかった。


「――お、下ろしてください」

「今下ろしたら死ぬぞ」

「は、ははは速い!」

「そうだろう、コイツはよく走る」

「とととと止め……!」

「喋ってると舌噛むぞ」


王様の馬に乗せられ、ものすごいスピードで草原を走っている。

王様に対する恐怖よりも命の危険が勝って、目の前の彼の背中に必死でしがみついた。


「――腰に腕を回せ」


王様の片腕が伸びてきて、私の手首をつかむと、それを自分の前まで持っていく。

両腕をがっつり王様の腰に巻き付けたものだから、密着し過ぎて鼻が背中で潰れそう。


――それにしてもどこに連れていかれるのだろうか。

遠乗りってまさか、本当に馬で駆けまわって終わりじゃないよね?

そうだったら私いらないもんね?

いやもしかして、私を散々連れまわしてヘロヘロになったところを置き去りにする気かもしれない。

気を付けなくては。


しばらく走って、辿り着いた先は、森の中の川辺だった。

木々が生い茂る中に、大きな滝壺があって、水しぶきが音を立てている。

綺麗な景色。

綺麗な景色なんだけれど。


「……」


頭の中がぐらぐらする。

馬はもう止まっているはずなのに、まだ走り回っているみたい。

王様は平気のようで、私の腕をするりと抜けて馬から降りた。


「休憩だ。お前も降りろ」

「……」


下を見ると、思ったより地面が遠いことに気付く。

乗ったときは、先に王様が乗って半ば無理矢理乗せられてたけど、降りるときは……どうやって……飛び降りる?

いや、無理だよ、着地ミスしたら死ぬ。


「早くしろ」

「……」


王様はやはり怖い。

降りる恐怖と王様とでは王様の威圧感の圧勝だった。

とりあえず、片足を鞍から外してみる。と、思ったよりも不安定なバランスになってしまって、思わず馬にしがみついた。落ちるかと思った……!


「……」


王様は、そんな私の様子を黙って見ている。

いや助けてよ。


「……」

「……」

「早くしろ」


この人、絶対に確信犯だ。

私が馬に乗れないことを知っているんだから、降り方だって分からないことを知っているはずなのに。


王様に目を向けると、心なしか口角が上がっていた。

こ、このやろう。笑ってるな。


「なんだ、降りられないのか?」


しかも煽ってくる。

性格がとても悪い!


「……」

「なにか言うことがあるだろう」

「……」


気が弱くて、口下手で対人スキルがへなちょこな私でも、プライドはある。

プライドはある……けど。


どう頑張っても、私はすでに相手の策略に嵌まっていた。


「……降り方、教えてください」

「……仕方ない。俺は良き王だからな」


なんの茶番だ、これは。


「――右手をそこに置いて、左足を外して……」

「……こ、こうですか?っひゃ、す、すみません……」


言われた通りにやってみたけど、なんと足が滑って王様の肩に両手を着いてしまった。

危く地面に顔からダイブするところでした。


「あの、ここからどうすれば……」

「……」

「王様?」


王様は急に黙ったかと思うと、私の腰を両手でがしりと掴んだ。


「ひ、え、王様?」

「俺に掴まれ」


このまま地面に落とされたら死ぬので、慌てて王様の首に手を回す。

私が王様にしがみついているみたいな格好になってしまった。

恥ずかしい。


そのまま、ふわっと体が持ち上げられたかと思うと、次の瞬間には私の両脚は地面に降り立っていた。

王様、力持ち。ダテに身体が大きいわけじゃない。


「……ありがとうございます」


とても不本意だけど、助けれたのは事実なのでお礼を言っておく。


「フン」


……王様、お礼に対してその返事はどうかと思う。

怖いから口には出しませんが。


王様はそのまま川の方に歩いていくので、私も後ろを着いて行く。


川の水は、透き通っていて綺麗だった。

手を入れてみる。

冷たくて、気持ちがいい。


自然というのは、どこの世界も変わらないものらしい。


王様は、流れる滝をじっと見つめていた。

とても真剣に見つめている様子だったので、私も黙ってそっと隣に腰を下ろす。


どこの山の中に連れていかれるのかと思っていたけれど。

案外――いや、とても素敵な場所で、嬉しかった。

聞こえるのは、水の音と、木々がざわめく音だけ。

なんて美しくて、平和な風景なんだろう。

――そう、とても平和な。


「……王様、なんで私はこの世界に呼ばれたんでしょうか」

「……なにか言われたか」

「……いえ」


王様は視線だけをこちらへ向けた。


「――この国は、確かに今のところは、目立った問題はない。俺が治めているのだから当然だ」

「……」

「でもそれは、決して良い国と同義じゃない。永遠に変わらぬものなどない」

「……」

「だから、お前の力が現れないということは、ある意味平和の証明でもある」

「……」

「たった一人の女の力に頼らねばならぬ様なら、この国は終わりだからな」


……もしかして、慰めてくれているのだろうか。

なんだか、照れてしまう。

ちょっと喜んでしまった私は、そんな表情を隠すために反対側へ顔を背けた。


「膝を借せ」

「え?」


言うが早いか、王様はこてん、とその頭をなんと私の膝の上にのせてしまった。

ゆ、油断した隙に……。

――これはいわゆる、膝枕、というものなんでしょうか。


「お、王様」

「動くな」


目を閉じた王様は、片腕を私の腰に回す。

……動けないように固定されてしまった。

しかも、私のお腹のあたりに顔を埋めているので、なんだか少しくすぐったい。


……両手の置き場に困ったので、そっと王様の髪に触れてみた。

思ったより柔らかい。

普段あんなに怖い王様なのに、こうしていると子供みたいだ。


「……俺が怖いか?」


上目づかいで、膝の上の金色の瞳がそんなことを聞いてくるものだから、私はちょっとビビった。


「さすがにこの格好だと、いつもよりは怖くないです」

「そうか。じゃあお前に話しかけるときはいつもこうしよう」

「そ、それはちょっと控えた方がいいというかおすすめしないというか」

「冗談だ」


冗談かい。

真顔で言わないでいただきたい。


「少し寝かせろ」

「……ど、どうぞ」


私の膝でごろごろする王様は、怖くなかった。緊張はするけど。

そよそよと吹く風でわずかに揺れる髪を、また撫でる。


川が流れる音、滝の水が落ちる音、木々が風に揺れる音。

それらが混ざり合って、不思議と穏やかに聞こえた。


少しずつ気持ちが落ち着いてきて、ふう、と深呼吸してみる。

綺麗な空気をたくさん吸えば、自分の中も浄化されるような気がした。



「お前はいつも静かだな」

「……そうですか」

「静かだ。静かだとつまらないはずなのに、退屈じゃない」

「……」

「なぜだろうと考えたが、お前が花の名を持っていると言っていたのを思い出して、合点がいった」

「……」

「花はそこに在るだけで、美しい」


片頬を私の膝に埋めながら、金の瞳は私を捉えていた。

私は慌てて視線を逸らす。き、危険だ。


「お前は、いずれ俺の妃になる」


「……本当に本気ですか?」


「俺は嘘を言わないと言った。覚悟しておけ」


――だから、そいういうことをなんで私の膝の上で言うんだろう。

全然格好ついてない。


それなのに、顔が真っ赤になるのが自分でも分かった。


膝の上で笑っている気配がしたから、きっと気付かれている。




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