前へ目次 次へ 23/42 実は上も塞いであります ◇ 「……ねえ、もうやめない?」 「……そうね」 数分後。息を切らせる仁奈と七海。いい加減、口喧嘩も疲れたのだろう。 「てか、こんなことしてても何にもならないし」 「それはそうだけど……」 二人は、自分たちを囲む壁を見上げた。と言っても、見上げるほど高くないが。高さはせいぜい、二メートルといった所か。 「どうするの? この壁」 「どうするって言ったって……、どうしろって言うの?」 「そうだよね」 結局二人は成す術もなく、壁に囚われたままなのであった。