9話 これ手詰まってない?
さぁこのネタを思い付いてから未だ解決してない問題をなんとかクリアしたいな
報告。
言ってるそばから足滑らして、5→4の踊り場に滑り落ちました。
踊り場じゃなかったらヤバかった。
そんな感じでおっかなびっくり4階に到着した。
ふとこの階に住んでいる植松さんのことを思い出した。
部屋に行ってみようかと思ったがやめた。
誰もいない部屋を見てもきつい。
誰かいたとして、なんて言えばいい?
そもそもそんなに親しいご近所さんてわけでもない。
俺に出来ることなんか無い。
上を目指すことにした。
今は母親が勤めてる病院へ行くのが一番の目標だ。
目の前に困ってる人間がいたとしても本当に何も出来ない。
俺はごちゃごちゃ考える頭を思考停止させて
ひたすら階段を登ることに集中した。
途中危ういところが何度もあったがなんとか2階まで到着。
そんなに大した運動はしてないのにドッと汗が吹き出る。
緊張感のせいかな?
ここまで来ると手摺の向こうには空は見えず、建物だけが見えるので、少し安心感があった。
手摺に近づいて見上げれば地面が見える。
なんか地下街にいるような気分になるな。
さて、もう一踏ん張り。
俺は再び階段を登り始める。
そう言えば途中、誰にも出会わなかったな。
皆、家に閉じ籠っているんだろうか?
まぁこんな状況下で外に行こうなんてバカはそんなにいないだろ。
ラジオでもあれば情報を拾うことも出来るかもだしな。
そうこう考えている間に一階のエントランスにたどり着いた。
自動ドアも止まっていたが手で開いたので問題ない。
さて問題はここからだ。
ここから病院へは
まず左に出て300メートルくらい歩いて右折。
その先に通る国道を左に曲がって1キロほど行ったところにある。
付近にあるでかい病院の一つで一番近い。
十何階とかある新しい建物に最近建て替えて
緑化とかもしてるもんだからデカイ公園の中に建ってるようなシャレた病院だ。
普段なら歩きで20分、チャリで5、6分の近場なんだけどなぁ…
最大最強の問題が何食わぬ顔で横たわっている。
道がない。
いや、道はあるんだが今は俺の目の前目線より1メートルくらい上に天井と化していた。
詰んでないこれ?
いや、まったく考えてなかった。
建物の間とかヒョイヒョイ渡ればけっこう行けちゃうくらいの考えだった。
いやぁ~舐めてたわ世界。
隣の建物まで約10メートル。
助走つけても飛べないよな流石に。
そうだ!棒高跳び!
…棒がないよ…物干し竿じゃ心許ないし。
何より何処に突けばいいんだよ。
バカか俺!
むっ!ターザン的な移動で渡れば…
ないよそんなロープ。
ビニヒモじゃ心許なさすぎ
今や不動の天井と化してる地面にはなんの取っ掛かりもない。
考えろ考えろ。
どっかに道は…
ふと左を見るとうちのマンションの駐輪場が見えた。
マンションと外壁の間にトタン屋根で二棟作られている。
あれを使えば外壁までは行ける。
…その後は…まぁ行くだけ行ってみよう。
ルートチョイスを間違えたら即死亡。
なんかストレスパナイんだけど。
はげる。
一度マンションの一階廊下から行ける場所かどうか回りを観察し直してみよう。
慎重に慎重を重ねよう。
ここはもう俺が知る世界では無いのだから。
反則技はいくつか思いついたんですが
さて