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VRおじいちゃん ~ひろしの大冒険~  作者: オイシイオコメ
まだまだ現役
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ひろし、アイテムを手に入れる

 ドラちゃんが「えっへん」としていると、おばあさんは少し叱るようにドラちゃんに言った。


「あら失礼ですよ。まずは挨拶が先でしょう?」


「はっ! またしても失敗を! 洋子様、申し訳ございません!」


 ドラちゃんは慌てて直立すると、みんなに自己紹介をした。


「はじめまして。私はドラゴンの魔法使い。宜しくお願い致します。洋子様のお友達は洋子様と同じくお守り致しますので!」


「わたし、マユ」

「あたしはメイ」

「ナミ」

「哲夫です」

「和代です」

「美咲です」


 自己紹介をしたドラちゃんを見たおばあさんは、ウンウンと頷きながらドラちゃんに言った。


「よく出来ましたねドラちゃん」


「ドラちゃん……?」


「ドラちゃんはあなたの名前よ。嫌かしら」


 するとドラちゃんは急に泣き出した。


「おぉぉおお! 洋子様が私に名前をくださるとは! なんたる名誉(めいよ)!!」


「あら、喜んでもらえて嬉しいわ。こちらのナミさんが考えてくれたのよ」


「ぁああぁぁあ、ナミ様! ありがとうございます!!」


「ヨシヨシ」


 ナミはドラちゃんの頭を撫でた。


 するとドラちゃんは小さな羽を広げながらおばあさんに言った。


「では、今度こそ私が皆さんをイークラトへお連れします!」


「あら、だってドラちゃん背中が高すぎて」


「私は考えたのです! 尻尾から乗れば良いのだと!!!」


「あら、確かにそうね」


 こうしてみんなは店を閉めて、ピンデチの村の外へ出た。


 ◆


 ピンデチの村の外へ出ると、ドラちゃんは空へ高く飛び出した。


「変身!」


 ボワン!!


 ドラちゃんは掛け声とともに大きな黒いドラゴンになると、みんなは驚きの声をあげた。


「「おおーー!!」


 みんなが驚いている中、ドラちゃんはゆっくりと着地して地面に伏せ、尻尾を長くのばした。


 それを見たおばあさんは嬉しそうにドラちゃんに言った。


「あら、これなら乗れるわね」


「ありがとうございます! 寝ながら考えていました!」


 おばあさんを先頭にみんなが次々とドラちゃんの背中に乗ると、ドラちゃんは首を振り向かせてみんなに言った。


「みなさん、私の背中の突き出したウロコに掴まってください」


 それを聞いたみんなは、それぞれ背中に突き出ているウロコに掴まった。


 するとドラちゃんは嬉しそうに言った。


「では飛び上がりますよ! しっかり掴まっていてください!」


 バサッ、バサッ、バサッ!


 ドラちゃんは大きく羽ばたいて優しく上昇した。


 そしてゆっくりと旋回すると、空を滑るように海へと向かった。


「やば! ドラちゃんすごいじゃん」

「うわ、高い!」

「すご」

「あら、いい景色ね」

「まぁまぁ、飛んでるわ」

「いやぁ、すごいなぁ」

「ふふふ、面白い」


 海に出たドラちゃんは、ぐんぐんと加速しながらイークラトへと向かっていった。



 ー イークラト ー


 バサッ、バサッ、バサッ!


 ズゥゥン!


 ドラちゃんはイークラトの入り口に着地すると伏せて羽を下ろした。


「みなさん、羽を使って滑り降りてください」


 するとおばあさんはそれを見て笑いながら言った。


「あら、大きな滑り台ね。うふふ」


 スーーッ


 みんなも続いて滑り降りた。


「あははは、おもしろい」

「なんか、なつかしいね」

「ぅわぁ」

「まぁまぁまぁ」

「ははは、けっこうスピード出るな」

「ふふふ」


 哲夫は着地してイークラトの町のほうを見ると、入り口近くに止まった軽トラからおじいさんたちが降りているのが見えた。


「あ、あれは、ひろしさん」


 哲夫は嬉しくなって走っておじいさんたちの所へ走ってゆき、おじいさんに声をかけた。


「ひろしさん!」


「あ、ああ! これは、どうもどうも」


「いやぁ、ひろしさん。また会いましたな。美咲ちゃんがここで良い防具が買えると連れてきてくれまして」


「おお、奇遇ですな。わたしたちもお友達の防具を買いに来たんです」


 哲夫とおじいさんが話していると、おばあさんたちも合流した。


 するとアカネが哲夫と和代に気づいて声をあげた。


「あっ、さっきのじいちゃんばあちゃんだ!」


 アカネは哲夫と和代に両手で手を振った。


 おじいさんたちは、おばあさんたちと合流すると、お互いに挨拶を交わして一緒に武器と防具の店へ向かった。


 おばあさんは、少し笑いながらおじいさんの後を歩いた。


「うふふ。全然気づいてないわね」


 おじいさんは、20歳のおばあさんが後ろにいるとは(つゆ)ほど思わず、哲夫と話しながらイークラトの町へと歩いていった。


 ◆


 一行(いっこう)はイークラトの町の武器と防具の店にたどり着くと、中に入って別々に防具を見ることにした。


 アカネは店内のインフォメーションボードを見つけると、嬉しそうにおじいさんと大熊笹に言った。


「2階に無職の売り場もあるじゃん! じいちゃん、熊じぃ、見に行こうよ」


「ああ、いいですね」

「昨日もらったジャージよりも良いものがありますかな」


 アカネはウキウキしながらめぐに言った。


「めぐ、あたしたち上見(うえみ)てくるね」


「わかった。わたしイリューシュさんと防具見てくるね」


「うん、じゃあまたあとで!」


 アカネたちは2階の売り場に上がっていった。


 ー 2階 ー


 アカネを先頭に2階にあがったおじいさんは、階段横の無職コーナーでウエストバッグを見つけた。


「あぁ、このバッグは石を入れておくのに良さそうだなぁ」


 おじいさんはウェストバッグの値段を見ると160プクナと安かったので、ウンと頷いて購入ボタンを押した。


 そして、アイテム欄からウェストバッグを選択すると、腰にウエストバッグが装備された。


「おぉ、これは便利そうだ」


 すると無職コーナーを物色していたアカネが、アイテムも売っていることに気がついて声を漏らした。


「あれ? アイテムもあるじゃん。てか、なんだこれ」


 アカネはアイテムを見てみるとラインナップに笑った。


 ーーーーーーーーーー

 無職におすすめ! 厳選アイテムコーナー


 バナナの皮 1プクナ

 目潰しの砂 2プクナ

 抜群に滑る油 3プクナ

 くさい排泄物 3プクナ

 ーーーーーーーーーー


「なんだよバナナの皮って! でも面白そうだから買っとこ」


 アカネはバナナの皮を10個購入した。


 すると大熊笹がアカネに言った。


「アカネさん。我らは1対1なら戦いやすいですが囲まれたら厄介ですぞ。目潰しの砂も、もしかしたら……」


「あ、確かにそうだね熊じぃ。じゃあ抜群に滑る油も使えるかもね」


「そうですな。大勢で突っ込んでくる敵には有効かもしれませんな」


 こうして、アカネと大熊笹は目潰しの砂や抜群に滑る油も数個ずつ購入した。


 さらにアカネは面白そうなので「くさい排泄物」も買っておいた。


 おじいさんは念の為「バナナの皮」から「くさい排泄物」まで、すべて5個ずつ買っておいた。



 その頃めぐは、イリューシュと一緒に魔法使いのコーナーで防具を見ていた。


「イリューシュさん、杖とか防具の名前に赤い文字で書かれたものがあるんですが、これって何ですか」


「あ、それは購入できない武器や防具なんです」


「なるほど、そうなんですね」


「ここの杖は魔法攻撃力が最低5000無いと使えないので、赤い文字で書いてあるんです。防具の赤い文字はまだ装備できない防具か、所持金が足りないんですね……」


「ははは。たしかに持ってるお金より高いかも」


「あ、でもお金は心配しないでくださいね。私が出しますから」


「ええ!? そんな、(いただ)けないですよ」


「いえいえ、受け取ってもらえると嬉しいんです。わたし、みなさんのお陰で毎日楽しくて。それにお金がもうすぐ10億プクナに……」


「ええ!? 10億!?」


「ふふふ。わたし毎月ガチャ引いてるんですけど、ハズレの品を売却してるのでどんどん貯まるんです。ですから今日は出させてくださいね」


「え……、ええと……。じゃぁ……、ありがとうございます! でも、どの防具が良いんですかね……」


「そうですね……、めぐさんは敵としっかり距離を取って戦えるので、魔法防御と属性防御の高いほうが良いですね」


 イリューシュは魔法使いの防具の中から、ヘビーメタルバンドの衣装のような一着を選んだ。


「コレなんかどうでしょう。見た目はハードですけど、めぐさんはコーシャタの服を着ているので見た目はそちらになりますし」


「あ、そうでした! ちょっと(おどろ)いちゃいました」


「ふふふ、じゃあ、これにしましょう」


 めぐはイリューシュからプクナを受け取ると、商品の下にある「購入ボタン」を押して新しい防具を手に入れた。


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