魔法の種類
「魔力が、どうして切れないんですか?」
え?
目の前に開けた穴は、1mと2mと3m、両手を使って試した6m、……深すぎて落ちたら死にそうな穴が空いている。
「えーっと、ちょっと待ってて、怖いからふさぐね【ぽんぽん】」
穴がふさがった。
「あー、どうやらぽんぽんは穴をふさぐイメージで固定されてるから大きさ関係ないんだ」
6mのどでかい穴がふさがってほっと息を吐き出す。
そうだよね、今までも大きさを指定して穴をふさいだことはなかった。
「お姉さま……穴がふさがっちゃいました……」
うん?
またミサさんが驚いている。
土を戻して埋めただけなのに、驚くようなこと?
あ、また、魔力が足りるのかって話なのかな?
「もしかして、ミサさん魔力が少ないタイプ?穴を掘るときの必要な魔力って、10センチで1でしょ?だから、1mで10、6mの大きな穴でも60、えーっと、埋めるのにも使ったけど、まだ200くらいしか使ってない……」
ミサさん、レベルが12だと言っていた。
12だと魔力がどれくらい増えているか分からない……というか平均がどれくらいかもわかっていないんだよね。
「どういうこと?」
どういうこととは、どういうことだろう?
ミサさんがぼーっとしている。
「あれだけ大きな穴をあけても、魔力の消費が、たったの60?一軒家が丸ごと入りそうなでかい穴だったよ?」
6m四方の穴の話かな?
「実験したから、間違ってないと思うよ?10センチ四方の穴を掘ると消費魔力が1のはず。あ、私の場合はね。えーっと、ミサさんの魔法は違うの?」
ミサさんが、さっきのべコリと凹んだ穴を指さした。
「あの大きさの穴で、魔力は1000必要」
「え?うそでしょ?」
形は違えど1mの穴だ。それに1000?10センチで100も消費するってこと?私の100倍の魔力が必要ってこと?
私が効率よく魔法が使えるって話?
いやいや、効率がミサさんよりもいいとすれば……。
「えーっと、ミサさん、呪文を短くして見るとか?魔法を教えてくれた人がイメージだって言ってたし、そのイメージを形にするための呪文は、……例えば、リンゴという言葉で赤くて丸いリンゴが無意識に浮かぶようであればいいって話で……って、私なんかが偉そうに言わなくても知ってるよね……」
ミサさんがハッとする。
「そういえば、私、イメージするときに……魔法で穴をあけるアニメを繰り返し見てイメージを固定化したんだ」
「まさか、あの呪文も?」
うんとミサさんが頷く。
だから穴がアニメや漫画っぽくなったのか。
「お姉さまは何をイメージしているんですか?」
「私は、自分で掘った穴をイメージしてるの。あまりアニメや漫画に詳しくもないから。小さい穴はシャベルで掘った穴。少し大きな穴はスコップで掘った穴。大きな穴はショベルカーで掘った穴……みたいな感じ。あ、あと、マインクランっていうゲームのイメージが少し混じっているから、四角い穴の方が掘りやすいかな」
ミサさんが頷いた。
「ステータス」
それからステータスの画面を出して見ている。私には見えていない。
水切りゴムワイパーワイドを両手で体の前に構えると、ミサさんがイメージを固めているのかぶつぶつと何かをつぶやき、1分ほどで呪文を唱えた。
「【シャベル】」
すると、10センチほどのシャベルで掘ったような穴ができた。
ちょっと間あいちゃってごめんなさい。かきだめなっしんぐ。
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