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VRおじいちゃん ~ひろしの大冒険~  作者: オイシイオコメ
まだまだ現役
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ひろし、早起きする

 おばあさんがVRグラスを外すと、ちょうどおじいさんもVRを外して帰ってきた。


「あら、おかえりなさい。すぐ夕飯作るわね。今日も楽しかったわぁ」


「ただいま。わたしも手伝おうか」


 おじいさんとおばあさんは立ち上がって腰を伸ばすと、一緒に台所へ行った。


「おばあさん、なんだか最近元気になったなぁ」


「そうかしら? でも、あなたも最近元気そうよ」


「ははは、そうかもしれないなぁ」


「今日はゲームで何か面白いことはありましたか?」


「あぁ、今日はイベントをやってな。ウールのジャージをもらったんだ」


「あら、なんだか高級そうね」


「ああ、とても着心地が良いんだよ。おばあさんは、お店順調かい?」


「ええ、今日は新しいキノコを見つけて、また新しい商品ができたんです」


「へぇ。おばあさんはお店を繁盛させているんだなぁ」


「いえいえ、わたしは大したことなんかやってないですよ」


 2人はゲームの話をしながら一緒に夕飯を作り始めた。


 そして、2人で楽しく夕飯を済ませると、おじいさんは明日早いので、今日は早めに寝ることにした。



 ー 翌朝、午前5時 ー


 おじいさんが寝室から出てくると、テーブルにサンドイッチが置いてあった。


 そして横には「朝ごはんです。いってらっしゃい」の書き置きがあった。


「あぁ、ありがたいなぁ」


 おじいさんはテーブルに座ると、ゲームの(くせ)で思わず脳波でサンドイッチを取ろうとしてしまった。


「ああ、そうか。現実世界では、ちゃんと手で取らないとなぁ。ははは」


 おじいさんは笑いながらサンドイッチを手に取ると、次々とサンドイッチを食べていった。


「なんだか最近楽しいせいか食欲があるなぁ。本当に元気になったのかもしれないな……」


 おじいさんはそう呟いて朝食を食べ終わると、引き出しからペンを取り出した。


 そして、おばあさんの書き置きのメモに「ごちそうさまでした。ありがとう」と書き足すと、立ち上がって軽く気合を入れた。


「よし、今日はメインクエストがんばろう」


 おじいさんはVRグラスをかけてゲームにログインした。



 おじいさんが時計台の前に現れると、もうすでに全員集まっていた。


「おはようございます! みなさん、お早いですね」


「「おはようございます!!」」


 おじいさんたちは挨拶を交わすと、おじいさんは哲夫と和代が格好良くなっている事に気がついた。


「哲夫さん、和代さん、とてもお似合いですね」


 すると甲冑姿(かっちゅうすがた)の哲夫が答えた。


「ありがとうございます! 孫が私達に買ってくれたんですよ。これで私たちも戦いに参加できます」


 美しい軽装(けいそう)(よろい)を着た和代も嬉しそうに言った。


「美咲ちゃんが哲夫さんを騎士に、わたしを召喚士にしてくれたんです」


「おお、それは頼もしいですね!」


「はい、美咲ちゃんのおかげで、軍神さんっていう強い人を呼び出せるようになったんですよ」


「あぁ、それはとても心強いです。実は軍神さんとは戦った事があるのですが、とても強いですからね。ははは」


 その時、おじいさんは元自衛官たちの弓が随分(ずいぶん)と立派になって、格好の良い服になっている事に気づいた。


「おお、みなさんも立派な弓をお持ちですね」


 それを聞いて元自衛官の山口が答えた。


「ははは。我らは課金というものをしまして……」


 横にいた大槻も少し嬉しそうに言った。


「我々三人は、ガチャで強い武器と防具を手に入れました」


 木下も笑いながら言った。


「最初は課金に少し気が引けたのですが、家内(かない)が許してくれまして……。ははは」

 

 おじいさんはパワーアップしたメンバーに嬉しそうにすると、みんなに尋ねた。


「みなさん、本日のクエストなのですが、私の同世代の友人も参加しても宜しいでしょうか」


「もちろんですとも」

「一緒に行きましょう」

「みんなでクリアしましょう」

「大勢のほうが楽しいわね」

「そうだな」


「ありがとうございます!」


 こうして、メンバーは大熊笹を待つことにした。


 ◆


 5時45分を過ぎた頃、大熊笹がログインしてきた。


 それを見たおじいさんは笑顔で大熊笹に挨拶をした。


「あ、大熊笹さん、おはようございます」


「ひろしさん、おはようございます」


 大熊笹が笑顔で答えると、おじいさんは大熊笹をみんなに紹介した。


「みなさん、こちらが大熊笹さんです。柔道のオリンピック金メダリストなんです」


「「おおーー!!」」


 大熊笹は少し照れくさそうに頭を下げた。


「みなさん、宜しくおねがいします」


「これは心強いですね!」

「宜しくお願いします」

「金メダリストとご一緒できるとは」

「素敵ですね」

「すごいなぁ」


「では行きましょうか!」


「「はい」」


 おじいさんの号令で、みんなは海賊のいるハーイムへと向かった。


 ◆


 ハーイムへ向かう途中、おじいさんは思い出したようにみんなに提案した。


「あの、荷台に乗ることになってしまうのですが、もし良かったら軽トラがあるので乗っていきますか?」


「おお、車ですか!」

「いいですね」

「そうしましょう」

「まぁ、それは便利ですね」

「たすかります」


 ボンッ!


 おじいさんは、軽トラを出現させた。


 元自衛官の3人はヒラリと荷台に乗り込むと、大熊笹も続いた。


 哲夫は元自衛官の山口に助けられてよじ登った。


「あ、ありがとうございます。……よいしょ」


 荷台によじ登った哲夫は元自衛官たちに言った。


「みなさん、ヒラリと乗り込みますな」


「我々はトラックでの移動がほとんどでしたから。ははは」


「いやぁ、自衛隊のみなさまには頭が下がります」


 最後に和代が助手席に乗り込むと、おじいさんが窓から顔を出してみんなに言った。


「では、出発しますね」


「「はい」」


 ブゥーー……ン


 軽トラはハーイムへ向かってゆっくりと走り出した。



 ハーイムへ向かう途中、元自衛官の山口が大熊笹に尋ねた。


「その柔道着は格好良いですね。どこで買われたのですか?」


「ありがとうございます。これはコーシャタで買ってもらいました」


「なるほど、防御力はあるのでしょうか」


「ええと、防御力のある服を着て……、なんと言いましょうか、コーシャタの服を上から着ているというか」


「ほぉ、それは興味深いですね」


「見た目はコーシャタの服なのですが、中身は防御力のあるものでして」


「なるほど、意味はわかりました。防具を着ていてもコーシャタで買った服の見た目になるのですね」


「はい、そうなんです」


 すると横に居た元自衛官の木下が山口に言った。


「山口殿、これはやはり、あの店に」


「うむ、そうだな。コーシャタのミリタリーショップへ行かねばなるまい」


 それを聞いていた同じく元自衛官の大槻も嬉しそうに言った。


「やはり、迷彩服(めいさいふく)でないと気分が上がりませんからね」


「ですな!」


「「ははははは」」


 荷台で服の話で盛り上がっていると、(ほど)なくして軽トラはハーイムに到着した。



 全員が軽トラから降りると、おじいさんがクエストの説明をした。


「みなさん、この町に近づくと海賊が来ますので、それを倒した後に親分(おやぶん)と対決します。では気をつけて行きましょう」


「「はい!!」」


 おじいさんたちが町に近づくと、いつものようにNPCの町人が走ってきて、海賊がやってきた。


 NPCの町人はおじいさんの前に来ると話し始めた。


「助けてください! あの海賊は、この町に伝わる、伝説の宝玉を狙って……」


「弓用意! 撃て!」


 ヒュッ、ヒュッ、ヒュッ!


 さっそく追いかけてきた海賊に元自衛官の3人が矢を放つと、大熊笹も走り込んでいった。


「はい、よいしょ」


 ズダン!


 大熊笹が海賊を投げると、哲夫が走り込んで刀を振り下ろした。


「やあ!」


 ブンッ、ズバッ!


 そして、おじいさんの石も(うな)りを上げて飛んでいった。


 シャァァアアアァァ……、ズガン!


「「うわぁああ」」


 海賊たちは総攻撃を受けて全滅すると、町人がお礼を言いにやってきた。


「ありがとうございます! お守り頂いたお礼に、ぜひ伝説の宝玉を見ていってください」


 NPCの町人は一行(いっこう)を村の中心の大きな宝物庫へ案内した。

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