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コンビ名決まりました。

迷惑な客ですね。

ある日、俺達はマネジャーの七生さんに呼ばれて、焼き肉店の個室にいた。

「さぁ、今日は私がおごるから、どんどん飲み食いしてね!」

「言われなくてももう食ってるよ」

「あっはっは!豚肉が豚肉喰ってる!共食いだ!」

「うるさい酔っ払い!俺は豚じゃない!」

「あっはっはっは!…喋る豚」

「豚じゃないっつってんだろ!」

「あっはっは!」

「金木君、君ってお酒好きなの?」

七生は不思議そうに聞く。

「好きだけど…すぐ酔う!あっはっは!」

「なるほどなるほど…」

こういうのもしっかりメモを取らないとね。

「公は…どうだったけ?」

「好きだけど、飲むとマーライオンになるっていただろ」

「そうだった。公は飲むとマーライオン…」

七尾はメモに書き込む。

「ライオンなのに見た目豚。あっはっは!」

「うるせぇ!」

バシッ!

「おお、公、ナイスツッコミ。これで金木君も大人しくなるかな?」

「……なんか、黙っているけど大丈夫か?」

強く頭叩きすぎて、頭おかしい……のはいつもの事か。

「……公」

「んっ?」

「もっと叩いて♡」

「ドMかこの野郎!もうたたかねぇよ!」

「…もっと♡」

「暴言も好きなのかよ!」

「いいね♡」

「お前酔っぱらってエロメーターフルスロットルじゃん!」

「あっ、すいません、私生ビール追加お願いします」

「オレも」

「七生さんはともかく、良はもう飲むな!」

数十分後、良は屍と化していた。

「……やっと、酔い潰れたか」

「意外と弱いのね」

「七生さん、それで何杯目ですか?」

「10は超えているわ」

「へ~、強いんですね」

「まぁね♪……あっ、忘れるところだった。これに書いてほしい事があるの」

七生は鞄から1枚の紙を取り出す。

「…これ、お笑いバトルの参加申込書じゃないですか」

「一応これでもあんたらのマネジャーだからね。仕事、取ってきてやったのよ」

「ありがとうございます!」

「でも、あんた達はまだコンビ名決めていないでしょう。さっさとコンビ名決めて書かなきゃ締め切りすぎるわよ」

「いつまでですか?」

「明日」

「早っ!と言うか、今夜の10時だからほとんど時間ないじゃないですか!」

「早く決めな」

「む、難しいで…」

「公も飲みなよ~!」

「うわっ!」

良が突然生き返り、公に無理矢理酒を飲ます。

「公、大丈夫!?」

「……ダメ。出そ…」

汚い映像のため、綺麗なお花畑の映像を頭に思い浮かべてください。

「あっはっは!汚ぇ!」

「マーライオンじゃなくてナイアガラの滝に匹敵するんじゃない!?」

「……もう1回…来た」

お見苦しい映像のため、この辺飛ばしてさっさと次に行きましょう。




翌日、良と公が住む部屋。

「…………気持ち悪い」

「頭痛~い」

「あんた達、大丈夫?」

七生はバスローブ姿で、浴室から出てきた。

「…………」

「公、何私の体見てるのよ?私、そんなに色っぽい?」

「いや、33才にしてはいいから…」

「今なんて行った?」

「えっ?」

「仕事持ってこないわよ」

「すみません、七生様は永遠の16才です」

「それでよろしい。じゃ、私は着替えて仕事行くから。今日の5時に参加申込書取りに来るから」

「分かりました」

さて、そろそろ本気で考えなきゃな…。

「おい、良、大丈夫か?」

「……」

「返事がない。また屍になっている…」

優に相談するか。


俺は優を部屋に呼び出す。

「それで、良さんは…?」

「隣りの部屋で寝てる」

「そうですか。あっ、コンビ名の事ですよね」

「どうすればいいと思う?」

「んー、分かりやすく覚えやすい物がいいと思いますね」

「分かりやすく覚えやすい物か…」

「コンプレックスをコンビ名にしてはどうですか」

「……コンプレックス」

たしかに、ハゲとかデブとかブツブツとかヲタクとか、いろんなコンプレックスを持ちネタにしている奴もいるしな…。

「あの、すみませんが少し用事があって…」

「そうなんだ。わかった、今日はありがとう」

「正式に決まったら教えてくださいね」

「ああ、ちゃんと教えるよ」

優は帰って行った。

そして俺は、良が眠っている部屋に行き、良に話し掛けた。

「良、大丈夫か?」

「ん…だいぶ良くなってきた。話…あるんでしょ」

「……言いにくいんだけど、お前はゲイって事にコンプレックスを感じるか?」

「……よくわかんない。でも、たまに嫌われるから嫌な時もある」

「そうか…」

「コンビ名…何?」

こいつ、気に入るかな…?

「コンビ名は…ゲイ&デブだ」

「……ダサい」

「えっ!?」

「なんか語呂も悪いし…俺はあまり好きじゃない」

人ががんばって考えた名前なのに…。

「……あっ!じゃあ、頭文字を英語にして、G&Dはどうだ!?」

「…いいね。カッコいい!いいじゃん!」

「よし、今日から俺たちはG&Dだ!」


俺達は今日、コンビ名を決めて、やっとお笑い芸人のスタート地点に立てたんだ!

メローメータフルスロットル、自分でも意味が分かりません…。

勢いだけってやつですよ。

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