聞いてないんですけど
今日も、いつも通りに起きて、いつも通りに学校に行って、いつも通りに寝る。
そうなると、当たり前に思っていた。
「王子様、"私の"地球を救って?」
……………………………え??
日常は、にわかには信じがたい非日常へと変わって行く
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
今日は高校の始業式
久しぶりの制服に身を包み、また、新学期が始まる
卒業まで後2年もあるとか信じらんねえ!!
いますぐにでも卒業してニートになりたい!!!
・・・説明しよう。
俺こと乃木 翔太は普通科高校に通う17歳の高校2年生だ。友達がおらずわけあって両親とも別々に暮らしている
本格的なぼっちだ!!!
なぁにが楽しくて学校なんかいかにゃならんのだ。
こんなもん、将来使うもんでもないただのお経を聞かされてるだけの拷問だ!!
と、ぼっちの寂しい寂しい脳内愚痴大会を聞いてもらったことで、俺のことをなんとなくわかってきただろう。
若いうちから1人暮らしで両親との思い出も全然ない年頃の17歳はこんなもんだ。こじれてて何が悪い!!1人サイコー!!
ちなみにこんな脳内ヒャッハーしてる間にも時間は粛々と進み、もうお昼休みである。もちろん俺は1人メシだ。悲しくないし別に。
と、悲しく1人でご飯を食べようとしていたら
「乃木くん、あの...ご飯!!一緒に...たべない、?」
天使が舞い降りた。え、ほんとに??まじ??
いいんですか!!!!!!!!!!!!!!!
愛想よくいけよ!!俺!怖がらせないように!!
「あ、はい。」
「やった。。うれしい...ふふっ」
やはり天使は天使だった。俺は自分の命をかけてでもキミを守るよキリッ
実のところこの天使、高校生になってからずっと俺に話しかけて来てくれる唯一の俺が学校に来る理由だ。
俺が天使と呼んでる、あおいさんはクラスの妹的存在だ。これがもうほんとに妹っぽくて庇護欲が掻き立てられるっていうか母性が溢れてくるというか
ってなわけで天使は男子たちからすこぶるモテる。
そんな存在が俺にたくさん話しかけてくれるのだから俺としてはドキドキせずにはいられない。
もちろん、俺とあおいさんでは天と地の差があって間違っても付き合うとかそんな関係になることはないとわかっている。
でもしょうがないじゃないか!!!
俺の唯一の学校に来る理由は天使しかいないのだから!!!片想いくらいはしてもいいよね、?
「乃木くんって普段どんなことかんがえてるの??」
「特に何も」
「じゃ、じゃあ!!趣味とかは??」
「ゲーム」
「そ...そうなんだ!!」
「...」
そろそろ読者もイラついて来た頃だろう。
当の本人である俺が一番イラついている。
なんだこのコミュ障!!まじで!!こんなに健気に話しかけて来てくれてるのにスカすな!!
どうやらボッチ属性と好きな人と話すダブルパンチでほんとに上手く話せないのだ。
天使と話す時はずっとこんな調子でいい加減自分が嫌になる。というか天使はなんでこんなにめげずに話しかけてくれるんだろうか...。
俺だったらこんな無愛想なつまんなそうなやつそうそうに見限って誰かに愚痴ってるところなのに
これも俺が、天使を天使と呼ぶ理由の一つだ。
慈愛の心に満ちている!!だいすき!!
付き合いたい!!!
「ね、ねぇ…あの、のぎくん、?
放課後って、何か予定とか…ある、?」
「・・・多分ない」
「そ、そう??じゃあ、いっしょに、あの…帰りた い。
はなしがあるの。」
なんだろうか。すごくドキがムネムネなんですけど。
わかってる!!そういうのじゃないってわかってるけど!!!
夢は見させてくれー!!!
てなわけで、放課後、校門前でスマホをいじってたら天使がどたばたやってきた。
「まっ、まった??」
顔をほてらせて肩を上下に揺らしている。
きっと急いできたのだろう。
「まってない。行こう。」
「あ、ありがとう!」
そうして俺たちは並んで歩いて帰路についた。
「今日...おひるいっしょにたべてくれて、ありがとう、!!」
「…」
「た、たまにまたたべたいねー…はは…」
「…」
「私、乃木くんのことが好き」
「………………は!?は!?まってまってなんて言った??え??月?ムーン?フキ??」
「す、すき!、すきっていった!!」
すき?スキ?SUKI?なんだ??
「待って整理しよう一回。てん…あおいさんは
俺のことが好きで、ん?好きってこと??」
ちょっとちょっとまて!!ほんのちょっと、ちょっとだけ期待はしてたっていうかあるかもなって思ってたのは否定しないけどほんとだとは!!!!思わないよね!!!いうにしても早くない!?なに!?
てか俺普通に話せてるし!!びっくりだ!!
「そう…だから、私の…"王子様"になって、ほしいの!!」
「よろしくお願いします。」
ん?ちょっとまってなんか嬉しすぎて反射的に返事しちゃったけど、王子様??
多分普通に"付き合って"ってことだよな??
少女漫画かよ!!
「ほんと!?"王子様"になってくれる!?」
言い方が気になるが、返事はもうすでに決まっている。
「俺でよければ!!ならせてください!!!」
「今、なるって言ったよね?」
・・・ん?なんか雰囲気が変わったな。
「おっけー。じゃあ契約成立ね。」
け、契約?
お付き合い成立みたいなそんなノリ??
イマドキの恋愛ってそうなの?
てか話し方とかオーラとかなんか違くない??
いまいち釈然としないが、付き合うってことでいいのだろう
「ああ、契約成立だ!
――――これからよろしくな」
嬉しい。嬉しすぎるぞ人生初めての彼女!!
俺もリア充の仲間入りだ!!学校最高!!バンザイ!!!いつまでも終わるな!!!
「うん、よろしくね。じゃあ、手始めに」
そして、彼女は言った。
この先の人生をめちゃくちゃにする、その言葉を
「王子様、"私の"地球を救って?」
……………………え?
え?どういうこと??
全部意味わかんないけど"私の"ってなに?
思想家なのかな?
「ちょっと、ちょっとまって??どういうこと?
意味わかんないんだけど、ん?"私の"地球って何?」
「ああ、私、"向こう側"から来たのよ。だから、"向こう側"の地球の王女が私であんたはその王子様で"向こう側"の地球が危険だから救わなきゃいけないって話。」
「…………は?」
いろいろとぶっ飛びすぎている。冗談としか思えないし面白くない冗談だ。
ーーーーそういうことか。
からかわれたんだな、俺。
そりゃそうだよな、おかしいもん。
「そっか、からかうならもうちょいマシな嘘にしろよ。意味わかんなすぎていい反応もできなかっただろ??つまんねードッキリにしちゃってごめんな。」
早く出てこいよ、茂みとかに隠れてるんだろお友達が。彼氏かもな。ははは…。悔しくなんかないし、俺なんてそんなもんなんだ。
目からこぼれ落ちる何かを振り払い、立ち去ろうとした時。
バシュン
なんかの効果音が鳴った
振り返ってみるとさっきまで制服姿の女子高生だった天使が赤いドレスを見に纏った妖艶な王女の姿に変身していた。
ーーーーありえない。
早着替えにしても早すぎる。何をしたんだ一体
と、俺が呆然としていると
「こんなのもできるわよ」
ボォウ
俺は夢でも見ているのか?天使(王女)の手に小さな炎がゆらゆら揺らいでいる。まさに魔法であった。
「これで信じてくれた?」
これが現実なら、信じるしかないだろう。
いくらありえなくても実際に目にしてしまっているのだから。
「「「ファンタジーすぎるだろ!!!」」」
心の叫びが、つい声にでてしまった。
今この瞬間から、この物語はキラキララブコメから
ギャグファンタジーに舵を切ってしまったことだろう。ごめん、みんな。俺もこんなはずじゃなかったんだ。
「ふふ、ファンタジーすぎる、ね。これからあなたのやることに比べればこんなのは些事でしかないわ
ねえ、? お・う・じ・さ・ま♡」
「私の地球を救ってくれるものね♡」
「そんなの聞いてねえよ!!ただの高校生にそんなことできるわけねえだろ!!てかそんな性格だったかあんた!?」
こいつさては、猫被ってやがったな!?
俺をたぶらかしてたのもこの時のためだったのか!!
ムカつく女だ小悪魔め!!
「だ〜め!もう契約結んだもぉーん!
あんたをからかうのたのしかったわぁ
きょどりにきょどっちゃって、可愛いんだから!」
こいつ…いい性格してやがる。
「でもね…」
一泊置いて、天使(小悪魔)は俺に告げる。
「好きなのは…ほんとよ、?」
ずるい!!こいつにうまいように転がされる俺もチョロい!!
「あぁもうわかったよ!!地球でもなんでも救ってやる!!かかってこいやぁぁぁぁ!!」
「ふふ♡さすが私の王子様!!」
こうして、俺の日常は、意味わかんない非日常へと変わって行くのだった。
ほんとに!!聞いてないんですけど!!!!
初めての創作品ですので何卒暖かくよろしくおねがいします!!感想とかなんでもまってます!!




