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個人的にはここから第二話
……翌日の学校。
「おはよう、まおちん」
いつも通り、魔緒に挨拶する仁奈。
「……相変わらずだな」
それに対し、ごく平凡な感想を述べる魔緒。
「……」
「……」
そして、二人とも黙ってしまった。
「……」
「……」
暫しの沈黙。この二人、チャイムが鳴るまでこうしているつもりだろうか。
「……ねえ」
「……何だよ?」
と思ったら、会話が再開していた。
「ほんとに、まおちん?」
「意味が分からんぞ」
不安げな仁奈の問いに、呆れ顔で呟く魔緒。まあ、無理もないだろうが。
「ほんとに、まおちんなの?」
それを受けて、再び問い直した仁奈。殆ど変わっていないが。
「何当たり前のこと言ってんだ?」
「ううん、何でもない」
仁奈はそう言うと、自分の席へ戻った。
「……まあ、言いたいことも分かるけどな」
魔緒も、自分の席へ着いた。