-nine-
やっぱり死んだ?
てか生き返ってまた死ぬ私って不運な人間よね。
ふざけんな!!
ここどこだっけ?
私は誰?みたいなオチはいらないから。
『あなたが晶?』
その声の方を見るとどっかで見た事のあるような顔の人が。
うーん?誰だっけ?
『私は世界の神』
「神様?」
『そう』
「あのどっかで会った事ありません?」
『いいえ』
いやどっかで会った事あるっ…
あああああぁぁぁ!!
「悪魔天使母!」
『?』
そうだ!そうだよ!
確かにこの綺麗な顔は悪魔天使のお母さん!
てか…悪魔天使は?!
『彼はいません』
「何で…」
心の中が分かったの?!って当たり前か。
神様なんだもんね。
……って和んでる場合ではございませんっ!
「悪魔天使母!悪魔天使を返して下さい!」
『断ります』
ズバッと答えた!
あ〜悲しいね。
なんかイメージが違いすぎて怖いんですが?
綺麗な顔なのにぃ。
『あなたはこの世界には存在しない者、それは分かってますねあなたと彼は恋に堕ちてはいけないのです。あなたにはあなたが生きる世界があるのです。さぁ送ります。あなたの世界へ』
「いや、です」
『え?』
「そんなの嫌です」
『どうし…』
「恋に堕ちるのは神様と人間でも良いじゃないですか!!とにかく私は悪魔天使と一緒に"私たち"の世界に戻るんだからっっっ!」
私が叫ぶと後ろの方で誰かの声がした。
その声を聞いて私は笑顔になっていった。
『晶!』
「悪魔天使!」
いるじゃん悪魔天使!
私は悪魔天使に歩み寄ろうとした、が、それは悪魔天使母によって遮られた。
銃で撃たれた部分に電気が当てられ私は倒れ込んだ。
これはイジメだぁぁ!
『なりません』
「痛いとこ…攻撃しないで…」
涙目になりながら私は悪魔天使母を見つめる。
悪魔天使母は私に両手を向け何かを呟く。
嫌な予感がする。
離れたくない。
悪魔天使と永遠に離れたくない
私は…悪魔天使と一緒の未来が
良いんだぁぁぁぁぁ!
『………転送』
やっぱり転送呪文かぁぁぁぁ!
私の体が透け始めて意識が途切れてく。
い や だ !!!!!!
「わ…た…し…は…消え…るわけには…いかないんだ…よ!」
『……』
「悪魔天使!来い!」
私が消えそうになりながら悪魔天使を呼んだ。
悪魔天使は私の元へ走り飛び込んできた。
驚いたことに悪魔天使母は止めなかった。
『母さん、さよなら』
『……海斗…』
『僕は彼女が好きだ。きっと幸せになるよ』
『……ええ…』
なんかいいねえ…♪
親子っていいねえ♪
私は自然と和みながらその世界から消えていったのでした。
その頃二人を待つ時の神朱皇は焦る。
タイムリミットは後五分。
しかも…ヤバい状況。
はぁ…
『早く帰ってこい…』
心配性なんだよ…俺。
俺って言ってる部分は気にしないでくれ。
……晶、大丈夫か…?
早く…帰ってこい…
†††
何ここ…暗い…
あの悪魔天使母に転送されたのはいいけど、もしかして魔法系だめ…?
ありえない―!
『母さんまた失敗?』
「また?!」
『よくあるんだ』
「ど―すんの?!後タイムリミット五分だよ…」
『うん』
うん、じゃねえ!!
バカかお前は!!
素直すぎんのもムカつくから
あああ…消滅いやだぁ。
いやだぁぁぁっ!
『あ、そっか』
「なによぉ…」
『じゃあ一緒だ』
「え?」
『僕も消滅だか…』
「バカね。あなたはもう死んでるじゃない」
『ねえ笑顔で言われるとかなり傷つくんです』
悪魔天使は泣きべそをかき始めた。かなりウザイ。こんな時に。
あああああぁぁぁ!
後三分!
どうせならカップヌードルシーフード味持ってくれば良かったなぁ…
『お湯必…』
「死んでる人だぁれ?」
お湯必要だね、なんて分かりきった事言われるとムカつく。
そりゃあ魔法瓶で温かいお湯があるわけないし。
って魔法瓶にこだわった訳じゃないよ?
「はぁぁぁ…ねえ悪魔天使魔法使えないの?」
『ん?使えるよ?』
「やっぱり神なの?」
『ううん。ただの浮遊霊。母さんが世界の神になっちゃったから勝手にみんなが僕を神様扱いするんだよね♪』
それを先言ってよ…。
浮遊霊かよ〜!
しかし…話してる間に時は過ぎて残り一分。
ヤバいよ〜ヤバい。
朱皇〜ヤバいかも!!
うぅ…
「って…悪魔天使!魔法で瞬間移動して!」
『あ〜…』
「あ〜…じゃないわよ!早くしなさいっ!」
『わかった』
悪魔天使は私を抱きしめながら何やら呟く。
どうやらさっきの悪魔天使母と同じ呪文らしい。
早く…早く…早く!!
ぱぁっと視界は白くなり私は静かに瞳を閉じた。
帰ってやるさ!!
私たちの世界に!!!




