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気が付いたら石田三成になっていた私。島左近なる人物に日付を尋ねたら慶長5年の9月14日。場所は大垣城。て事は明日は関ヶ原?  作者: 俣彦『短編ぼくのまち』
隈本城の戦い

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捌け口

 江戸城。


徳川家康「……そうか。義弘が乗って来たか?」

井伊直政「はい。殿の狙いに間違いありませんでした。」

本多忠勝「此度のいくさで大きな成果を上げたのは石田に宇喜多。大谷に長宗我部。そして……。」


 島津義弘。


徳川家康「大きな恩賞に与っても不思議では無い彼らに対し、秀頼は何ら手立てを講じる事が出来ていない。ただこの内の3名。宇喜多に石田。そして大谷については、自分で言うのも何だが。」


 徳川家康を放逐する。


徳川家康「と言う大きな大義を持って戦っている。故に奴らが何の利益を齎す事が出来なかったとしても、不満に思う確率は皆無では無いが低い。加えて此度のいくさを経て奴らは、豊臣における地位を高める事に成功している。これから利益が発生する事が確定している以上、我慢出来る。しかし……。」


 島津と長宗我部はそうでは無い。


徳川家康「彼らは豊臣家から見れば外様。政権の担い手になる立場には無い。彼らを繋ぎ止めるために必要なのは……。」


 成果への対価。


徳川家康「恩賞無ければ従う理由は無い。ましてや今の豊臣に直轄軍は存在しない。秀頼が武で以て彼らを屠る事は出来ない。にも関わらず秀頼は、彼らに新たな権益を付与していない。不満に覚えている可能性は高い。」

本多忠勝「長宗我部については?」

井伊直政「藤堂様より打診しました所、乗り気であったのは確かであります。ただ長宗我部は、先のいくさで甚大な被害を被り。兵を動かす事が出来る状況に無いとの事でありました。」

徳川家康「餌が弱かったか?」

井伊直政「土佐から伊予松前に辿り着くには、険しい山を越えなければなりませんので。」

徳川家康「藤堂領を通れば行けるだろう?」

井伊直政「藤堂と長宗我部は、先のいくさで直接対決。双方大きく損耗しています。もし長宗我部が板島で何か事を起こした時、対処する事が出来ないとの事でありました。」

本多忠勝「殿も人が悪いですね?」

徳川家康「どう言う意味だ?」

本多忠勝「敵方で活躍するも、恩賞に与る事が出来なかった連中の不満を……。」


 家康に味方した豊臣恩顧にぶつけようとは。


徳川家康「島津と長宗我部は一度。我らに付く事を決意した。にも関わらず敵方に転じたばかりでなく、我らを窮地に追い込んだ張本人。絶対に許す事は出来ぬ。嘉明と清正は、此度は味方となったが……。」


 秀頼となったら話は別。


徳川家康「今後の事を考えた場合、早めに排除して置く必要がある。ならば両者を戦わせ、兵力を削いでおくに如くはなし。どちらが勝とうが我ら方。我らが損をする事は無い。」

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