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魔導想生記 〜いつか英雄になるその日まで〜  作者: 航柊
第3章 魔導士編

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第百二十九幕 道筋

おまたせいたしました。



飛んで火に入る夏の虫。

されどその虫は、その火を喰らうべく煌々と光を放つ。例えその身体は変わらず炎に焼かれるとしても。


そう、及ばないと分かってて尚...止まれるほど私は賢くは無い。


私の極致...。"一刀専心"のその先


居合"夜刀神"


"大和"において、神を冠するその意味....この身をもって証明せん。


______________


神刀【天之瓊断(あめのぬのたち)】はマナの境界を操る力を宿す。相反するものを繋ぎ合わせ、本来交わるはずのものを分ける。


その()が告げられた瞬間、世界は闇に落ちる。あらゆる"光"を飲み込み、暗きに染める漆黒の闇へと。


けれどその中で声が響く。


「闇の中でこそ、光は燦然と輝く。」


その言葉と共に何も映さなくなったはずの瞳が光を映した。美しい白亜の光を...身体に迸る衝撃共に。


「闇の中、ヒトは光を願う。されどその光を映したのならば...既に我が刃は届いている。」


それが"夜刀神 一の型" 【黒白(ブラックスワン)


______________


暗闇の中、研ぎ澄まされる感覚を逆手に"相手が反応する"ことを発動条件(トリガー)とした技。


見えるからこそ、反応出来てしまうからこそこの技は当たる。


この身体に宿るのが"英雄"だからこその技。


だがそれでも


______________


「技は確かに届いた。だがそれでも...斬るには至らない。それでこそ。」


届かない事など、とうに知っている。

"黒白(ブラックスワン)"すらも、布石。欲しかったのはほんの僅かな時間。


白亜の斬撃によって浮かび上がるのは八芒星。

それは大和が誇る八家を束ねるが如き光。


その中心に立ち...彼女は授けられた名をもって祝詞を紡ぐ。


「"黄泉津(よもつ)を踏みしめ 我は道を敷く


魔纏氣装(マナ・アルマ) 戦化装(いくさげしょう) "【白花繚乱(アペルティオ・フルールドリス)】」


星夜の如き黒を纏う"英雄"に相反するが如く、彼女は白を纏う。それは一切の澱み穢れを削ぎ落とした末の純白。そしてその背で舞い散るのは純白が果て、無垢なる力の結晶が象り描く...八紋の白百合。



魔纏氣装(マナ・アルマ)


天之瓊断(あめのぬのたち)】によってもたらされる薄皮一枚の魔力を"纏い"その上で本来相反するはずの"氣"を更に重ねる技法にして武装。殺華をしてかの【魔導律(マギア・ケルディア)】に並ぶとも言わしめる【究極技法(アルテマート)】の一つ。鞘の中で行っていた"一刀専心"を己が身を刀として行うことで凄まじい力を得る。その反面一つ間違えれば身体が相反する力によって引き裂かれる代償を背負いながら...。


だが、それでも。


「痛みによって己を研ぎ澄ます。君と同じように。」


それは"英雄(だれか)"にではなく、確かな"レギ"に向けられた言葉。例え今は、この声が届かなくとも...。


______________


内なる声は届かない、外なる声は伝わらない。


「「美しい。」」


だがそれでも、内と外、声は重なる。現世(いま)と過去、生きた時代、見てきたもの、出会ったヒト。どれも違えど真に心を動かされた時、こぼれ落ちる言葉は同じなのだから。


______________


目に映る以上の全てが伝わってくる。


ふふっ、なるほど..."今"は視えているようだな。


「気付け薬というには少々荒々しいがそろそろ起きてもらうぞ、レギ。」


その言葉を届けるよりも疾く、駆け出す。

舞い散る白百合の花弁が地に落ちるよりも早く。


だが"英雄"は揺らがない。超人的な反応をもってして私に剣を合わせてくる。


打ち破る。ただ、それだけへの専心。



打ち合いでは勝てない。ならばどうする。


出力を上げる。


それでも届かない。ならばどうする。


剣撃を重ねる。一縷も違えず同じ軌跡を。


尚、及ばない。なら、どうする?


「はっ!正面突破(ちからずく)に決まっているだろう!矛盾してる?知るか、届くまで重ねるだけだ!


"居合 夜刀神" 【厄刀(ミスフォーチュン)八重刃(アハト)】」


______________


一瞬八閃。【厄刀】はあらゆる"魔力"による防御を破壊する斬撃。"外氣"をより厚く纏うことで受けた相手の魔力に干渉、瓦解させる。


超反応をもって受けた"英雄"の身体を吹き飛ばす。都合八度の音を響かせながら...。


此度の戦場にあって、"英雄"は初めて"受け"に回る。


そして己を賭し、確かに"英雄"に手を掛けたその一撃は..."戦刀姫(イザナミ)"の才能を加速させていく。


「好機は今。"居合 夜刀神"」


極限の集中、一撃を加えて尚、心の水面に揺らぎ一つ無い彼女はその瞳に一筋の道を写す。終幕へと至るその道を。神の座を射止めんとし...昇る道を。


そして辿り着く。柊 斬姫が魅せる至高の連舞へと。


「 【月燿(アルテミス)】」


一撃。


「【禍無雷(カムイ)】」


二撃。


「【仇華(ヴェンデッタ)】」


三撃。


斬姫が刀を振るう度、その背に新たな蕾が芽吹く。それは無垢なる結晶。曰くそれは純粋なる"(エネルギー)"の塊。そしてその蕾は二撃目で芽吹き、三撃目で花を咲かす。

【白花繚乱】 その名を体現するかの如く。


「花は乱れ咲き、花弁は幾億と舞う。」


告げる斬姫の背には八輪の八紋白百合。


そう、次に繰り出されるのは文字通りの全身全霊。それは紛うことなき柊 斬姫、歩んできた道を示す生涯最高の技。


「"舞うは白百合 天を翔けるは白亜の龍

高天原を超え いざ往くは星の涯て


其は 神へと昇る道"」


白百合は八芒を紡ぎ、花弁は龍を画く。遥かなる(そら)を征する為に。描いた道を往く、其は大和が長子。


「"柊流 秘奥 居合夜刀神" 【我龍天征(アムルタット)】」


曰く其れは居合による斬り上げ。但しそれを文字通りの全身全霊。身体と刀、鞘に至るまでの全てを使う居合。


白百合が齎す(エネルギー)の全てを初速の推進力へと換え、【魔纏氣装】をもって制御、そして"一刀専心"をもって振るわれる一刀。



そう、ここまで視えていた。そしてもう、その瞬間は今、目の前にある。後はこの右手を振り抜き...遥か遠き神にその手を届かせる



はずだった。


凝縮された時の中、確かに届いた、届きえたからこそ気が付く、微かな淀み。綻び。


誰が言ったかそれはまるで、一寸先の...闇。



「視えたのだな。なら良い。誇れ、お前は強い。」


そしてその闇は暗がりよりそれを告げる。


「"尽くし干せ" 【Uru(ウル) Ghoul(ゴゥル)】」


終末の鐘は高らかに鳴り響き、天へと昇る道は意図も容易く崩れ去る。


「闇の中で光を追い求めるように、ヒトは希望に手を伸ばさずにはいられない。例えそれが定められた結末(罠)であっても。視えたのであれば、踏み込まずにはいられない。勇気ある者よ、その"傷"をもって、歓迎の証としよう。」


そう、視えたからこそ...導かれ辿り着いた結末。

予告のヘイズが可愛過ぎます、早く読みたい。


それはともかく最近色んな漫画を読み返しました。ネギま、ぬら孫、マギ等、そのどれもがダンまちよろしく今の自分の趣味嗜好を形作っていると言っても過言ではありません。


ビバ厨二病。

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