終業
「・・・今思い出しても、やはりあなたは悪い人だ。」
デッキチェアに寝そべったままスマホを耳に当てるフタミはフフッと笑う。
「褒め言葉として受け取っておきましょう。・・・久々に休暇が取れそうなので、近々私もそちらに伺おうと思っています。」
リースは言葉に微笑みを滲ませながら聞いた。
「素晴らしい。ちょうど良いレストランを見つけたのでご案内しますよ。」
カクテルを一口飲んだフタミは嬉しそうに言葉を繋ぐ。
「それは楽しみですね。では、また連絡します。」
「はい、失礼します。」
互いに言葉を締めくくり通話は終了した。
「誰から?」
いつの間にか横に立っていたアミスが聞く。
「市長だよ。丸く収まったとさ。」
「そう。」
端的に答えるフタミに対し、アミスは微笑みを浮かべる。
「・・・アルカは?」
さっきまでうるさいほど騒いでいた人物がいなくなっていることに、フタミは気づいた。
「プールの底よ。」
「ファッ!?」
アミスの言葉にギョッとしてプールを見ると、水底に張り付くアルカの姿がぼんやりと水面に映っている。
「す、すぐに引き上げろ!」
「はいはい。」
慌てるフタミの指示にドライな返事をしたアミスは、プールまで走ると美しいフォームで水面に飛び込んだ。
リースからの電話によって、フタミ達の街を派手に巻き込んだバイオレンスでアグレッシブな仕事が終わったのであった。




