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はっぴりーえばーあふたー

テッカとグレテルが返ってきたという知らせがもたらされたのは、アデレードたちとの話し合いを終えた夜だった。


闇に紛れて街にいれ、用意していた宿屋に王様を通すと、ワーホルトは


「よくぞ御無事で」


とうれし泣きに泣いた。


「迎えにきてくれたこの二人が危ないところを何度も助けてくれたんだ」


テッカは敵をやり過ごし、それでもダメな時はグレテルがその腕っぷしで蹴散らして。

馬を走らせなんとかこの街にたどり着いたという。


王様はちょうどヘンデアルやグレテルの父親くらいの年齢だった。

王様としては少し若い部類だろう。

名前はボルスというらしい。


ボルス王はワーホルトさんから、計画を聞くと、アデレードたちに頭を下げ、この国がしたことを詫び、助けてくれることに礼をする。


「この国が正しく統治され、友好を築ければ、私たちも隣の国としてうれしいところです」


そういってにっこり笑うと、早速明日にでも旅の準備を整え、畑を治していこうという。


「今日一日はゆっくりお休みください」


王様にそういって、ワーホルトさんたちもテッカもグレテルも休み、明日に備えることにする。


その夜、王様の寝所に忍び込んだ者がいたが、テッカとグレテルと鶏に攻撃され、隣の部屋で休んでいたワーホルトさんにあっさりと捕まり、王様を亡き者にしようとした罪で極刑になることになった。


その正体は街の人たちの見張りを突破した司祭と領主だったが、翌朝それを知った街の人たちはこれで大手を振って処刑できると、胸をなでおろす人も多かった。



「じゃあ、マルガレーテいくわよ」

「はい。アデレード様」


それからの一月はマルガレーテもヘンデアルもグレテルも、目が回るような忙しさだった。


寄る街々で王様が教会を廃止にすることを伝え、いままでの畑の不作が教会の所為だったと暴き、畑を癒し、治していく。


街の教会は魔女たちの贈り物である作物に満たされ、畑がもとに戻り街がきちんとするまで持つように食材を管理するものが置かれた。


1つの街に長く滞在して2日。


脅威のスピードで王都を目指し、畑を治し、種をまき、国の地を豊かにしていった。


ちょうど一月。

王都にたどり着いた王は、教会に

「隣の国に魂を売った売国奴」

と責められたが。ヘンデアルたちの街の司祭が命助かりたいがために王都の人々の前で教会のしでかしたことをつまびらかにしたため、教会の神威は地に落ちた。

しかも通りかかりの街や畑を救った話は王都まで届いており、王様は民衆から拍手喝采で迎えられ、魔女様たちにも尊敬のまなざしが向けられることとなる。


「これで魔女を悪く言うやつらはいなくなったよね」

「不作な街もかわいそうな子供たちもいなくなったね」


ヘンデアルとグレテルとマルガレーテは笑いあう。


しかし一番驚いたことは、

王都に戻り、王様の側近がテッカを見たときに腰を抜かしたことだった。

「お前は…殺したはずの…」

そういったその男は取り押さえられ、王妃とその子息を殺そうとした罪に問われることとなる。


テッカは

「生きてるってわかるとまた命が狙われるし、せっかくなら市井から国を勉強するのもいいとおもってさ」

そういって笑っていたが。


7歳で小さかった自分の子供が5年でこんなに大きくなることも、生きているとも思っていなかった王様は涙を流して喜ぶ。


「確かに、みなしごっていうには知識もあるし、文字も書けるしへんだなあっておもってたんだよなあ」

そういうヘンデアルも文字を書けるけれども、というと

「だって俺たちの家は迫害されていまの領主になる前の領主の家系だもん。家が家なら辺境伯だったが、そんなめんどくさいものつながなくてよかったなっておやじがいつも笑ってた」


まさかの話をマルガレーテにする。

マルガレーテを逃がそうとした人たちの子孫にあたるのだと、ヘンデアルとグレテルは言う。


「あのときちゃんと助けてあげれなかったことじいちゃんはずっと悔やんでたからな」



いいおじいちゃん孝行ができた、と言って笑う。


1月の行軍を終えて、国全土に魔女による畑の治療が終わると、アデレードたちは隣の国に帰っていった。


「マルガレーテも一緒にこない?」


そう聞いてきたが、マルガレーテは首を振る。


「私、この国が好きなの。まだまだ見守っていたいし」


そういうと「たまには顔を見せにいらっしゃい」とマルガレーテの額にキスをすると魔女たちは来た時のように王旗を掲げながら隣の国へと帰っていく。


お土産にはクマお手製のチョコレートとクッキーを持たせて。

ちなみにクマもアデレードたちが一緒にこようと誘ったが、首を横にふっていた。



ヘンデアルたちの村は王を救った街として国中にその名をとどろかせ、栄え、テッカは王都に戻り父親のもとで過ごすことになった。


村は子供たちの声が響く楽しい場所として、いつまでもつづき、いつしか街のように大きくなり、マルガレーテたちの森の家の入り口を守る街となった。



マルガレーテといえば、魔女らしくなかなか大きくならず、ヘンデアルとグレテルは一端の青年へと成長した。

最近ではマルガレーテに愛をささやきに王都からたまにお忍びできるテッカとヘンデアルとグレテルでちょっとした諍いがあるようだが、そんなときはマルガレーテは村に降りてきて、ジュリアさんとともにお茶とお菓子を食べながら文句を言っているという。



隣の国と友好を結び、穀倉地帯を取り戻したその国は、長く長く栄えたという。


happily ever after!

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