20 従兄弟の殿下達
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皆さっきまでエレノアに対する聖獣の腰の低さに絶句していたがエレノアが何も気にせずお菓子を可愛らしく頰を膨らませてませ食べているのでどうでも良くなった。
「ふふ、エレノアちゃんったら頰を膨らませてリスさん見たいよ?なんて可愛いのかしらねぇ貴方?」
「そうじゃのそうじゃの。可愛すぎるのぉ!罪なリスさんじゃのう♡いくらでもお食べ!他に好きなお菓子があれば料理長に作らせるぞい?」
私はお爺様とお婆様に挟まれていた。
向かいのソファーにはお兄様とお母様とお父様が餌付けられている私を花にお茶を楽しんでいる。
「ここの料理長もお菓子作りが上手なのですね!とても美味しいですわ!」
「これは料理長を褒めておかないとね。」
是非そうしてください。
もうこのカヌレも絶品だしクッキーもサクサクホロホロだしするスフレチーズケーキはもう神の領域だった。
お茶の間の会話は最近のブルーノの学園生活だったり政治のことそして暗黒病を治した薬のことなどに…
「エレノア嬢はどうやってあの薬の作り方を知ったんじゃ?」
「ぜんせのきおくでしゅ〜」もぐもぐ
今の私は胃袋を掴まれ夢心地だからついぽろっと漏らしてしまったのだ。
「どうやって作ったんじゃ?」
「れんきんじゅつでちゃちゃっとつくっちゃいましたぁ〜」
「…エレノア嬢が?」
「はい〜………ん?」
そこからはもう質問責めすぐに誤魔化せず吐かされましたね。魔力操作が得意なことも前世が異世界なことも。あ、でも何個も前世があることとか精霊王であるとかはバレなかったよ。なんで前世魔法のない異世界なのに魔法が使えるのって聞かれたときは若干焦ったけど眠っていた3年間の間に女神様に教えてもらってた事にした。
「やはりエレノア嬢は規格外じゃな。さすがじゃ!女神の祝福を受けた前例なんてとっくの昔の出来事でのう。神殿にバレたらよこせとうるさくなるに違いない。エレノア嬢が大神官長になりたいなら別じゃが…」
お爺様は私をチラリと見た。勿論私は首を振る。だってそうなったら神殿で隔離されて大事に大事に隠されて毎日祈るだけの生活になるんだよ?絶対に嫌だね。
「とりあえず明日にでもエレノア嬢のステータスを鑑定するかのぉ。」
話がひと段落し、またみんなでたわいのない話を繰り広げていると扉が二回ノックされたそして確認を取らずに扉が開く一人はパールパープルの髪に碧眼の美形の紳士、その紳士の横に金髪碧眼のこれまた美形の紳士二人とも物腰の柔らかそうな顔をしている。そしてどこかお母様に似た造形をしているような…金髪碧眼の方は若そうで20歳前後に見える。
でもお母様は34歳だけど二十代後半かも?ぐらいに見えるから彼ももしかしたら25くらいかもしれない。
で、そんな二人の後ろに二人の少年が。身長の高い方はお兄様と同じくらいの歳に見えるパールパープルの髪だから王家のものかな?碧眼なんだね。もう一人はストロベリーブロンドの小さい子。私より少し上くらいかな?多分5・6歳。
「いやぁご機嫌ようみんな!妹の子供たちが来たと聞いてね!弟と私の子供達でやってきたさ!はは!
むむ!父上と母上の間にいる麗しのお嬢さんが我が姪かな?よろしくね!オーウェン・ルイス・セガリットだよ!一応この国の王太子で君の母上の唯一のお兄様さ!」
とても陽気な人が来た。この伯父は目を輝かせて身振り手振り話している。名を名乗った時なんて回転してから決めポーズをしてニカっと笑ったとき白い歯をきらんっとさせていた。
でも何か私は違和感を捉えていた。
間違いなくキャラだ。一国の王となる男がこんなんなわけない。腹黒い奴め!
その勢いに若干気後れしつつ負けないように今日何回か目の挨拶をする。
「ごきげんよう、皆様!わたくし、アーサーとセルヴィアの娘のエレノアですわ!オーウェン伯父様!あなたの♡姪!エレノアですわ!」
私も立ち上がり身振り手振り話す。勿論挨拶の時は回転して歯をきらっと輝かせる。そして最後に極上の笑みを浮かべた後ニヤッと薄く唇を上げる。
私を試そうとするなんて酷いですね?という意味を込めて。
だって三歳児だよ?
そうするとオーウェン伯父様は目を見開いて満面の笑みを浮かべている。満足したらしい。
三歳児をどれくらいやれるか試すなんて意味あるのかしら。
「はぁ、兄上何やってんですか。エレノア嬢こんにちは君の母上の弟のノア・ガルシア・ウォーカーて言いま〜す。24歳で〜す。ついでに僕は独身ね。王家からはもう出て公爵閣下だよ。いつもは魔法研究所で研究員してま〜す。よろしくね。」
眠そうな人だなって感じホヤホヤしていて綿毛みたい。優しそう…一緒にお菓子作りとかしてくれそう。
「で、この二人が私の子供のディランとジャックだ、ほら、二人ともお姫様にご挨拶して?」
オーウェン伯父様がそう促すと後ろに控えていた二人が一歩前に出た。
「ごきげんようエレノア嬢。私はこの国の王太子オーウェンの嫡子ディラン・ルイス・セガリットともうします。ブルーノとは同い年なんだよ?僕たち色味が似ているからなんだか妹ができたみたいだ!仲良くしてね!」
背の高い方はディランお兄様ね、了解了解。印象は代表的なお兄ちゃんって感じ剣術とかスポーツが好きそう。一緒に鬼ごっこしてって今度頼もう。
「はじめましてエレノア嬢。セガリット帝国の王太子の三男のジャック・ルイス・セガリットだよ。ぼくね、まだ仲のいい子がいないんだぁ、だから仲良くしよ!僕お菓子作りが趣味なんだよ。たまにノア叔父様と一緒に作ってるんだ。今度一緒に作らない?」
「いいの?作りたい!」
めちゃんこ癒し系やんけ!フワフワの癖毛のストロベリーブロンドの髪が可愛らしい。
にへっと笑うから私もつられてににへっと笑ってしまう。
実は女の子なんじゃないの?って思うくらい可愛い。
それからは私達子供はみんなで集まって子供は子供、大人は大人と別れたのであった。と言ってもなんせ美形揃いなので大人たちはそれはそれは尊いものを見る目で私たちのことを眺めていたとか。
***
魔道士たちが日々研究や仕事をする場合に滞在する魔法塔の最上階。
芸術的なデザインのステンドグラスが嵌められた天井は太陽の光を受け、その室内にいるものへ乱反射した美しい光を降り注ぐ。
神秘的な輝きを放つホールの中心に立ち皆からの緊張の視線を集めているのは他でもない私、エレノアと深紅のローブを着た赤髪赤目の50代の男、魔法師団長ジョセフ・ロレイナ・ブラウンである。
私が立っている所の目の前には25センチ程の台とちょうど私の頭の上位の高さの小さな円形の机があるその上にはガラスのように透明な石板がふかふかな深紅のクッションの上に置かれている。
「ではエレノア様、こちらに触れてみてください。魔力が吸われる感じがするかもしれませんが一定の割合まで吸われると治りますので安心してください。」
「わかりました。」
昨日お爺様が提案した通り私は朝からステータスの鑑定のため魔法塔へ来ていた。
この部屋にいるのはお爺様お婆様、私の両親、魔法師団長だけだ。
ブルーノお兄様や他の兄様達(従兄弟組とか)も見に来たがっていたがどんな結果が出るかわからないためもしもの情報の流出に備えて必要最小限のメンバーになったのだ。
魔法師団長はもしも何かあった時に神速に魔法で鎮圧できるように魔法のエキスパートとしてお爺様が呼んで来てもらったのだ。忙しい中申し訳ない。
実は今世で自分のステータスを見るのは初めてである。
先に見て確認していても良かったんだけどドキドキがなくなるのは嫌なので置いといたのである。それに結果がでたとき自然な反応できなくなっちゃうかもしれないじゃん?
「エレノア様?」
いつまでも触れない私に不審に思ったのかジョセフ魔法師団長が声をかける。
はっ!つい考え込んでしまった!
私はよしっと気合を入れ?そっと触れた。
とたん確かに魔力が吸われている感じがする。
透明だった石板は魔力を吸った瞬間から七色に輝き出し、少し震えている。なんだろう?
周りの人が息を飲んでいるのがわかる。1分ほど吸った頃だろうか、魔法師団長がおかしく思ったようで声をかけた。
「おかしい、普通はもっと早くに終わるのに、1分も続くなんておかしい…鑑定石板が壊れたか…?魔力枯渇になってしまうのでは?」
「何割吸うんですか?」
私普通の人より多いからさ。
「1割だが…」
なるほどじゃあ、あと少しじゃない?
魔法師団長は私の飄々とした姿に目を見開く。
それから大体1分後くらいに吸われる感覚はなくなり石板の輝きが増したと思えば石板の上にマーブル柄の一枚の紙がふわりと落ちた。
それを恐る恐るとったのは私ではなく魔法師団長。そしてその紙の柄に息を飲みそっと裏返せばそこに書いてあった文字に目を通しがくりッと膝をついた。
「ここまで規格外とは聞いてないいいいいいいいいい!!!!」
ありがとうございました!




