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航空機搭載潜水艦伊400最後の出撃  作者: 飛龍 信濃
オーストラリア通商破壊作戦
18/112

第17話航空隊出撃③

偵察ペアシリーズ最後です。

「無事に帰れるといいですね。」

言ったのは、江草飛行兵曹である。

大井上等飛行兵曹と江草飛行兵曹ペアの機は一番艦の進行方向左側を飛んでいる。

即ち一番クック諸島寄りを飛んでいるのだ。

「ああちょと危険だが大丈夫だろう。」

「まあ敵も油断してますよ。きっと。」

「そうであることを祈りたいがっと、敵機発見!」

いきなり、大井上等飛行兵曹が叫んだ。

「何処ですかっ!」

「右下方距離10000!」

「見えました。」

発見されたのは、哨戒飛行をしていたカタリナ飛行艇であった。

「どうしますか?」

「ああ、攻撃してもいいが、いかんせん13ミリ旋回機銃だけだからな。」

晴嵐に前方に発射出来る機銃は搭載されていないのだ。だから、この絶好のチャンスでも、攻撃できないのである。例えしたとしても、落とすまでに打電されてしうだろう。それでは、ここまで来た意味が無くなってしまうのである。

「よし隠れるぞ。」

そう言って、機を6000まで上昇させた。

カタリナ飛行艇は高度2000を飛んでいるので、4000の高度差が生まれるのである。

そのくらい離れていれば、戦線の渦中にない限り、分からないだろう。

今戦線は、沖縄にまで離れており、カタリナ飛行艇の乗員に、緊張感というものがなかった。

恐らく、沖縄やレイテ、マリアナ方面なら、確実に発見、撃墜されるだろう。

皮肉にも、戦線が本土に迫っているため、本土から離れている方が、安全という戦時には考えられない状況になっていたのだ。

だからと言って、安心していいわけではない。

現に遭遇したカタリナ飛行艇のように、哨戒飛行している機が有るからである。

「雲があれば最高なんですよね?」

江草飛行兵曹が聞いた。

「ああ雲に入れば、電探じゃない限り発見されないからな。」

「なるほど。」

江草飛行兵曹彼は、今年、搭乗員になったばかりの新米であった。

しかし、大井上等飛行兵曹がベテラン搭乗員であるため、江草飛行兵曹に飛行のイロハを教えながら飛ぶことが、日常的な光景になったいた。

もし、パイロットまで新米だったなら、恐らく単独で飛行したなら機位を見失い、燃料切れで墜落してしまうだろう。

しかし、大井上等飛行兵曹はもともと戦闘機乗りであり、自分でも、機位を出すことができた。

その為、特に問題は無かった。

「でも、クック諸島に近ずいたんですから、高度を下げたほうがいいんじゃないですか?」

「いや、そしたらさっきのカタリナに発見されるだろう。だったらそのままいかにも見方です。て飛べば、例え電探に探知されても大丈夫だろう。」

「でも帰るときは、反転しなきゃいけないんですよ?それでばれるんじゃ・・」

「それはそうだな。よしっカタリナと逆に変針して、高度を100に下げるぞ。」

「了解。」

晴嵐には電波式高度計が、気圧式高度計と一緒に付けられており、より正確な数値が出るようになっている。

それでも、ちょっと下手に気を抜けば海面に接触、墜落してもおかしくもない高度である。

「よしこれで、敵の目を撒けるぞ。」

「そうですね。」

気は左に旋回しながら、高度を100に降下させていった。


「なんか映ったか?」

「多分カタリナだろ。」

「ですね。あー退屈だな。」

「なんかして暇つぶしでもするか?」

「じゃあ、ブラックジャックでもするか?」

「ルール知らんから、他のが良いな。」

「神経衰弱にするか?」

「そうしよう!」

そして2人のスコープ員は神経衰弱を始め、スコープから目を離した。

因みにこの2人は、サボりの常習犯であった。

だから今日も、遊び始めたのである。

そして目をスコープから話した後、10分ほど晴嵐が完全に写り込んでいたが、2人は神経衰弱に夢中で、気づかなかった。

そして目線を戻した時には、低空飛行に移っており、スコープ上から消えた後だった。


「それにしても、敵さん気を抜いてますね。」

「それほど平和って事だろ。」

「だったら、僕等は平和に漬け込む悪魔ってとこですか?」

「そうなるな。でも気にする必要はない。」

「まあ、戦争してる時に気を抜く方が、悪いですもんね。」

そう今は、戦時中であり、平時ではないのだから攻撃をしても、避難されるいわれは無く、むしろ気を抜いていた方が、避難されるべきだろう。

「全く、もう安心とでも思ってるんだろうな。何せ、沖縄で決戦中なんだから、こんな所に来るとは思わないだろうな。」

「そうですね。あのドーリットル空襲の立場を逆にした形ですね。」

ドーリットル空襲とは、ハルゼー長官率いる空母ホーネット、エンタープライズの2隻を中心とした、機動部隊が東京に接近、ホーネットからB25爆撃機16機が出撃、東京を始めとする大都市を空襲したものである。

被害は、大したことなかったが、もし皇居に爆弾が命中していたら、ということや昼に堂々と首都が爆撃されたというショックから、第一機動部隊の命運を決めた、ミッドウェー作戦が、実行に移されるきっかけになった。

「だが、爆撃する訳じゃないからな。そこの所ちゃんと分かってるのか?」

「分かってますから、安心してください。」

「でもなあ。まだ、貴様の言う機位は信用できないんだよなあ。」

「すいません。そろそろ折り返しましょう。」

「よし帰るぞ。」

「はいっ。」

そして機は、反転していった。

第17話完


どうでしたか?

次回は収容の予定です

今日3話目書き終わりました

そっちは明日の朝投稿します

感想待ってます

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