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しかし男に出来たことは、そこまでだった。


清美は信じられないほどの速さで男に迫り、ゆうに1メートルはあるであろう口で男にかぶりついた。


ぶちゃぐちゃぼきっびちめりぶちゅ


音が止み、清美の頭が男から離れた時、そこに残っていたのは男の下半身だけだった。


清美はそれにもかぶりついた。


ぶちゃぎゅちゃがりぐちゃぐちゅがきっべちゃ


喰っているのだ。


殺人犯を清美が。


服も骨も含めてまるごと。


やがて音が聞こえなくなった。


食べ尽くしたのだ。


私は何故かまるで人事のように、そう思った。


清美が自分の口をゆっくりとぬぐった。


「ふう。やっぱり男は美味くないわね。若い女の子が一番美味しいわ。ところで」


清美が私を見て言った。


「見たわね」


と。



           終

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