<またも爆弾発言が>
リピウスの発言で、会議室内は騒然としてしまい、暫くは中断せざるを得なくなった。
協力者も監視員も、それぞれ隣同士でコソコソ、ヒソヒソ話し合い、収拾は付きそうもない。
協力者達は全員が真美ちゃんに集まって、質問攻めにしている様だ。
「なあなあ、あんな事って可能なのか?」
「操作って念話機能だよな? どうやったら中国まで届くんだ?」
「なんでPC画面に映ってるか分かる?」
皆の質問に真美ちゃんは、オドオドしながら、
「わ・わたしに聞かないでくださいよ〜……」
と泣きそうな顔をしている。
嘉助も、どうしたものか? 思案していたが、ふと先のメイさん事件を思い出した。
(これはメイさん同様、深く追求してはダメな奴だ。何とか単純に、『こういう物だ』と言う事で納得させるしかない)
そして嘉助は決心した様に、大きく手を2回打ち鳴らし叫んだ。
「はい! みんな静かにして! 席に戻って!」
嘉助の声に、全員がゆっくりと席に戻って行く。
嘉助は全員の顔を見まわしながら言う。
「リピウスの霊力ドローンは特殊な能力なので、これ以上詮索しないで下さい。今は彼が、こういう便利な能力を持っているとだけ認識するように。この場は彼の能力を解明する場では無いのですからね」
嘉助の言葉に、一同はなんとなく頷いて、これ以上の私語は慎むようにはなった。
「それでは、リピウスの報告書に関して、他に質問がある人は居ますか?」
嘉助は話題を元に戻した。
すると清君が手を挙げて質問した。
「この資料を読むと、5ヶ所の研究施設は、全国から集めた能力者の訓練場と、鑑定装置を積んで能力者を発掘する巡回鑑定車のメンテナンス、その他装置類の保守管理が中心で、実際の装置類に関する研究は行っていないようですが、そうなのですか?」
「俺が見た限りではそのようですね。どちらかと言うと、霊力の能力関連の訓練と研究が主体だと思いますよ。後は今言っていた、装置類の保守管理ですね」
リピウスが答える。
「今回問題になっている、霊界の装置製造に関しては、研究所では研究も製造もしていないと言う事ですね?」
協力者の紫音が確認するように発言した。
「そうですね。調べた範囲では、地下に研究施設があるようにも見えませんから、報告書に書いた通り、皆さんが探している施設は、他に有ると言えるでしょうね」
「真美ちゃんは、その後何か分かった事は無いかな?」
嘉助が真美ちゃんに発言を促した。
「あ、はい。この資料を見て、再度色々調べましたが、霊力科学研究所関連としては見つかりませんでした」
「ふ〜む……。どうも分かりませんね」
そう言って、暫く嘉助も考え込んでしまった。
「あの〜……。実物を見たら、妙な事が分かったんですけどね」
唐突にリピウスが言い出した。
「実物?」
再び室内はザワザワし出した。
「ちょっと! 実物ってどういう意味?」
杏子の声にリピウスは、再び空間へ手を伸ばすと、何かリング状の装置とドライヤーのような小型装置を取り出した。
「これ。能力無効化装置と簡易鑑定装置ですね」
リピウスが机の上に置くと、みんなの視線が集まった。
「こ・これって、どうやって?」
清君が驚きの声を上げている。
「あ〜、いっぱい置いてあったから、1個ずつ持ってきちゃったんですよ」
「「「えー!!!」」」
再び場は、今日一番の騒然となった。




