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【天賦拝命】アーツブローカーの苦節  作者: 中折れ青二才
ep0《神銀の剣・喪失編》
22/26

襲撃発生

◆◇◆◇◆


「…」


 ひとつの服を編み上げ、手を伸ばして全体を確認する。麻の服を隠す様に一枚布の被り物───外套を縫い終えた。戦闘時には放り出せる。着直すのも簡単な代物だ


「細かい手直しは後ででいいか」


 新しく服を縫うのは久しい、専ら依頼を出すか、手直しが主だったため、できたものを見た時、懐かしさが込み上げてきた


◆◇◆◇◆


 服を縫い終え部屋を後にする。小腹が空き、外套を布団の上に置いてドアノブを捻り、廊下へと出る


「…」


『直感』より

 食事をするために階段を降りていく道すがら僅かな違和感を覚え、階段を降りる足を止めた。あまりにも静か過ぎるんだ


「…」


 この時間なら宿泊客や食事のためにやってくる人で賑わっている一階だが今日に限っては例外だった


『探索』『目利き』より

 がらんとした酒の席、熱どころか匂いすらしない台所、それとは対照的に汚れが残っている卓の下、恐らく朝、下手をすれば昨日の夜から使われていない可能性が高いのが分かった


「…」


 何故こんなことが起こっているのか心当たりがなくはないが一先ず上階へと戻る。何をするにも装備の多くを自室に置いているからだ


 上階へと向かう途中、耳に届くのは《金属の衝突音》だった。本来なら気にはならないが、それが一斉に、それも全部屋から起きているとなれば話は別だ


「はぁ…」


 宿屋の者もグルになっての追い込み漁。よしんば宿屋の者が脅されての明け渡しとしたなら、首謀者は


「奴隷商か特権階級だな」


『状況整理』より

 奴隷商、最も最新の因縁持ち。契約証明書発行の際法外な値段と説得による妨害を行なってきた。あまりに露骨なため、最早裏があるとしか考えられない


 特権階級、アルトラの件といい《神銀の剣》と最も深く、面倒くさい因縁を持っている。良くも悪くも時代の波風はここから始まると言って差し支えない


「大方、シズク絡みだろうかな」


『法制』『予知』『予感』より

 がしかしだ。俺達《神銀の剣》に対する因縁ではない。それというのもこの手の《強引な手口》は若い衆のやり口だ。俺達に因縁をつけるご老体どもはここまで表立った《目立つ》ことは基本しない。ことが不利に運ぶからだ


 揉み消せるだけの体力と資金の捻出と実行の速さ───奴隷商とその頭目だろう


「さてねぇ」


 俺を含め3人を無傷でこの盤面を切り抜けるとなれば、ちと骨が折れたろうが幸か不幸か、シズクもエリアも今は教会に居る。第三者として中立を通してくれるだろう。良くも悪くも沈黙を保ってくれる───同時にこの事態を打開するには俺が動くことが必須となった


◆◇◆◇◆


 俺の居た部屋の廊下までやってきた。数にして平均3人が扉の前で俺が通るのを待って居るのが分かる。素手しかない状況を早めに打開したいので───『正面突破』だ


 俺は踏み込み『移動術』で床の軋みを最小限に部屋へと向かう


『気配察知』での扉の向こう側では未だ動きは感じられない。着地と同時が勝負どころだ


◆◇◆◇◆


 夜の廊下、窓から差仕込む月明かりの中、俺の足が廊下の床を軋ませた

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