トンボの男
「そうだ、俺が、こいつで上から穴に落として倒したんだから当たり前だろう!」
「あ、トンボで……」
なるほど。吹き出しスライムを一気に押し込んで穴に落としたってことなんだ。それなら砂の下に隠れていても安全だ。
ただ、トンボは木製のようだけれど、すでにポコポコ穴があいている。
「そうだ。横取りすんなよっ!」
男は魔石を拾い集めると、トンボの柄を棒高跳びの棒のように地面に当てて3mの高さをあっという間に登ってしまった。
それから、ぼとぼとと集めた吹き出しスライムを穴に落とし、下りて拾って上に上りを繰り返し始めた。
……まぁ、いいか。
と、光る泥団子づくりに戻る。
いろいろな模様と、模様なしと合わせて10個。
リュックに入れた。ところで、人の声がする。
「お、まじであるじゃん!」
「ラッキー!」
「なんだ?ここは俺が先に見つけたんだ」
「まぁいいじゃん、ちょっと休憩させてくれよ」
ぴょーんと、若者4人が飛び降りてきた。
うわー、なんか人が集まってきた。落ち着いて光る泥団子づくりなんてしてられなさそう。
「へぇ、穴に落として魔石を拾うのか。手伝ってやろうか?その代わり分け前はもらうが」
「はっ、いらねーよ、って、俺の魔石だ、返せ!」
「拾ったもん勝ち」
「わけねぇだろ!通報してやる。資格取り消しだぞ」
「はぁ?そんなこと言っていいのか?ダンジョンの外でどうなってもしらねぇぞ?」
……ひゃー。関わっちゃダメなやつ……!
こそっと階段を作って上に上る。
それから、【ぽこっ】【ポンポン】で移動。ちょこちょこ光っているから砂の下に吐き出しスライムがいるんだろうな……。
逆に、吐き出しスライムがいるから角兎がいないのかな?
角兎も、吐き出しスライムの酸は苦手?というか致命傷?砂に沈み込むと兎はジャンプしにくいんだろうし、30センチの高さなら兎にしっかり降りかかるよね。
だいぶ移動して、再び穴を……。っと、その前に魔力切れに注意。
名前:佐藤有希
年齢:35
レベル:4
HP:66/72
MP:1520/2144
スキル:土魔法
称号/サレ女
あ、そうだ。レベルが4になったんだ。
MPたくさんだ。HPは少ない。これ、もともとの基礎体力が少なかったからなのかな?運動不足だもんねぇ。座り仕事だし。
MPはあれかな。魔法がそもそも使える人が少ないし、役立つくらい使える人はもっと少ないって言ってたから、役立つくらい使えると多いみたいな?
つまり、私は、その数少ない人の可能性が!
……とは、いえ、ハズレの土属性。
でも、掘った穴は意外と役立っていた。取り合いになるくらいには……。
とはいえ、下層に行くと役に立たないんだろうな。穴に落ちたくらいで死ぬような弱い魔物はいなくなるんだろうし。空飛んでたら穴に落ちないし。
ドラゴンとかめっちゃくちゃ巨大だろうし。
よし。ちょっと魔法で遊んじゃおう。
壁に到着。
「【ガガッ】」これで、1m立方体の岩が削れる。
削り取った立方体は左側に積む。
MP:1420/2144
あ、そうだ。1つで魔力100だから、あと12回か。戻るとき用に魔力を500残しておこうと思ったらあと10。
遊ぶのは無理だなあ。もっと魔力上がってたくさん魔法使えるようにならないと。
早く遊べるくらい魔力が増えるといいなぁ。岩を積み上げてお城とか作れたら楽しいのに!
今回は魔力節約。小さいので我慢しよう。
経験値稼ぎのお手伝いありがとうございまぁぁぁす!w
ご覧いただきありがとうございます。
ところで、ダンジョン産のレアメタル、何がいいでしょう?




