↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
航空機搭載潜水艦伊400最後の出撃  作者: 飛龍 信濃
オーストラリア通商破壊作戦
PR
17/112

第16話航空隊出撃②

今回は鳥野上等飛行兵曹と中瀬飛行兵曹ペアの話です

「さっきの敵機結局、勘違いしたまま行きましたね。」

「ああ、だが吉川飛行兵曹、次も勘違いしてくれるとは限らないからな。気を抜くなよ。」

生野中尉機は、敵機と遭遇したものの、敵機の勘違いと生野中尉な機転によって発見されてなかった。

「分かってますよ。自分もこんなところで死にたくないですしね。」


鳥野上等飛行兵曹と中瀬飛行兵曹のペアの機も順調に飛行していた。

「やっぱ敵も油断してるかな?」

鳥野上等飛行兵曹が言った。

「ええ、全く見えませんね。」

実は、彼らの機は、うまい具合に索敵機が、帰還した後を飛行していたのだ。

今は、午後2時30分。

出撃してから、30分が経っておりだいたい哨戒線の半分を飛行したことになる。

「だが油断は禁物だ。」

鳥野上等飛行兵曹が自信を戒めるために行った。」

「まあそうですが、如何したんですか?」

いつもと雰囲気が違うのに気づき、聞いた。

「前基地で一緒だった奴が居たんだが、そいつがな、もう敵は居ないだろう、と言って出撃していったんだが、それきり帰ってこなかったんだ。」

上等飛行兵曹の独白を聞いた中瀬飛行兵曹は悲しげに

「こんな事があったんですね。」

と言った。

「だから、油断がこういう時には大敵なんだ。因みにこいつが乗ってた機体は、彩雲だったんだ。」

彩雲だった。と聞いて、彼がかなりびっくりしたように言った。

「彩雲で落とされたんですか?!」

「ああ、不意を打たれたのかそれとも・・・」

ここで出てきた彩雲とは、公試時に焼く640キロの俊足を出したことで知られ、また、「我に追いつくグラマンなし」という電文で有名になった機体である。

グラマンとは、F6Fヘルキャットの事でありその最高速度は、612キロであった。

その為、彩雲の方が、優速であった。

彩雲は高速艦偵として計画設計され、2000馬力級の誉発動機を搭載していた。しかし誉の品質もしくは、整備員の質が良ければ、性能を出せた。

しかし2000馬力級としては小型軽量のため、サイズが小さく、ギリギリの設計であった。

更に、陸軍の徴兵により熟練工が徴兵され、学徒や女学生などが製造した結果、額面割れの性能しか出せないものや、そもそも動かないものが生産されていった。

悪いことは続きもにである。なんとその誉を日本陸海軍は、完成する以前から高性能に目を惹かれ、軒並み開発中の、新鋭機の発動機としていたのだった。

即ち、海軍では「紫電」「紫電改」「烈風」「流星」「銀河」「彩雲」であり陸軍では「4式戦闘機疾風」があった。その為、新鋭機の誉発動機を搭載した全機種がひとしく、誉発動機に悩まされる事になってしまった。

「烈風」は未採用。

即ち、稼働率の低下であった。その為、それら新鋭機は、確かに活躍はしたが、発動機がもっと整備製造し易いものであったなら、もっと活躍したと思われる。

そうした負の側面が有ったものの、きちんと整備された誉を搭載した機は、額面以上の性能を出したこともあったという。

だから、全てが誉の細かすぎる設計によるものでは無いのだ。

そしてその絶好調の誉を載せた彩雲でも、逃げ切れない機体があった。

即ち、アメリカ陸軍のP38ライトニング、P47サンダーボルト、P51ムスタングそして、アメリカ海軍のF4Uコルセアである。

それらの機体は、高速による一撃離脱が主な戦法であり、またその重兵装に寄って、大暴れしていたのである。

P47に至っては、12、7ミリ機銃8門であり、全備重量は、一式陸攻のそれと同等のものがあった。

「恐らくアメリカの陸軍機にやられたんだろうな。」

「でも陸軍は海上を飛べないんじゃ?」

彼の疑問は、最もである。

日本軍では、陸軍機の搭乗員に海上航法を教えないため、大型機などの例外を除き、海上を飛ぶことはできないのであった。

「我が軍を基準に考えるんじゃない。山本長官が、ブーゲンビル島上空で落とされた時の敵機は、P38だったじゃないか。」

これは、海軍甲事件と呼ばれている。

簡単に言えば、前線視察に山本長官が向かうという電文を、アメリカ群が解読、待ち伏せしたという事である。

この時、その機に山本長官が座乗していることを知っているものはいなかったという。

「それは、海上航法の訓練を受けた、専門の部隊がやったと思っていましたが?」

「違うアメリカ軍の飛行機乗りならみんな出来ることだ。」

「ただでさえ、戦力で負けているのに、陸軍も海上航法が出来ると、どんどん差が開いてしまいますね。」

これは由々しき問題であった。

今中瀬飛行兵曹が言ったように、ただでさえ戦力面で不利なのに、陸軍機が本土にB29の護衛として飛来していたのである。

それでどうしてB29の撃墜に専念できるだろうか、ほとんどの機は、護衛のP51ムスタングとの戦闘に巻き込まれ、満足な迎撃を行うことができなかったのである。

「ああ、もう皇国は持たない。」

鳥野上等飛行兵曹が言った。

皇国は負ける。それが偽ざる思いであった。

第16話完


一応あってるはずだけど誉の話とか航法訓練の話が多くなりました。

まあいっか

通算アクセス件数が3491件になりました

でもリアルタイムで読んでる人じゃないと意味ないな・・・

感想待ってます

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。