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リブートオブアーク ―科学と魔法が交差する王国再建戦記―  作者: 和幸雄大


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第三部 第95話 崩壊する秩序 六都市異変

レグノル王都、上空。

七聖の戦艦が反転し、テンレアへ帰還する途上にあった。

砲撃の余波が、なお空気を震わせている。

アルディアスは静かに地上を見下ろしていた。

巨大なクレーター。

消えた王城。

そして――蠢く“異常”。

そのすべてが、遠ざかっていく。

アルディアスは思考する。

アンリエットとリンシアは、すでに各都市の対応へ向かっている。

その時だった。

一羽の光の鳥が、空を裂いて飛来する。

アンリエットの使い魔。

アルディアスの前で弾け、声へと変わる。

「リンシアはコンコルディアへ」

「私はメルドに向かいます」

「六都市、同時に異常発生」

「スタンピード確認、市民に多数被害」

空気が変わる。

アルディアスの纏う気配が、わずかに重くなる。

ジュリアが目を細める。

「……同時?」

ミハイマールが低く呟く。

「偶発ではないですね」

アルディアスは一瞬だけ思考し――

「残りは四都市」

短く告げた。

「分散して当たれ」

視線を巡らせる。

「ファラン」

「グレスト」

「オルヴァ」

「ダルク」

「安定化を優先しろ」

その命令に、誰も異を唱えない。

戦艦が加速する。

七聖が、それぞれ動き出した。

アーク=テンレアから、静かに離脱していく。

ファラン。白き神都。

祈りの最中だった。

だが中央水晶が赤く染まる。

「……異常魔力」

神殿の外では、魔物が溢れ出していた。

グレスト。鋼鉄都市。

地下坑道で轟音が響く。

「押し上げてきている……!」

魔物が、何かから逃げるように地上へ溢れていた。

オルヴァ。水上都市。

水面が歪む。

「魚が……消えた」

次の瞬間、水中から魔物が跳ね上がる。

ダルク。荒野都市。

見張り台の兵が叫ぶ。

「地平線が動いている……!」

砂煙の奥、魔物の群れが止まらない。

メルド。森の都。

森がざわめき、動物たちが街へ逃げ込んでくる。

外ではなく、内へ。

コンコルディア。魔導都市。

中央塔の水晶が赤く染まる。

リンシアが空を見上げる。

「……異常が重なっている」

魔物が出現する。

「――ルミナス・ヴェール」

光が広がり、魔物を焼き、市民を癒す。

混乱は静かに抑え込まれていく。

その姿は――まるで祈りそのものだった。

六都市すべてで異常が発生していた。

だが、七聖の対応により次第に鎮静化していく。

だが――一つだけ。

報告のない都市があった。

ヴァスティラ。

城塞都市テスラ。

沈黙。

その時、玉座の水晶が赤く染まる。

最後の一つが点灯した。

ノクスがそれを見つめる。

「……これで、全てが動き出したか」

そしてアルディアスへ接続を試みる。

空間が歪む。

「……接続?」とジュリアが呟く。

声が落ちる。

遠く、歪んだ声。

「……何かが、流れていない」

沈黙。

アルディアスが低く言う。

「ノクスか」

「……テスラへ行け」

「回収が……間に合っていない」

断片的な言葉。

だが、それで十分だった。

通信が途切れる。

ジュリアが呟く。

「……白狼の牙ですね」

アルディアスが頷く。

「対応していたから、報告が遅れたか」

一瞬の判断。

「七聖に通達」

「各都市の鎮静を優先」

そして――

「テスラへ向かえ」

「嫌な予感がする」

視線がエミリオへ向く。

「行け」

短い命令。

エミリオが笑う。

「了解。こっちは終わりだ」

次の瞬間、その姿が消える。

空。

エミリオは一直線に飛んでいた。

「白狼の牙、ねぇ」

「どこまでやれてるか――」

瞳が細くなる。

「見せてもらおうじゃないか」

目的地。

城塞都市テスラ。

すでに終わっていることを知らずに。

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