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VRおじいちゃん ~ひろしの大冒険~  作者: オイシイオコメ
あの日の記憶
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ひろし、坊主をお勧めする

 おじいさんたちは小籠包と豆花を楽しんで店の外に出ると、おじいさんが思わず声を漏らした。


「おや?」


 なんと店の隣には書道道具店があり、ショーケースには自動購入できる高級そうな書道セットが展示されていた。


「おお! これは……」


 おじいさんが目を輝かせていると、イリューシュがおじいさんに尋ねた。


「ひろしさん、何か気になるものでもありましたか?」


「え、ええ。ははは。すばらしい書道セットだなぁ、と思いまして」


「この書道セットですね。では買っておきましょう」


「ええ!?」


 おじいさんが驚いていると、イリューシュはショーケースにある「購入」ボタンを押して購入した。


「ひろしさん、書道セットは和室に置いておきますので、いつでも使ってくださいね」


「イリューシュさん、あんなに高級そうな書道セットを宜しいのでしょうか……」


「もちろんです。いつか、わたしも教えていただくかもしれませんし。ふふふ」


「そ、そういう事でしたら……。では、お言葉に甘えて、ありがたく使わせていただきます」


 こうして高級書道セットを購入すると、みんなはワイワイお喋りしながら港へ向かい、船でG区画の家へと向かった。



 ー G区画の海岸 ー


 みんなは着岸した船から降りると、船はゆっくりと沖へ向かい、消えてしまった。


 それを見ためぐがイリューシュに尋ねた。


「イリューシュさん、船消えちゃったんですけど、またワンタイに行けますか?」


「ええ。アイテム欄から船を選ぶと地図が表示されて、停泊できるところへ船が来ますよ」


「え、すごい便利!」


 すると突然、イリューシュがモトラジェットを出現させた。


 それを見たアカネが驚いて声をあげた。


「あ、モトラジェット!」


「ふふふ。わたし1台持ってるんです。明日は、サーキットへ行って練習しませんか?」


「やった!」

「はーい」

「あぁ、乗れるかなぁ」

「う、うむ」


 みんなは一度G区画の家に帰ると、また明日会う約束をしてログアウトしていった。



 その頃、おばあさんたちはフレンドになったタマシリと一緒にメインクエストを進め、第2章をやっていた。


 おばあさんたちは通常通りに逃げる海賊のゴンゴビを追い詰め、最終決戦になろうとしていた。


 マユは剣を構えるとみんなに言った。


「よーし、みんながんばろうね!」


「「おー!」」


 すると、ゴンゴビは大きく息を吸い込み、猛毒の霧を吹いてきた。


 ブワァァァ!


 しかしメイが防御魔法を展開して猛毒を弾き、そこへマユが盾で防御しながら走りこんだ。


「やぁぁーー!」


 ズバッ! ズバッ! ズバッ!


 素早さを増したマユの剣は即座に3連撃を食らわせた。


 ヒュッ ドドドッ!


 そこへ、ナミが放った3本の矢がすべてヘッドショットで決まり、ゴンゴビは怯んだ。


「ああぁい!」


 さらにタマシリが走り込んでトドメを刺さないように加減しながらミドルキックを食らわせると、ゴンゴビは吹き飛んだ。


「凍てつく氷の女神たちよ、我に冷血なる力を与えたまえ。凍る六花の結晶をもって嘆願する。あの者に絶対零度の裁きを!」


 キィー……ン


 ズガガガガガン!


 最後におばあさんの氷の大呪文が命中すると、ゴンゴビは静かに消えていった。


 そして宝玉が転がり出ると、みんなの視界にメッセージが現れた。


『15ポイントのステータスポイントを獲得しました』


『メインクエスト 第ニ章 完』



「「「やったーー!」」」


 5人は抱き合った喜んだ。


「タマシリさん、サンキュー! ストロング!」


 おばあさんがタマシリに頭を下げながらそう言うと、タマシリは嬉しそうに両手を合わせて挨拶をした。


「You're welcome」


「サンキュー」

「サンキュウ」

「さんきゅ」


 マユとメイとナミの3人も手を合わせて挨拶をした。


「I have to go now. ワタシ カエリマスネ ゴハンtime」


 それを聞いたおばあさんが慌ててタマシリに全回復薬を30個送信して言った。


「サンキュー! たすかったわ」


「Thank you. アリガトウ」


 タマシリは両手を合わせて頭を下げると笑顔で手を振り、転移魔法で帰っていった。


 みんなはタマシリを見送ると、マユが笑顔で言った。


「これでやっと船に乗れるね」


 それを聞いたおばあさんも嬉しそうに言った。


「ええ! これで、もっとたくさん薬が作れるわ!」


 するとメイも嬉しそうにガッツポーズをした。


「最近ピンデチもG区画とH区画に強い人たちが移住してるんだって。わたしたちチャンスじゃない!?」


 ナミはウンと頷いた。


 おばあさんたちは船を手に入れたが、今日は遅くなってしまったのでマユのモービルでお店に戻った。


 そして明日、船で出かける約束をしてログアウトしていった。



 おばあさんが現実世界に戻ると、おじいさんが熱心に本を読んでいた。


「ただいま。遅くなってしまったわね」


「あぁ、おかえり。ゲーム楽しかったかい」


「ええ、とっても! 今日は船を手に入れたんですよ。明日みんなで乗るんです」


「それは良かった。実はわたしたちも船に乗ったんだよ」


「あら、どうでした?」


「ええっと……、ワン……ワンタンだったかなぁ。そんなところへいってな」


「あら、何だか美味しそうな名前ですね」


「そうなんだよ、そこで、美味しいもの食べたんだ。ははは」


「あら、わたしたちもワンタンに行かなくちゃ。うふふ」


 おばあさんはそう言うと夕飯を作りに台所へ行った。


 おじいさんは今日の出来事を思い出しながら、楽しそうにテーブルを片付けはじめた。



 ー 翌朝 ー


 おじいさんはボランティアの少年野球の指導から帰ってくると、おばあさんと一緒に昼食をとった。


「おばあさん、今日は船の旅だね」


「そうなんです。マユさんが小籠包と豆花(トウファ)を食べに行こうって」


「あぁ、昨日わたしも食べだよ。どちらも美味しかったなぁ」


「そうなんですか? なんだかとっても美味しそうで楽しみなんですよ。あなたは今日どこかへ行くんですか?」


「えぇと、なんだったかなぁ。オートバイに乗るんだ」


「ええ!? オートバイに乗れるんですか?」


「若い頃に出前のアルバイトでカブに乗ったことがあるけれど……。でも、もう遠い昔だよ。ははは」


「あら、そういえば学生の時に乗ってましたね。うふふ、くれぐれも気を付けてくださいね」


「あぁ、ありがとう」


 おじいさんとおばあさんは、お喋りしながら昼食を終えると、一緒にゲームの世界へ入った。



 おじいさんは時計台の前に現れると、ガチャで当たったライトモービルの三輪自転車を出現させてG区画の家へ向かった。


 ライトモービルとは免許がいらず、街中でも乗れるモービルで、形はいわゆる自転車。


 おじいさんは三輪自転車を当てたので後ろにカゴがある安定性抜群の自転車を手に入れたのだった。


 おじいさんは坂道をゆっくりと下っていき、G区画の家にたどり着いた。


 ガチャッ


 おじいさんが扉を開けると、大広間でアカネとめぐとイリューシュが首をかしげながら黒ちゃんを見ていた。


「やっぱ角刈りだろ」


「えぇ!? ナチュラル・マッシュじゃない?」


「わたしはカッチリな横分けが良さそうな気がします」


 黒ちゃんの髪型でモメていた。


 すると、黒ちゃんが慌てておじいちゃんに助けを求めた。


「あ、ひろしさん。わたしの髪型は何が似合うと思いますか? 実は色々ありまして、少し気分を変えたいと思っていまして……」


「あぁ、そうでしたか。黒ちゃんさんは体格が良いですから、坊主頭なんかが良いんじゃないでしょうか」


 また、新しい意見が飛び出した。


「……」


 しかし結局、最年長者の意見が尊重され、黒ちゃんは坊主になった。



 黒ちゃんが坊主になると、アカネは黒ちゃんの頭をペチペチと触りながら嬉しそうに言った。


「黒ちゃん、坊主もいいじゃん! 何でも力で解決しそうでカッコいいぜ!」


「お、おう」


 黒ちゃんは、褒められてるのかディスられてるのか一瞬戸惑ったが、アカネが嬉しそうにしてるので良しとした。


 すると黒ちゃんの髪型が決まったところでイリューシュがみんなに言った。


「ではみなさん集まりました事ですし、モトラジェットの練習にいきましょう!」


「「はーい!」」


 みんなはワイワイ家から出てG区画の砂浜に出ると、船を呼び出して乗り込み、サーキットのあるeバラキへ向かった。


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