98話 ロボと…
短めの挿話です。
「おい、娘…」
「あっロボさん。あれ?お兄さんは?」
「今は私と1つだ。」
「えっ…どうゆう…」
「話は後だ私を…ユウマを抱き締めてくれ」
「えっ?えっ?」
「今は時間がない。早く!」
「わっ…わかりました。」
彼女はバタバタと私にかけよってきた。
まだ信用した訳ではない。
だが今は頼るしかない。
私が腑甲斐無いばかりに…
彼女がそばに身をよせ私の首に手を回した。
「そんなに怖がらなくてもいいのよワンちゃん。」
「!!」
「大丈夫。痛くしないから…」
体が動かない…
不覚…
「あら?カチコチになっちゃって。初めてなの?大丈夫。私も初めてだから。」
「今はそんな時では…」
ガコン!
建物が揺れる。
なんだ?
「ふ~確かにそんな場合じゃないかしらね。」
「だからさっきから…」
「じゃあこうしましょう。うちの子を一人あなたのところで預かってくれる?」
「なんだと?」
「あなたのところもご主人様が知らないだけで
けっこうな大所帯なのは知ってるけど…
一人くらい大丈夫でしょ?」
「私の一存では…」
「事後承諾って便利な言葉もあるのよ。」
彼女はゆっくり私の首を撫でる。
「じゃあお願いするわね。」
ボウッと私の毛並みに黄色い光が灯る。
彼女は私の首を離すと更衣室の椅子に座った。
「私のこと守ってくださいね。お兄さん。」
「…」
私は更衣室から出てズタズタになった廊下を走る。
私は一体何と契約を結んでしまったのだ…




