父の様に
夢を見たんだ約束したあの時のことを…
当時、僕は中学3年で両親とはかなり仲が良かった。
たまにうざ絡みされる事があったが、それでもママの事は好きだった。
パパはいつも優しく僕達の事を見守っていた、
そんなパパも好きだった。
ちょっと特殊な僕の家族、
そんな家族が僕はたまらなく、大好きだった。
でも…パパは倒れた。
僕とママは取り残されたんだ。
薬品の香りが漂う病室の中で。
パパは掠れた声で語り出したんだ。
「僕の死後、作品のほどんどがオークションに出ざれる…」
「数十億はくだらないだろうね…」
「…………バカ」
「…ごめん」
父と母の短いやり取りのあと、
お父さんは僕の方を向いた。
「母さんが辛い時、支えて上げてくれ…僕では、もう何も出来ないからね…」
「パパ…」
「大きくなったな…最初はこの手で抱きかかえられるくらいだったのに」
「今では立派な大人サイズだ…」
「…大人じゃないのかよ」
「それはそうさ、まだまだお子様だからね」
管に繋がれたパパの手が僕の頭を撫でる。
「ふぅ……こうやって撫でてやれるのもこれで最後か…」
「あぁ…もっと…一緒にいたかったな…」
父は暗い顔の母を見る。
「あまり僕の死を引きずらないでくれ、僕はその方が悲しいから。」
母は椅子から
ガタッ!
と立ち上がりお父さんに抱きついた。
「アンタの事!私は一生引きずってやる…!」
「忘れてやるもんが…!」
「…一生!」
「忘れんから…」
お父さんは泣いているママを抱きしめ返す。
「君はいつもそうだね、僕の言うことは聞かないし、言った事はいつも曲げない」
「だから…愛してるよ」
「私も…!ずっと、ずっと!ずっとずっとずっと!!…愛してるから…」
ただ、僕は見ているしか出来なかった
どうにも出来なかった
でも死にゆく父を見て僕は…
…
…
…
朝日が差し込み僕は夢から覚め、
重い体を起こした。
父の夢は最近見ていなかったがあんな事があったのだ、どんな夢を見ようともおかしくはない。
自分の部屋をでてリビングに向かう、
リビングには母がおり真剣な顔をして話し出す。
「なぁ…今のバイト辞めへんか?」
…母から一番聞きたくなかった事だ。




