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リブートオブアーク ―科学と魔法が交差する王国再建戦記―  作者: 和幸雄大


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第二部 第70話 余韻

 リーデル砦は、静かに朝を迎えた。


 城壁にはレグノルの旗。


 門は開かれ、兵の往来が始まっている。


 ファランシアからの補給隊の姿も見えた。


 リーデルの勝利は、確実なものだった。


「軍の被害は、良い方向で想定内だ」

 カイの報告は淡々としている。


 戦死三十二人。

 重軽傷百余。


 数字だけを見れば、予想より被害は少ない。


 バルドが低く頷く。


「上出来だ」


 広場では、民が膝をついていた。


 涙を流す者。


 空を仰ぐ者。


 セリナは中央塔の階段を降りる。


「リーデルは、今日より再びレグノルの地です」


 セリナの声は、静かに広場へ響く。


 兵士や民から歓声が上がる。


 その瞬間だけ、世界は整って見えた。


 裂けた石畳は、すでに封鎖されていた。


「地盤の歪みでしょう」


 技師は言う。


 魔導測定も異常なし。


 封印層も正常。


 数字は、問題を示していない。


「過敏になるな」


 カイが、セリナに伝える。


「勝利の直後だ。神経が張っているだけだ」


 合理的だ。


 否定する理由はない。


 夜。


 砦の回廊を、セリナは一人で歩く。


 風は穏やか。


 灯りも安定している。


 だが。


 足を止める。


 床の奥から、かすかな震え。


 ほんの一瞬。


 誰も気づかない。


 セリナだけが、視線を床に落とす。


 勝利は確かだった。


 だが――


 何かは、終わっていない。

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