33話 私が欲しいもの
真っ暗な世界に声だけが響く。
やぁ。
「誰だ?」
誰でもないさ
「なめてんのか?」
私と君がこうして問いを投げ合っても
禅問答にかなならない。
「禅問答?」
答えが無いって意味でとらえてくれていいよ。
それより困ってるんじゃないか?
「別に」
そう?随分ズタボロなんじゃないか?
「…」
そろそろ死ぬよ。
「別にかまわない。」
死んだら無だよ。すべて0になるんだよ。
「よくわからん。」
0ってのはマイナスでさえない。
虚無だ。何処にも行けない。何者にもなれない。
「話の趣旨がわからないんだが」
じゃあこう聞こう。お母さんや、父親に会いたくないの?
「はっ!馬鹿かお前?もうそんな年じゃねぇよ。心配したりムカつくこととかあるけど、それは生きる目的とは違わないか?」
それは少しわかる。
じゃあ彼女達はどうするの?
「彼女達?」
今、必死で生きようとしている彼女達は?
「おい!」
何かな?
「それはズルくないか?」
そう、的確な君の弱みだと思うけど。
「そうゆうことじゃない。」
生きる目的足り得ない?
「違う。」
大切じゃない?
「違う。」
君が命をかけるに値しない?
「違う。」
めんどくさいな君は
「ズルくないか?彼女達を生きる目標にするの?」
めんどくさいよ君は
「力を貸してくれ」
嫌だ。
「おい!」
私も君と同じでめんどくさいんだよ。
「助けてくれ」
嫌だ。
「なんでもする」
嫌だ
「なんでも差し出す」
嫌だ。
「お前が必要なんだよ。」
わかった。
「どうすりゃいい?」
何もいらない。
「はぁ?」
今度珈琲でも飲みながらまた話そう。
「そんなんでいいのか?」
私が聞きたかった言葉は聞けた。
「…」
少しだけ手を貸そう。
苦情は聞かないから。
「おい!何する気だ!おい!」
暗闇がふわりと揺らぎ大きな獣の姿に歪み
砕けた。
見返りっていります?




