LHR(ロング・ホーム・ルーム)
「明菜ちゅわーん!」
「秋蘭ちゅわーん!」
翌日の授業開始二十分前、いつものように大きな声が廊下中に響きました。
「こらー秋蘭待たんかーい」
続いて笹城美稀の声が聞こえました。
「いつもご苦労様」
続いて山内禾の声が聞こえた気がしました。
「相変わらず元気やなぁ」
五組の教室で机に頬杖を突きながら、春日浦みちるが言いました。
「元気が一番ですよ」
みちるの後ろで、黒崎桃が言いました。
「まあ限度があるが」
桃の隣で、神ノ崎かおるが本から目を逸らさずに言いました。
「それにしてもピーチちゃん!台本を覆すほどのアドリブとは大胆だね!」
みちるの隣で拍手をしているのは、翠園若の貴公子、在寺院隆也です。
「い、いやぁ大胆だなんて」
桃は後ろ髪をいじりながらどぎまぎしています。
「劇の中でリアルな告白をかましてくるとは。桃、おぬしも悪よのぉ」
「悪でも越後屋でもないが」
悪代官の表情さながらで言い寄ってくるみちるを、かおるが制します。
「皆さんが背中を押してくれたからです。本当に感謝しています」
桃はぺこっとお辞儀をしました。
「こらー!在寺院、またお前か!早く自分のクラスに戻りなさい!!!」
桃がお辞儀をすると同時に、五組の担任諸星統の怒号が教室に響きました。
「え、先生、まだ始業ベル鳴ってませんよ」
隆也が目を丸くして諸星の方に顔を向けます。諸星は教壇にたどり着き、持っていた出席簿を荒々しく机に叩きつけました。
「知らん知らん!先生は大事なことを連絡しなければならんのだ!クラス全員に伝えるべきだが、女が怖いのでもう今言っちゃう!みんな集まってないけど言っちゃうもんねー!」
一気にまくし立てると、諸星は白のチョークを手に取り、何やら黒板に書き始めました。
「『六神、転校』!!わかるか!?六神は転校したんだ、もうこの学院にはいない、今日の朝には海外に飛んでうわぁぁぁー……」
哀れ、諸星は鬼気とした女子生徒の集団に群がられてしまいました。
「お前いつも連絡遅ぇんだよ!」「だってだって今朝知ったんだもん!」「本当は昨日から知ってたんだろーがよ!」「知らない知らないそれでも先生は知らない!」「あぁ?こいつ連行しよーぜ」「だめ!今チューキしてるんだから!チューキしてるときは手出しちゃだめな」「ぶつぶつぶつぶつうっせぇんだよこのタコ!」「た……た……」
タコブツ~――か細い声を残して、諸星先生はどこかに連れ去られてしまいました。
一通りのどんちゃん騒ぎが終わったあと、みちるは桃を振り向きました。
かおるも、ちらっと本から目線を上げて、一瞬桃を伺いました。
桃は、どこか晴れやかな顔をして、諸星が黒板に書き残した文字を見つめていました。
「別れの挨拶も無したぁ水臭いねぇ~」
隆也が両手を上げて、首を振りながら言いました。
「そうですね」
桃がそう言って微笑みました。
誰かのように、首をひょこっと傾げたりして微笑みました。
私は美女ではないけれど、恋した誰かは、美女で野獣。
遠藤
お…終わった…(゜д゜)
ひいず「それを言うなら、無理やり”終わらせた”よね~」
禾はそう言って、一口紅茶をすすりましたってひどいよひいずちゃん!これでも必死で考えてるんだよ!
あきら「じゃあ私の服の描写をもう少しがんばってください」
うん、それを言われたらもう、何も言えなくて、夏。
翠園若シリーズ2作目、『美女で野獣の恋物語』を最後まで読んでくださった画面の向こうのあなた様、本当にありがとうございました。こんなにしょーもないギャグと稚拙な文章にお付き合いいただき、キャラ共々非常に喜んでおります。
みちる「ギャグとも気付かんギャグはこいつに言わされてるだけやけどな」
ね!ひどいでしょ!実はこれ作者最弱チートの後書きなんですよねーもうやだ早く本文行きたい。
はるな「と!言う訳で、なんやかんや言うとりますが、第1作目の『幼なじんでマイ・メモリー☆』の方もよろしくお願い申し上げます~♪」
みき「哀れな作者に慰み・励まし・お叱りの言葉をかけてくださる人がいれば、あいつも救われると思います」
うん!みんな仕切るよねー!仕切っちゃうよねー!
かおる「完」
セリフより名前の文字数の方が多いよかおるちゃん!




