<ERIに調査を依頼>
会議が終わると、リピウスはしれっと「では、また〜!」と言って、とっとと会議室を出て行ってしまった。勿論402号室に戻って、メイさんの淹れるコーヒーを飲むためである。
嘉助は疲れ切った顔をしていたが、協力者同士、監視員同士が集まってザワザワしている様子を見て、首を振り振り部屋を出て事務所へと戻った。
戻り際に杏子には、「後はよろしくね」とだけ言った。杏子は慌てて何かを言おうとしていたが、嘉助は無視して出て行ってしまった。
(老師がリピウスの事を、黙っていた気持ちが分かりますね)
嘉助はしみじみと思ったのであった。
暫く休憩していたが、清君を呼んでERIに同行するように言うと、そのまま隅の扉からERIへと向かった。
ERIへ行くと、早速主任研究員のコスタを呼んだ。
「おや、嘉助さんと清君。今日はどうしました?」
「ちょっと君に調べてもらいたい物があってね」
そう言って嘉助は、清君を促した。
清君は空間から、さっきリピウスから回収した2つの装置を出して、テーブルの上に置いた。
コスタはその装置を手に取り、まじまじと確認し始めた。
「あれ? これって……まさかC国が製造したっていう装置ですか?」
暫く見てから、驚いたように嘉助を見つめた。
「うん。そうなんだよね。でね、君に確認してもらおうと思ってね」
「はあ、しかし良く手に入りましたね。どうやったんですか?」
「まあ、それは色々とね」
「そうですか。でも、実際に確認できれば、色々と分かるかもしれませんね」
「うん。それと、それを入手してきた人がね、魔晶石が使われているんじゃないか? って言うんだよね。それも調べて貰えるかな?」
コスタは驚いて叫んでしまった。
「魔晶石ですか!」
「うん。僕もちょっと信じられないのだけどね」
再度コスタは装置を、隅々まで見直している。
「魔晶石ですか。う〜ん……。確かに魔族だったら、魔晶石で我々と同じ機能の物は作れるかもしれませんね。でもな……」
まだ信じられないのか、首を捻りながら装置を見ている。
「魔族ね〜……。後は可能なのは悪魔って事かな?」
「まさか。悪魔がそんな技術を持つとは思えませんよ」
コスタは目の前で手をヒラヒラと動かして否定した。
「そうかな? あのダーズリー卿だからね。その位の技術を持っていても、おかしくは無いと僕は思うのだよね」
嘉助は真剣な目をしてコスタを見つめている。
「嘉助さんは、この装置の製造に、ダーズリー卿が関与していると思っているのですか?」
「うん。確証は何も無いけどね。なんか嫌な感じはしているんだよね」
「はあ。とにかく性能を確認してみますね。その後一度分解して、内部構造を確認します。分解すると、多分機能が消えてしまうと思いますからね」
「うん。それで良いよ。何か分かったら、連絡をくれないか」
「勿論です。それじゃ、お預かりしますね」
そう言ってコスタは2つの装置を、大事そうに抱えて戻って行った。
嘉助も事務所へと戻り、愛用の椅子に深々と体を預けた。
(さてと……。これからどうするかな?)




