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第11話 模倣と真実(七聖サイド/一部アオト視点)

◆ファランシア地下(アオト視点)

 街の鼓動は、まだ微かに残っていた。

 地下制御炉の前で、僕は義手を下ろす。

 淡い光が消え、ファランシアは再び“眠り”に入る。

「……疲れた」

 思わず本音が漏れた。

 セリナは隣に立ち、崩れた柱にもたれながら息を整えている。

「街と直接繋いでたんでしょう?」

「うん。応急リンクだけど」

 正規制御じゃない。

 ほんの一部のアクセス権を借りただけ。

 それでも――

「思った以上に、負荷が大きい」

 義手の内部温度がまだ下がらない。

 カイが近づいてくる。

「敵は完全撤退した」

「被害は?」

「軽傷が数名。死者なし」

 胸の奥が少しだけ軽くなった。

 初めての実戦。

 七聖の兵と正面からぶつかって、生き残った。

 それは、奇跡に近い。

「……でも、これは勝利じゃない」

 僕が言うと、セリナは静かに頷いた。

「ええ。ただの“猶予”」

 彼女の言葉は重い。

 七聖は、必ず本気で来る。

◆テンレア首都・聖導議殿

 円卓の間。

 エミリオは片手を上げて入室した。

「はいはい、帰還報告ね」

 ジュリアの映像が浮かぶ。

『ずいぶん早かったじゃない』

「深入りしなかったからね」

 彼は肩をすくめる。

「都市側に“正規鍵”がいた。しかも部分制御まで通されてる」

 場の空気が一段階、冷えた。

 アルディアスが低く問う。

「つまり?」

「つまり――」

 エミリオは指を鳴らす。

「俺たちが使ってる旧文明技術、全部“外付け”だったってこと」

 ミハイマールが即座に反応した。

「確認した。君のセンサーはアストレリウム系の模倣品」

 彼女の指先にホログラムが浮かぶ。

「解析した結果、鍵保持者のアクセスは“都市基盤レイヤー直結”」

 静かな声。

「私たちは表層API。彼はコア」

 沈黙。

 アンリエットが息を呑む。

「……格が違う?」

「ええ」

 ミハイマールは淡々と言い切った。

「我々は遺物を使っているだけ」

 一拍。

「彼は、文明を動かしている」

 アルディアスの瞳が細まる。

「本物の鍵、か」

 ノクスが、静かに口を開いた。

「観測は完了した」

 仮面の奥から、淡い声。

「レグノル地下の欠損記録。ファランシアの待機都市」

 彼は円卓を見回す。

「すべて繋がった」

 ジュリアが微笑む。

『つまり――少年は、旧文明そのもの』

「近い」

 ノクスは否定も肯定もしなかった。

「彼は“最後の正規管理対象”」

 その言葉に、場がざわつく。

「回収する」

 アルディアスが断言する。

「危険すぎる」

 リンシアが静かに言った。

「……本当に?」

 全員の視線が集まる。

「彼は、まだ敵意を見せていない」

「甘い」

 アルディアスは即答する。

「秩序に属さぬ力は、例外なく破壊の種になる」

 ノクスが、ぽつりと言った。

「破壊するか、観測を続けるか」

 一瞬の間。

「私は、後者を選ぶ」

 エミリオが笑う。

「賛成。面白いし」

 ミハイマールも頷いた。

「技術的価値が高すぎる」

 アルディアスは舌打ちし、椅子に深く座り直した。

「……好きにしろ」

 低い声。

「だが、逸脱した瞬間、焼き払う」

 ノクスは静かに告げる。

「鍵は、まだ目覚めの途中だ」

 仮面の奥で、視線が遠くを向く。

「そして――」

 一拍。

「ガイアもまた、目を開き始めている」

 誰も言葉を発しなかった。

 七聖は理解している。

 これはただの反乱ではない。

 文明の再起動だと。

新生リブートオブアーク

以前のは、設定を足し続けたらわからなくなっはてしまい半年かけて最後まで練り上げるました。

書き溜めがもう少しあるので、第一部までは投稿を早くできたらいいなと考えてます。

よろしくお願いします。

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