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リブートオブアーク ―科学と魔法が交差する王国再建戦記―  作者: 和幸雄大


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幕間(後編) レグノルの残響

レグノル王都。

王城が消えたその日、街は沈黙に包まれていた。

だが、完全に崩れたわけではない。

城壁の外では兵士たちが瓦礫をどかし、負傷者を運んでいる。

広場には簡易の治療所が設けられ、回復魔法の光が絶え間なく灯っていた。

王城は消え、周囲はクレーターになり黒煙を吐いている。

しかし王都はまだ残っている。

城壁近くの仮設指揮所。

崩壊した城壁の内側に張られた天幕の中、セリナは地図を見つめていた。

「被害状況は? ……それと、ヴォルコフは」

カイが答える。

「王城は完全に消失」

「周辺の建物も全壊が多い」

だが続ける。

「それでも王都の機能は維持できています」

「ヴォルコフは捜索中です」

セリナは一瞬、悲痛な表情を見せた。

だがすぐに切り替える。

エリーナが報告する。

「避難民の誘導は順調です」

「残存騎士団も動いています」

セリナは静かに頷いた。

王城は失われた。

だが王国はまだ終わっていない。

そのとき、腕を組んでいたバルドが言った。

「……妙だな」

カイが視線を向ける。

「何がだ」

バルドはクレーターの方を顎で示した。

「七聖だ」

「奴ら、急に退きやがった」

「まだ戦えただろ」

カイも頷く。

「確かに。アルディアスには余裕があった」

エリーナが小さく言う。

「でも……撤退しました」

セリナは空を見上げた。

煙の向こう。

雲の奥。

七聖は、何かに呼ばれたように去っていった。

「……何が起きている」

その時だった。

遠くから馬の蹄の音が近づいてくる。

「伝令!」

兵士が天幕へ駆け込んだ。

全身に土埃をかぶった早馬だった。

「リーデルより緊急報告!」

天幕の空気が張り詰める。

「各地のダンジョンで異変が発生!」

カイが眉をひそめる。

「スタンピードか?」

兵士は首を振る。

「それ以上です!」

「魔物の出現数が急増!」

「すでに村が襲われています!」

天幕が静まり返った。

セリナは一瞬だけ目を閉じる。

そして開いた。

王の瞳だった。

「国内の安定を優先します」

カイが頷く。

「了解」

「避難民の保護」

「王都の復旧」

「各地の警戒を強化」

セリナは続けた。

「七聖の動きも気になりますが……」

視線を遠くへ向ける。

「今は民を守ることが先です」

その頃。

テンレア同盟。

七つの巨大ダンジョンで――

スタンピードが発生していた。

そして。

その混乱の中で。

一つの城塞都市が、静かに危機へと近づいていた。

テスラ城塞都市。

冒険者ギルド。

そこに集められたのは――

Sランクパーティー。

白狼の牙。

これが、

秩序が崩れ始める最初の兆しだった。

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