まじょのおようふく(改)
追記
2019年4月11日に加筆修正しています
街の様子をマルガレーテと共に見に行くことにした3人は、やはり穀物を少しでも持っていこう、という話になった。
マルガレーテの魔法で畑で荷台いっぱいの野菜や小麦を収穫し、焼き立てパンを持てるだけ持つことにする。
そこではた、と気が付く
「子供たちだけで留守番をさせるわけにはいかないわ」
「確かにそうだね」
ヘンデアルとグレテルどちらかが残ろうか、という話になったが、衛兵や教会の司祭に絡まれたときに、ヘンデアルでは力で勝てないし、グレテルは口で勝てない。
マルガレーテが行かなかったらそもそも意味がない。
3人でうーん、と考えていると
「あ、そういえば」
とマルガレーテが自分のベッドから一体のクマのぬいぐるみを持ってきた。
80㎝ほどある大きなクマのぬいぐるみだ。
そのクマのぬいぐるみを立たせると魔法の杖でコツン、と額を叩く。
すると、クマのぬいぐるみは一人で立ち上がり、やあ、と挨拶をするように片手をあげた。
「街までいかなきゃいけないから、あの子たちの面倒見てもらいたいんだけど大丈夫?」
マルガレーテが聞くと、後ろを振り返り5人の子供たちを確認したあと、両手でOKというように大きな
〇を作る。
「ちょっと遅くなるかもだけど、そしたらおしめはこれで、ミルクはこれで…」
ヘンデアルとグレテルもクマに向かっていろいろとレクチャーをする。
「…マルガレーテより優秀かも」
「どういうことよ!」
察しのよいクマは安心していってらっしゃいと言わんばかりに手を振って3人を見送る。
クマの両方の膝小僧(?)でリンとレンが手を振っていってらっしゃいと嬉しそうに見送ってくれた。