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異世界アイテム通販生活  作者: 遊座
第二章 回復薬
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第20話 それは舞い散る花びらのように



『──送り込んだ『戦乙女』達にこちらの勝利条件と、あなた達からの謝罪を伝えておきました』


 二人の左手から同時に音声が聞こえた。


「……無事に帰ってきたら……直接謝りに行かないとだね……」


「そうだな……」


 (うた)夕夏(ゆか)は俯く。


『とりあえず『戦乙女』達はロドリゴの部下を取り調べてから今後の作戦を決めるようです。その時点まで時間を進めますか ? 』


 この地球とは違う時間の流れる世界。


 『軍神の加護』はその時の流れに、ある程度自由に乗ることができるようだ。


「本当にゲームみたいだな……。詩、どうする ? 」


「う~ん。進めてもいいけど~。その前に『勇者』様達のステータスを見れないかな~ ? 」


「そんなの見てどうするんだ ? 」


 夕夏は首をかしげた。


「もし私達が『勇者』様達にも指示を出すなら、その能力というか、できることとできないことを知っておいた方がいいと思うの~」


「そもそも『勇者』に私達の指示が必要か ? あっちはある意味プロなんだし」


「でも~横から見てる方が良い方法を思いつくことがあるって言うじゃない~。なんだっけ~。ことわざでもあったでしょ~ ? 大きな目が八つある亀があなたを見てるみたいな~」


「……ひょっとして岡目八目(おかめはちもく)のことを言ってるのか…… ? 」


「そうそれ~ ! おおかめはちもく~ ! 」


「どんな間違え方だよ……。怖いだろ。そんな亀に見つめられてたら、逆にその恐怖で失敗しそうだろ」


 得意げな笑みの詩に、夕夏は溜息を返した。


 まるで『きらら』系マンガのようなほのぼのとしたやり取りであった。


「そもそもあの人達のステータスって見られるのか ? 」


『……『戦乙女』の所属する一団に関して干渉することは可能ですので、見れますよ。現有戦力の把握は私もお勧めします』


「でしょ~ ! リングさん、ステータスを開いて~ ! 」


 かしこまりました、という音声と共に、テレビ画面が変化する。


「大昔のゲームみたいだな」


 それはまるでレトロな RPG ゲームのステータス画面のよう。


「まずは『戦乙女』のお姉さんだね~」



  なまえ れい


  しょくぎょう う゛ぁるきりー

  れべる 1


  HP 30

  MP  0


  ちから 7

  たいりょく 17

  せいしんりょく 2

  うんのよさ 5

  すばやさ 20

  かしこさ 3


  こうげきりょく 270(10+『いくさおとめのなげき』260)

  ぼうぎょりょく 178(8+『いくさおとめのなげき』170)


「……なんて言うか……」


「ちょっとメンタル弱めの普通の人っぽいね~」


「その分、攻撃力と防御力をアップしてるあのアイテムのすごさがわかるな……」


『彼女の装備している『戦乙女の嘆き』はゲームで言えば SR(スペシャルレアリティ)のアイテムですから。……ちなみに私は SSR ですがね 』


「……何対抗心を燃やしてんだよ」


 呆れたような夕夏の声。


「夕夏ちゃん~ ! 戦乙女のお姉さんの心の声も見れるみたいだよ~ ! どうしよう~ ? 」


「……やっぱり私達に怒ってるかな ? それに……」


『その心配は必要ないみたいですよ』


 人の心を勝手に見るのも、と夕夏が続ける前に画面が切り替わる。



──私は今、ありえない想像をしている。



「なんか独白(モノローグ)が始まったよ~ ! 」


「あ、ああ」


 二人は食い入るように画面を見つめる。



──それは酉井(とりい)さんが……死んだ父さんなんじゃないかっていうこと……。


ありえない……。


死んだのは間違いないし……。


父さんは母さんよりも年上だったし……。


でも……あれだけ不思議なアイテムを見たら……そんな奇跡みたいなことが起こるんじゃないかって……思ってしまう……。


もし本当にそうだったら……とりあえず二発は殴らないと……。


母さんに苦労させた分と……私に寂しい思いをさせた分……。


私は幼くて……父さんの顔も……一緒に遊んだこともよく覚えていない。


でも……母さんが言うには……三人で……近所の公園によく行ったんだって。


そして……最後に公園に行った時は……お花見で……私が帰りたがらなくて……駄々をこねる私を……父さんが「また来年も桜を見に来ようね」って言って、あやしてたって……。


もし……酉井さんが父さんだったら……また行ってみたいな。


三人で……あの公園に……桜を見に……。


……いや……何恥ずかしいこと考えてんだろ……。


そんなこと……あるわけないのに──



「『戦乙女』のお姉さん……小さい時にお父さんを亡くしてたんだね……」


「ああ……でも酉井(とりい)さんって『勇者』のことだろ ? あの人が死んだお父さんなんて……」


 ありえない、と言いかけて夕夏は自分達がこれ以上なくありえない状況に置かれていることを思い出し、言葉を飲んだ。


「ねえ夕夏ちゃん~。『勇者』様が本当に『戦乙女』のお姉さんのお父さんかどうか、『勇者』様の心の声を見れば……わかるんじゃない~ ? 」


「……そうかもしれないな。でももし本当に親子だったら……なんで隠してるんだ ? 」


 そんな二人のやり取りの間に画面は「勇者」の、酉井のステータスを映し出した。




ここまで読んでいただいてありがとうございます !


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