59話 転機
愛した妻が幼女になっていたってのは人生で
トップ3にはいる衝撃だった。
いやぁ笑った。
さて、服も着ないで出てきてしまったが…よく考えれば女性二人のまえでずっと全裸だった。
背徳的だな。
楽しくなってしまったらどうしよう。
さて、まずはミナミちゃんの様子を見ようか。
上の階に行くとミナミちゃんが丁度紐から抜け出しているところだった。
千切っちゃった脚はまだだが折れた手足は概ね動いていた。結構結構。
ジジッジジジジジジジ
不満げな声を出して近寄ってきた。
見かけはあれだがミナミちゃんは仲間の中では理性が残ってる方なのだ。
「ごめんて。やり過ぎたよ。」
足の一本が横凪ぎに振るわれ僕の肩を叩く。
普通の人間なら大怪我だが僕にはたいしたダメージにはならない。
「昔の顔見知りでね。逃がしてやりたいんだよ。」
正直に話す。
仲間内では簡単なテレパシーが作用するので
よっぽど隠したいことや細かな情報以外は
伝わってしまうのだ。
シシシシギシシシシ
「大丈夫。心配してくれて嬉しいけどうまくやるよ。」
ジジッジッ
「ハハハハハっ!好きだねぇミナミちゃんも。
わかった。ショッピングモール行く予定だから。とってくるよ。」
彼女は甘党なのだ。
そうだ!
「ミナミちゃん、頼みがあるんだけど。」
私はミナミちゃんに頼みごとをすると
さらに上を目指した。
空に近い階はあんまりいないけど上20階くらいは僕らのメインの住みかだ。
部屋とかは特に無く休みたい場所でめいめい休んでいる。
挨拶をくれる奴らはもうほとんどいない。
皆、ロボットのように辺りを警戒したり休んだりしている。
一階のエントランスに立ち寄ると一番奥に一際大きな人影がいる。
いたいた。笹木さん。
「笹木さん。」
「どうした田辺。」
あんまり近寄るといろいろ伝わるからこの距離は開けたいな。
「ちょっと買い物行ってくるよ。何かいるものある。」
「ワイン。」
「ワインは割れてないやつ少ないんだけどなぁ」
「無ければウイスキー」
「ビンばかりじゃないか?」
「噛みごたえが好きなんだよ。」
「悪食だなぁ…」
笹木さんの変身体は髪切り虫とクワガタの混ざったような形。
見るからに武闘派だが面倒見のいい優しい人だ。
「じゃあ行ってくるよ」
「今は警戒中だから一応気をつけろよ。」
「わかったよ。」
俺は飛び立った。
長距離は跳べない。ジャンプの補助に近い。
一応地面も壁も張り付けるけど見た目が嫌なのだ。
跳ぶのも女性陣には受けが悪いがお互い様だろう。
僕はほどなくショッピングモールについた。
目当てはスポーツショップ。あそこならボートくらいあるだろう。
スポーツショップは三階。
一気に飛び降りた。そこにはネズミやら動物の死体が転がっていた。
うちのやつらと一戦やらかしたのかな?
スポーツショップにはいりゴムボートを探しながらふと窓の外を見た。
おい…どうゆうことだよ?
俺のマンションが燃えていた。
ちょっと転がしにかかります。




