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ああ、課金してぇーー!!!~課金できないから現代ダンジョンでレベルを上げる~  作者: 甘井雨玉
蛇足

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第3話


「だ、騙されないぞ! デタラメ言ってるんだろ!」


 大樹が有り得ないと首を振って、否定し始めた。

 確かにそう思うのも無理はない。けど――


「うん、蒼汰は嘘ついてないね」


 嘘を言ってるかは、付き合いが長くて、この場で冷静でいる彰人なら分かるだろう。


「そ、そうか、彰人の事言ってるんだろ! 残念だったな。こいつがとっくの昔に童貞を失ってることなんて、オレ達全員知ってるし納得してるんだよチクショウ!!」


 エロ――ギャルゲにしか興味ない彰人だけど、女の子は滅茶苦茶寄って来るからね。


「いや、違う違う。彰人以外で4人、童貞じゃないのがいるんだよ」

「なん、だと……! で、デタラメだ。ガチャしか興味がないお前が他人の性事情なんて知ってるはずがない!」


 確かにそうなんだけど、僕には悲しいことに身についてしまった特技があるのだ。


「実はね大樹。【魔王】との戦いで色々あって、僕は匂いでその人の性体験の有無が分かるようになっちゃったんだよ……」


 そう。あの【魔王】との戦いの際、〖朱縁金の盃〗でエバノラ達との繋がりが強化された結果、魔女の力を一部行使できるようになってしまったのだ。


 でもなんでよりにもよって使える魔女の力が、性体験の有無が分かる能力なんだ。あっても無くてもどうでもいい能力すぎる。

 今回はたまたま大樹達を仲違いさせるのに使えるけど、せいぜい今回限りでしか使えないだろうなぁ。


「そんなバカな能力有り得ない……」


 それは僕が声を大にして言いたいことだよ。


「し、信じな――」

「田畑君」

「なっ!?」


 近くにいた日焼けしてちょっと色黒な肌の田畑君がビクリとし、驚愕の表情で僕を見下ろしてきた。


「お、お前が裏切者か!?」

「ち、違う! 俺はまだ――」

「5人」


 僕がボソリとそう言うと、田畑君は大きく体を震わせていた。


「残念ながら人数もある程度分かっちゃうんだよね。さすがに5人もの女性と関係を持ったことあるのに、僕を責めるのはどうよ?」


 これが4人いる中で真っ先に彼をやり玉に挙げた理由だ。

 1人だけならともかく、すでに複数の人と関係を持ったことあるのに、大樹達と一緒に僕を処刑しようとするのは間違いでしょ。

 ちなみに彰人に関しては人数が多すぎて、とてもじゃないけど人数なんて分からないレベルになってしまっている。


「「「田畑!!」」」

「ま、待て――」

「捕まえろ!!」

「うわああああっ!」


 慌てて逃げようとする田畑君に対し、大樹の号令で何人もの男達が押し寄せていく。

 彼にとって不幸なのは教室の扉から遠かったことだろうか。


 なんとか教室を脱出しようとしたものの、多勢に無勢で追いつめられ、あっという間に捕まっていた。


「「「殺せ、殺せ、殺せ!!」」」

「お、俺はハーレムなんて作ってないのに……」


 僕同様、椅子に縛られ身動きできなくなった田畑君が、絶望の表情を浮かべていた。

 仲間だね僕たち。


「予定外の罪人が増えたがやることは変わらねえ。オレ達はこいつらを――」

「あと3人」

「っ!?」


 僕がボソッとそう告げると、この空き教室にいる彰人と田畑君以外のクラスメイト達の間の空気が変わった。


 そう。田畑君のことが事実だと確信した今、まだ裏切者は3人いるという事実が彼らを硬直させる。


 実はすでに卒業済みだというのに、我が物顔で自分は君達の味方だと、まだ在学中だという顔をしてこの場にいる人狼(裏切者)が存在するのだ。

 善良なる村人(童貞)としては狩らずにはいられないだろう。


「おい、お前か?」

「そんな訳あるか! 女子と話そうとすると思わずきょどっちまう俺が、裏切者なはずないだろ!」

「確かお前、仲の良い幼なじみが別の学校にいるって……」

「その子は前、他の男と仲睦まじく手を繋いで歩いてたよ……。僕が()先に()好きだったのに()……」

「一体誰が裏切者なんだ!」


 中々のカオス。

 BSS食らってる者の告白に、ウッと胸を押さえる者達がいて隙だらけだ。今なら逃げ出せそうかな?


「落ち着けお前ら!」


 大樹の一喝で、全員が静まり返ってしまった。くっ、逃げそびれたか。


「今までオレ達にバレずにいた裏切者がそう簡単に分かる訳ねえ。だから分かってるやつに聞けばいいんだよ」

「「「確かに」」」


 そう言って全員が僕を見下ろし始めた。

 その内3人が止めてくれと言わんばかりの目をしている。


「おい、蒼汰。他の3人は誰だ?」


 さて、どうしようか?

 沈黙を貫いたり、デタラメな情報を開示するという手もあるけど、ここはやはり――


「大森君、竹田君、佐鳥君だよ」


 真実を告げ、混乱を生み出して逃げるチャンスを創るに限る。


 僕が告げた瞬間、3人はダッシュで教室の外を目指した。


「捕まえろ!」

「「「この裏切者共が!!」」」

「「「やべぇ!?」」」


 ざまぁ(笑)

 自分の事を棚上げして僕を責めるからそうなるんだ。

 せめてこの処刑に参加していなければ、追いかけられるハメにならなかったのにね。


 さて、僕は逃げるか。


『がちゃ~』


似ても似つかぬ(ディフォームド)影法師(セルフ)〕を出して操り、こっそり縄を切って警戒が完全に無くなった僕は空き教室を脱出――


「あ、蒼汰のやつが逃げやがった!」


 したけれど、すぐに見つかり追いかけられるハメになってしまった。


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― 新着の感想 ―
女性に使用したら場面が凍る能力だなぁ、ぜひとも。(ぜひともじゃない) 面白いです、日常系好きです。
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