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リブートオブアーク ―科学と魔法が交差する王国再建戦記―  作者: 和幸雄大


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86/113

幕間 騎士道とは

戦場はすでに混乱の渦にあった。

レグノル王城の前。

魔導獣の群れが騎士団へ襲いかかる。

牙。

爪。

赤く光る目。

狼の姿をした異形の兵器。

「構え!」

ヴォルコフが叫ぶ。

白髪の騎士団長は剣を構えた。

その背後には第三騎士団。

歴戦の騎士たち。

「崩れるな!」

「隊列を保て!」

魔導獣が突っ込んでくる。

衝突。

金属が軋む。

剣が閃く。

魔導獣の金属で弾かれる。

それでも。

一体。

二体。

騎士が斬り伏せていく。

だが、被害も少しずつで始めていた。

「数が多い!」

若い騎士が叫ぶ。

次の瞬間。

魔導獣の牙が、やすやすと鎧を噛みちぎる。

騎士が倒れる。

ヴォルコフが振り向く。

「立て!」

「まだ終わっていない!」

ヴォルコフは魔導獣へ踏み込む。

力強い剣閃が閃く。

魔導獣一体の首が飛ぶ。

だが――

背後からもう一体。

牙が鎧に食い込む。

血が吹き出る。


ヴォルコフは

噛みついていた魔導獣の頭を

握り潰した。

「団長!」

その姿を見た騎士が叫ぶ。

ヴォルコフは魔導獣を蹴り飛ばした。

剣を振るう。

だがその動きはもう重かった。

周囲を見る。

騎士団はまだ戦っている。

遠く。

城門の向こう。

セリナ達の姿が小さく見えた。

ヴォルコフは静かに笑った。

「よし」

剣を地面に突き立てる。

「騎士団!」

声が戦場に響いた。

「ここを死守する!」

騎士達が叫ぶ。

「はっ!」

魔導獣が再び襲いかかる。

ヴォルコフが前へ出る。

血が鎧を濡らしていた。

それでも。

剣を構える。

「騎士道とは――」

魔導獣が跳びかかる。

「最後に残る希望を」

剣が振るわれる。

「守る者だ」

その瞬間。

魔導獣の爪が振り下ろされた。

騎士達が再度叫ぶ。

「団長!大丈夫ですか?」

血が飛ぶ。

ヴォルコフは崩れ落ちた。

だが。

その口元には笑みがあった。

「……王よ」

「貴方についていく事は、できませんでしたが。」

霞む視界の先には

遠く進む王女の背中。

「王女を、レグノル城に向かわせる事はできました。」

声がかすれる。

「遅ればせながら、某もお側に」

意識は、途切れた。

「守れ」

若い騎士達が咆哮する。

ヴォルコフを囲みながら、セリナ達に向かわせまいと

死兵となって戦い続ける。

第三騎士団は――

まだ戦っていた。

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