始まり
あの、まずはこの物語を読んでくれる人に謝らないといけない。俺はこの物語の主人公じゃない。どっちかっていうならやられ役の方なんだ。
「魔王様。時間です。行きましょう」
こいつは側近。まぁ、醜いし強い。
「はぁ…。いきたくねぇ。まだレベル24だけど勝てんの?」
「いや、まず無理でしょうね」
「まじかよ。じゃあ行くのやめよーぜ。どうせ負けるんだからさー」
「それは無理です。もう扉の前まで来ています」
「まじかよ…きめぇ」
ドオオオオオオオオオオン!
「出たな魔王!!お前を倒しにここまで来た!いざ勝負!」
(いや、出たのはお前らだろ)
ツッコミは上々。まぁ、でも俺は魔王。魔王なりにやるしかない。
「ふはははは!よくぞここまで来た勇者よ!お前らの全てをぶつけてみよ!!」
いや、それにしてもこいつら装備がえげつねぇ…。この世界でいちばん強い装備じゃねぇかよ…。こちとらお前、お前らでいう初期装備みたいなもんだからな。
▶︎僧侶のターン
▶︎僧侶の『聖者の咆哮』
・パーティのステータス異常耐性がMAXになった。
▶︎魔法使いのターン
▶︎魔法使いの『神霊の門出』
・パーティを魔法の霧が包んだ。
▶︎勇者のターン
▶︎勇者の『剣聖の咆哮』
・パーティの攻撃力がMAXになった。
▶︎戦士のターン
▶︎戦士の『スラッシュモーション』
・戦士は魔王に狙いを定めた。
▶︎魔王のターン
(ねぇ、僧侶。なんか色々とやばくない?素早さとかの関係で魔法系の奴らって俺よりターン早い事ってなくね?てかもう、素早さがめちゃくちゃ高い戦士が最後って異端じゃね?)
(私も驚いてます。まずありえないですね。恐らく素早さに全振りしてるか、〜%強化系の武器で鬼上げしているのでしょう)
(まじかよおっかねぇ…。てか見たことない魔法使ってんだけど。神霊の門出ってなに?)
(私も初です。まずはそれなりの魔法で様子をみてください)
(はぁ)
「さて、まずは様子をみるとしよう…」
▶︎魔王の『プレミネンス』
・勇者は魔法の霧で守られている。
・戦士は魔法の霧が守られている。
・僧侶は魔法の霧で守られている。
・魔法使いは中級魔法でダメージを受けない。
「ははは!こんなもんかよ魔王!」
「次で決める…」
「…いけます!これならいけますよ勇者様!」
「魔王が中級魔法とは…。なめられたものだな」
(…もう帰っていい?)
(しっかりしてください。私がなんとかします)
▶︎マルディオラのターン
(お前そんなかっこいい名前だったの?!)
▶︎マルディオラの『マミーハンディオ』
▶︎パーティを漆黒の闇が襲う
・勇者の攻撃力が恐ろしく下がった
・戦士の攻撃体制を崩した
・僧侶は魔法封じになった
・魔法使いの魔力が80%なくなった
「く…!」
「うぐ」
「あわわ…」
「なんだと…」
(もうお前が魔王でいいよ)
(構えてください。来ますよ)
▶︎僧侶のターン
▶︎僧侶の『魔法の歌声』
・パーティの攻撃力がグンと上がった
・パーティの士気がグンと上がった
▶︎魔法使いのターン
▶︎魔法使いの『幻の神加護』
・パーティのまわりを妖精たちが飛ぶ交う
・妖精たちは歌っている
▶︎勇者のターン
「さてと!お前の首、貰うぜ」
▶︎勇者の『辻斬り“祓凪”』
勇者の剣が魔王を切り裂く
ズバァァァ!
「うぐぅ…」
(いでぇぇぇぇぇえええぇぇえぇぇぇぇ!!!)
▶︎魔王に9854のダメージ
(おぼろろろろろろ…マルデ…違った、側近…回復魔法…死ぬぅ…)
(その程度で魔王様は死にませんよ。ほら、次は戦士です)
(そもそもこういうバトル系ってお前が先に攻撃くらうんじゃ…)
▶︎戦士のターン
「…俺、お前、殺ス」
▶︎戦士の『暗速斬』
戦士の高速の剣が魔法を貫く
「…ぐ」
(おぼろろろろろろろろ)
▶︎魔王に9999のダメージ
(カンスト?!え、ちょ、まじかぐぼわああああ)
(大丈夫です。体力だけは無駄にあるので、じっくり嬲り殺しましょう)
(嬲り殺されんの俺らじゃね?)
(一緒にしないで下さい)
(冷たいなおい)
▶︎魔王のターン
(ふぅ、一旦回復していい?)
(魔王が回復魔法ですか?きっと伝説に残りますね)
(いやぁそうなんだよなぁ…。じゃあ回復系は任せたわ)
(……)
(いやなんで黙ってんの?任せたからね?ね?)
▶︎魔王の『叩き潰し』
天空から現れし巨大な手が勇者たちを潰す。
・勇者は188のダメージを受けた
・戦士は72のダメージを受けた
・僧侶は203のダメージを受けた
・魔法使いは上級魔法でダメージを受けない
「やるな」
「…ふっ」
「いてて…」
「魔王が上級魔法とは…。なめられたものだな」
(…ねぇ、上級魔法ってなめてるの?」
(なめすぎですよ。なぜ極限魔法を使わないのですか?)
(え?なにそれ)
(上級魔法のさらに上です)
(そんなんあったの?!それ何レベで覚えられる?)
(レベルですか?たしか…500?)
(さっき俺24って言ったよねええええええぇ)
そんなこんなで俺は7ターンで負けた。側近は生きてたけど、物語上俺を倒したら終わる旅だからさ。奴らにとってはハッピーエンドというわけだ。
この物語はヤラレ役の魔王も、最初はレベル1からで、いろんな旅があって、勇者なんかよりも大変なんだよって話。




