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実は上も塞いであります

  ◇


「……ねえ、もうやめない?」

「……そうね」

 数分後。息を切らせる仁奈と七海。いい加減、口喧嘩も疲れたのだろう。

「てか、こんなことしてても何にもならないし」

「それはそうだけど……」

 二人は、自分たちを囲む壁を見上げた。と言っても、見上げるほど高くないが。高さはせいぜい、二メートルといった所か。

「どうするの? この壁」

「どうするって言ったって……、どうしろって言うの?」

「そうだよね」

 結局二人は成す術もなく、壁に囚われたままなのであった。

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