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リブートオブアーク ―科学と魔法が交差する王国再建戦記―  作者: 和幸雄大


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第三部 第93話 崩壊する秩序 混迷への蠢動

テンレア同盟中心国。

コンコルディア王城。

玉座の間。

巨大な水晶球が、静かに浮かんでいた。

それは――

ダンジョンの状態を監視する魔導具。

普段は透明。

都市の異変を感知すると、色が変わる。

青。

それは警戒。

魔物の増加。

ダンジョンの活性化。

だが。

赤は違う。

都市崩壊級。

つまり、イレギュラーを指し示す。

そして今。

その水晶球は――

赤く染まっていた。

神官が震える声を出す。

「……赤」

別の神官が叫ぶ。

「一つではありません!」

水晶球の中で光が動く。

一つ。

二つ。

三つ。

四つ。

五つ。

六つ。

神官の顔が青ざめる。

「六都市……」

玉座の前に座す女性が、静かに目を細めた。

リンシア=アーデルハイド。

テンレア同盟の総代表。

だが。

彼女の正体を知る者は、ほとんどいない。

七聖の一人。

リンシアが水晶球を見つめる。

「……おかしい」

静かな声。

神官たちが息を呑む。

「六都市同時赤警戒」

「こんなことは……」

あり得ない。

リンシアが言った。

「都市名を言いなさい」

神官が震える手で記録を見ながら報告する。

「ファラン」

「グレスト」

「オルヴァ」

「ダルク」

「メルド」

「コンコルディア」

神官が顔を上げる。

「……我が城下です」

リンシアの目が細くなる。

「七つのダンジョン都市だけ……」

短く呟く。

神官たちがざわめく。

リンシアが振り向いた。

「アンリエット」

背後にいた女性に念話で話しかける。

七聖の一人。

アンリエット。

「アルディアスに連絡」

「レグノルからの帰還を促せ」

アンリエットが頷く。

神官が箱を開き、リンシアの前に差し出す。

中から古い巻物が現れる。

赤警戒の時のみ使われる魔導具。

側仕えがそれを受け取り、御簾越しにリンシアへ渡す。

リンシアはそれをアンリエットに手渡した。

アンリエットが魔導具に魔力を流す。

巻物が光る。

紙が震える。

次の瞬間。

それは白く輝く鳥へと変わった。

光の鳥。

窓から夜空へ飛び立つ。

アルディアスの元へ。

アンリエットが振り向く。

「私はファランの確認に向かいます」

リンシアは頷いた。

そして玉座の間に控える神官に伝えた。

「コンコルディアは私が見る」

神官たちが息を呑む。

リンシアが歩き出す。

玉座の間を出る。

城の外。

そこには巨大な穴。

コンコルディアのダンジョン入口。

リンシアは空を見る。

夜空。

六都市で同時に起きた異変。

原因不明。

コンコルディアの都市を一望できる場所からダンジョンを見る。

魔物の群れが管理神殿から溢れ出ようと暴れている。

それを兵士や冒険者達が必死に押し返していた。

リンシアは、静かに呟いた。

「……何が起きている」

その時だった。

玉座の間。

水晶球が――

もう一度光る。

七つ目の光。

神官の声が裏返る。

「……テスラ」

「テスラ城塞都市」

「赤警戒です!」

玉座の間に、沈黙が落ちた。

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