第9話 戸沢白雲斎
那古野城の応接室。
俺が慶次と一益の二人と会っていたら、突然
果心居士が現れて白雲斎を呼べると言うので、呼んで貰おうかと思う。
「おう、じゃあ白雲斎を呼んでくれ。ところで今すぐここに来れるのか?」
「ほっほっほ、今すぐここに呼べるぞい」
そう言うと果心居士は黒い影となり消えた。
「転移かなぁ、饗談?」
俺は饗談に話し掛ける。
「そうじゃのう。転移の魔法じゃろ」
姿が見えないが饗談が答える。
「ん? 誰かいるのですか」
慶次が饗談のいる空間を見詰める。
「俺の配下の忍びで饗談と言う者がいる。饗談、姿を現せるか?」
「現せる様になったみたいじゃ。眷属になったからかのう」
饗談がその姿を現す。
「ゴーストか?」
半透明の饗談を見て一益が呟く。
「ははは、吉法師様の側にいると次から次に驚く事が起きる。実に面白い」
慶次は豪快に笑い。一益は半笑いを浮かべる。
そこに白い霧と黒い影が沸き出て、果心居士と戸沢白雲斎が現れた。
戸沢白雲斎は白い修験装束の様な服を着た老人だった。白い木製の杖を持ち、山伏固有の頭襟と首から下げる丸い結袈裟は着けていない。
白く長い顎髭を伸ばす好好爺。その斜め後ろに小さい男の子が控えていた。
仙人?
「白雲斎様、ようこそお出でいただき感謝致します。私が織田吉法師です」
俺が白雲斎に頭を下げて挨拶する。
慶次と饗談も続けて、頭を下げて自己紹介するが、一益は目がテンに点になり驚愕の上固まっていたが、慌てて挨拶をした。
「はっはっは、儂が白雲斎だ。良い良い、甲賀の里の者は皆儂の子供も同じ、余り緊張するでない」
「は、はいぃ」
一益は跪く。
「はっはっは、吉法師殿、話は果心居士より聞いたぞ、果心居士には借りもあるのでな、儂も吉法師殿に手をかそう。しかし儂も忙しくてな、常に一緒には居られん。儂の代わりに弟子のこの子を吉法師殿の側に置いてくれ。ほれ自己紹介しなさい」
小さい男の子は白雲斎の前に進み出ると口を開いた。
「おら、佐助だ。」
ん? 子供ではないな。小人か?
「はっはっは、吉法師殿の想像通りじゃわい。儂は仙人。佐助は小人と人間のハーフで道士だ。仙術も仕込んでおるので、使える人材だぞ。佐助は通称猿飛佐助と呼ばれている」
猿飛佐助! キタァーッ!!!
「承知しました。白雲斎様、佐助殿、こちらこそ宜しくお願いします」
「おら、佐助。呼び捨てで良い」
「分かった、佐助宜しくな」
「おう!」
「はっはっは、これから上忍達に会いに行くのだろう? 儂がいた方が話が早いから同行しよう」
「おお! 有り難うございます」
「はっはっは、良い良い。取り敢えず風魔の飛び加藤には話を着けておいた。そのうち来るだろう」
「おお! それは良い知らせです。感謝致します」
「ほっほっほ、それでは伊賀に飛ぶか」
果心居士がうんうん頷いた後、俺に話を切り出す。
「直ぐですか?」
「善は急げじゃ」
「それでは、お願いします」
「私もお供します!」
慶次が槍を持ち立ち上がる。
「おう! 有り難う。一益は仕事戻ってくれ」
「御意」
饗談には武田家で青田買い出来そうな武将の調査を念話で指示した。
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