71話 闇はどこまでも迫る
俺とロボが冷蔵庫を漁った結果
温いコーラ2本と魚肉ソーセージ、後パイナップルの缶を手にいれた。
ここの先住民のセンスがわからない。
パイナップルは冷凍庫から出てきたしな。
魚肉ソーセージをロボと分けあい、
温いコーラで流し込む。
ここらで一発コンビニでも行ってまともな食糧を仕入れないとみたいなことをロボと話した。
俺は好きになれなかったから一きれだけ食べたが
パイナップルの缶詰はロボがいたく気に入り
汁まで飲み干していた。
見てるこっちが胸焼けするわ。
そんなことをやっていると
植松さんがベランダから恐る恐るあらわれた。
黒のセーラー服だ。どこから引っ張り出してきたんだろ?
「あの…」
俺としては何も無かった。何も見なかったと言ってあげたいが
「見ました?」
そこから?
「見てないよ。」
嘘をついてみた。ホワイトライてやつだ。うん。
「見ましたよね…」
「見たよ。」
「あああああああ…」
なんか悶えてるな…
俺達的には聞きたいことが増えてもう軽くめんどくさいし行くかって気分ではある。
「大丈夫ちょとだから。ちょっと。」
これならどうだ?
「ホントですか?」
見られた事実は消せないから被害の程度を軽減したいんだな。
「ホントだよ。」
「よかった…」
良かったのか?
「夢で見た通りなら…お兄さんを殺して私も死ななきゃいけないところでした…」
重い!重いよこの娘!
?夢?
「夢って何?」
「いや、夢は夢で私の妄想とゆうかなんとゆうか…夢です。気にしないでください。」
一体何処から何処までが夢だと思ってるんだろう?
さて、昨日は一緒に行くかと誘ったけどどうするか?
トラブルの匂いしかしないんだけど。
「お兄さん。私いろいろ考えたんですけど
一緒に行きたいです。ここに独りでいるの
たぶん耐えられないです。」
もっと悩むかと思ったら答え出すの早かった。
(本当に連れて行くのか?)
ロボが小声で問いかけてきた。
(しかたない連れていこう。)
(色香に惑わされたわけじゃないのか?)
(違うよ。)
(…)
(違うから。)
一度ついたレッテルはなかなかはがせない。
行動で示すのだ行動で。
「植松さん、外は危ないけどいいんだね?」
「はい。」
その時向かいの家が轟音とともに半壊した。
「…あれくらいざらだけどいい?」
「…はい…」
さらに俺達のいるアパートに連続して何かが激突する音がする。
下で二発。この回で一回。
「一体、なんだ?!」
「ユウマ!逃げるぞ!」
「あの…なんで犬がしゃべってるんですか?」
「いまさら?!」
「今はほっとけ!下と隣だ!」
衝撃、破砕音と瓦礫、ホコリが舞い散り壁が壊され中から熊が現れた。
「熊!?」
熊はこちらを認識すると立ち上がった!
デカイ!熊ってこんなデカイの?
天井に頭めり込んでるぞ!
「いや、これでも小さい方だ。」
「マジかよ!」
「イヤァアアアアアアアアア!」
植松さんはしゃがみこんだ。
あぁもうこんな時に!
俺はしゃがみこんだ植松さんの腕をとると引きずるように
玄関から飛び出した。
熊は追いかけて来ているが床はもともと天井。
簡単にめり込んでしまい思うように進めないようだ。
とりあえず俺がここに来たルートで移動だ!
すぐ横の階段を登りマンホールの穴に植松さんを押し上げる。
次ぎは俺だ。
そう思ったときに部屋から熊が出てきた。
間に合わない?!
熊が床を踏み砕きながらこちらに向かってくる。
変わるしかないか!?
その時床から二本腕が突きだし熊の両足を掴んだ!
あの腕の体毛、それに模様…
瞬間、熊の足が燃えた!
足に火傷をおった熊はのたうちまわる。
このすきに!
俺はマンホールをかけ登った。
マズイマズイマズイマズイマズイマズイマズイマズイマズイッ!
あの力は虎…
マンホールを上がったところには植松さんがへたりこんでいた。
「走れ!死ぬぞ!」
俺に手を引かれ植松さんも走る。
今は逃げるしかない!
先続くトンネルは真っ暗な闇がたゆたっていた…
敵、敵、敵!




