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9 わんこ書記くんと知り合いになりました。


 さて、ゲーム内生活、3日目の朝。 いつもより早く起床。


 現在、5時半。


 早くね? いつも7時に起きている私がこの時間。


 ゲーム製作が修羅場だと7時起きはあり得ないが、他の日は仕事場が近いのでわりかし遅めだ。


 さて、時間がもったいないので考え事でもしようか。



 そう言えば、何故閉じ込められたのだろう?


 このゲーム機は精神を……と言うか、心を司る脳を閉じ込める。

 だから現実の私の体は意識がない。よく考えたら危険過ぎる。


 早く帰らないとそれこそ死亡フラグじゃないか。



 ……もしかして、閉じ込めた犯人は私を殺したいのか?



 ……ちょ……怖っ。考えるの止めよう。


 おそらく来る前と変わらずベッドで眠っているであろう私に、犯人がナイフを振り上げるのを想像して身震いがした。


 この世界で精神が死ぬのと同じ位に、一大事だ。怖すぎる早く帰ろう。


 そんな決意を新たにしているとテルカちゃんがもぞもぞと動きだした。


 起きたかな?



テ「う……ん……? あれ? 誰? ……あ、……ユウ……ちゃん?」



 もぞりと起きて、私を見たテルカちゃんは一瞬私が誰だか分からなかったようだ、今まで一人部屋だったもんね。人いたらそりゃちょっとビビるわ。



ユ「はい、ユウちゃんですよ、テルカちゃん。おはようございます」


 自分でユウちゃんとか言ってしまった。冗談で言ってるけど少し恥ずかしい。


 まぁテルカちゃんにだし、まだ平気だけど。攻略キャラに言ったらとか考えたくもない。


 性格がネジ曲がった奴――もといS属性な攻略キャラが多いから、きっとからかわれる。考えるよりも先に口が滑る私の事だから、可能性ありだ。どうにかしよう。


テ「うん、おはよう。……ユウちゃん」


 おっと、嬉しそうだ。


 テルカちゃんが頬を染めて微笑んでくれる。


 きっとルートメイトが出来たのを実感できて、嬉しいんだろうな。友達が増える事に喜びを感じるような子だから、ルートメイトというものに憧れを抱いてたんだろう。


 可愛い子で何よりだ。



 さて、テルカちゃんが可愛いという事を実感した所で、まだ時間は早いがそろそろ食堂に行こうかな?


 いつの間にかもう15分過ぎていた。


 食堂は6時開きなので着替えたりしてたら良い頃合いだろう。


ユ「もうそろそろ食堂に行きますけどテルカちゃんはどうしますか?」


テ「一緒に行く!」


 即答。室内犬みたいで可愛いなぁ。


 正直なところ犬より猫派だったけど確かに犬も可愛いなと、思い始めるぐらいに可愛い。可愛いは本当、正義だと思う。



 さて、用意をしちゃいましょう。






――――


テ「でね、またハンバーグもすっごく美味しいの」



 まだまだ薄暗い時間帯、食堂に続く廊下の途中で、テルカちゃんは食堂のご飯の美味しさについて語ってくれている。


 肉汁がぶわぁーとか、旨味と香辛料の絶妙なマッチとか聞かされ。



 ……グー。


 当然、お腹が鳴る。食事前だからか、より美味しそうに感じられる。


ユ「昨日の夕飯も美味しかったですし、楽しみです」


 昨日の夕飯は魚のカルパッチョだった、美味しかったなぁ。



テ「だよね! しかも朝ごはんはバイキング形式なんだよ〜、お腹一杯食べられるんだよ、うれしいね〜」




「うん! 甘いものも沢山食べられるしね!」←



テ「そうそう、甘いものもいいんだよね。チョコレートケーキとか美味しすぎて生きるのが楽しい」


ユ「ちょっと待って」


テ「ん? どうしたのユウちゃん?」


 テルカちゃんはまた嬉しげに語りだすが、今度は止める。



 変なの混じってた。



ユ「えっと、さりげなく会話に入り込んでいるあなたは誰ですか?」


 後ろを振り向く。

 あれ、白いYシャツしか見えない。



ケイト「あ、ボクの事? ボクはケイトだよ、よろしくね」


 かなり上から声が降ってきた、その声がした位置に視点をずらすと


緑色の髪、可愛いタレ目と泣きボクロ、そして無駄に高い身長。


 会話に入り込んできた人は攻略キャラのケイトくんだった。


 ケイトくんは天然で甘党の書記くんだ。


 ゲームだと癒し担当みたいになっていて主人公にお菓子で餌付けされている様子から、わんことか犬と呼ばれていた。


 テルカちゃんが室内犬だとするとケイトくんは大型犬だろうか?


 でかいし。……194センチだったけな。無駄にありすぎだな、この高さ。



 しかし、タレ目と泣きボクロにより、圧迫感はあるが、可愛く感じられる。顔が良いってのはこういう時、本当得だな。




 ここまで聞くとケイトくんルートは危険が無そうに思うだろう。



 しかし、無惨にも期待を裏切る。


 ケイトくんは狼男さんだ。

 そう、あだ名の通り、わんこだ。狼男さんは満月が出ると狂う、出てなくてもたまに狂う。


 そして何故か狼男の一族の中でもケイトくんだけ、狂うと好きな子を襲うのだ。野獣系だね。


 この野獣書記ケイトくんもエロス保険医ディノスと同じように貞操の危機を感じる。



ケ「で、ブラックチョコレートちゃんの名前は?」


 野獣書記くんは気に入った人にはお菓子の名前のあだ名を付ける癖がある。


 よくわからないが気に入られたみたいだ。主人公補正すげぇな。


 それにしてもブラックは余計だと思うのだが、ゲーム時は普通にチョコちゃんだったのにな。



ユ「それって、聞く必要ありますか?」



 あだ名つけたのなら名前は知らなくても呼ぶのに困らないんじゃないか? という意味の牽制だ。


 名前はあまり知られたくないんだよな。


 この人はなついた人の所へ度々出現する。


 その時名前を呼ばれるか、あだ名で呼ばれるかでファンの人達の妬み度が大幅に違うのだ。ケイトくんは気に入った人の所にしか寄り付かないのに、何で名前呼びなの!? ってな感じで。



ケ「あー、そうだね。"ブラック"チョコちゃん」



 皮肉を込められた気がする。


テ「そうだ、ケイトさんもご飯一緒に食べに行きましょう?」

ケ「綿菓子ちゃん達がいいなら大歓迎だよ〜」



 お? テルカちゃんは知り合いなのか?


 まぁ、二人とも甘党でわんこっぽいし気が合うのかな。あまり深入りはオススメ出来ないが。


テ「いいよね? ユウちゃん」

ユ「はい、(どうでも)いいですよ」


 まだ朝早いし、食堂に生徒は居ないだろうから一緒にいたとしても多分平気。


 (どうでも)は私的な本心だ。テルカちゃんが居たら関係ないかな。



ケ「……ありがとう。今日はきっとプリンだから楽しみだよ〜」


 何故、今日のデザートを知っているんだ?



テ「ケイトさんは鼻がいいんだってさ、ユウちゃん」



 あぁ、わんこだからか。すごい納得。


ユ「すごいですね。とりあえず行きましょう」



 仲間に緑髪のわんこを追加した私達は、またご飯とデザートの話をしながら歩き出した。




遅れなかったので、予定通りに更新出来ました


しばらくの間、新キャララッシュが続くので分かりづらいなとか思いましたら知らせて下さい、名前と簡単なキャラ紹介を作ります



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